類義語は「瓜の蔓に茄子はならぬ」など
3つの類義語と意味は次の通りです。
・瓜の蔓に茄子はならぬ:子は親に似るものだ、平凡な親から非凡な子は生まれない
・鳩の卵が鵯にはならぬ:平凡な親から非凡な子は生まれない
・この親にしてこの子あり:良くも悪くも子は親に似るものだ
上の2つは、「蛙の子は蛙」とほぼ同意で凡人の子は凡人でしかないという意味で使われます。ただし、「この親にしてこの子あり」は、子どもが親の良い性質や才能を受け継いだ場合にも使える表現です。
「蛙の子は蛙」には、他にも多くの類義語が存在します。微妙なニュアンスの違いを把握しておきましょう。
対義語は「鳶が鷹を生む」「烏の白糞」など
次に、対義語とその意味をご紹介します。
・鳶が鷹を生む(とんびがたかをうむ):平凡な親が優秀な子を生むこと
・烏の白糞(からすのしろくそ):平凡な親が優秀な子を生むこと
・竹の子の親勝り(たけのこのおやまさり):子が親よりも優れていること
どのことわざも、子が親より優秀だったり美しかったりすることを意味しています。しかし、親を平凡と例えているのは変わりないため、相手を不快にさせないように利用シーンには気を付けましょう。
「蛙の子は蛙」の使い方と例文
「蛙の子は蛙」には、ネガティブなニュアンスが含まれていることをご紹介しました。会話の中で利用する際には、決して褒め言葉として使えないことを覚えておきましょう。
言葉の正しい意味を理解して初めて、正しく言葉を使いこなすことができます。「蛙の子は蛙」の使い方のポイントと、活用のヒントになる例文をご紹介します。
褒め言葉としては使わない
「蛙の子は蛙」は、能力の高さや才能を褒める際には使えません。
例えば、ステキで優秀な親子に出会ったとしましょう。あなたが褒めたつもりで「蛙の子は蛙ですね」と言ってしまうと、相手の方にとって大変失礼な発言になってしまいます。この場合は「この親にしてこの子ありですね」という発言が適しているでしょう。
誤用をされることも多い表現である分、使い方のポイントをしっかりと理解してから使うようにしましょう。
「蛙の子は蛙」を使った例文
「蛙の子は蛙」は、マイナスなニュアンスが含まれる言葉です。では、どんな時に使えばいいのか例文を確認してみましょう。
【例文】
・自分と全く同じ所で勉強につまずいている娘を見て、やっぱり蛙の子は蛙だと感じた。
・蛙の子は蛙、子ども達には難しい夢を追うより現実的な仕事をして安定した生活を送って欲しいと思ってしまう。
・蛙の子は蛙というが、努力で将来は変えられると信じて頑張ろう!
・うちの家族は全員ひどい猫舌で、蛙の子は蛙なのだと思い知らされる。
まとめ
「蛙の子は蛙」とは、子どもの性質や能力が親に似ること、または凡人の子は凡人だという意味です。成長過程で大きく姿や性質が変わる蛙とオタマジャクシに由来する言葉で、他にも多くの類似表現があります。
褒め言葉として使うことはできないため、利用シーンには注意するようにしましょう。
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