「世間知らずの高枕」
「世間知らずの高枕」は「世の中の事情を知らない人が、それを全く気にすることなく、ゆるりとしていること」を表す、皮肉を込めたことわざ。「高枕」は、高い枕で寝ることをいい、不安や悩みもなく安眠していることを表しています。
「聞くは気の毒、見るは目の毒」
「聞くは気の毒、見るは目の毒」とは、「聞けば、事情を知ることになり心を悩ませ、見ればその事情を目の当たりにして心配ごとになる。聞くも見るも心の毒だ」という意味です。
「人生字を識るは憂患の始め」
「人生字を識るは憂患の始め」は「じんせいじをしるはゆうかんのはじめ」と読みます。「人間は読み書きを覚えると、様々な事情がわかるようになり、それが心を悩ませることになる。無学でいたほうが気楽でいられるだろう」ということをいった慣用句です。
「知らぬが仏」の対義語とは?
「知らぬが仏」の対義語には「知は力なり」、「聞くは一時の恥、知らぬは一生の恥」が挙げられます。
「知は力なり」
「知は力なり(knowledge is power)」は、イギリスの哲学者フランシス・ベーコンの言葉。「経験、体験することで得た知識は力となり、自分の可能性になる」という意味です。「知識を得ることが力なる」ということを説いた「知は力なり」は、「知らない方が良い」ということをいった「知らぬが仏」の対義語にあたるでしょう。
「聞くは一時の恥、知らぬは一生の恥」
「知らないことを他人に聞くのは、恥ずかしいことかもしれない。けれど、それは一瞬の恥ずかしさ。知らないまま過ごす方が恥ずかしいこと。知らないことは、積極的に質問するのがよい」という意味のことわざ。「一時の恥」は「一旦の恥」ということもあります。
英語で表現するには?
英語にも「知らぬが仏」という意味のことわざがあります。
「Ignorance is bliss」
「ignorance」は「無知」や「知らないこと」、「bliss」は「至福」、「幸福」という意味です。よって、「ignorance is bliss」を直訳すると、「知らないことは幸福である」。「知らぬが仏」と同じ意味で使うことができます。
「What you don’t know can’t hurt you」
「あなたが知らないことは、あなたを傷つけようがない」という意味のことわざ。「what you know」は「知らないこと」、「hurt you」は「傷付ける」という意味です。
最後に
江戸の『いろはかるた』から、現在でも定着していることわざ、「知らぬが仏」の意味や使い方を解説しました。普段生活している中で、「知りたくなかった!」ということは少なくないのではないでしょうか。なんでも把握していることを良しとしてしまいそうですが、「知らぬが仏」の精神でいることで物事がスムーズに進むこともありそうです。
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