変幻自在(へんげんじざい)とは自由に形を変えること
変幻自在(へんげんじざい)とは、“自由に形や姿を変えて、現れたり消えたりすることを指す言葉”です。見た目だけでなく立場を自由に変えること、あるいは変わり身が早いことを指すこともあります。
なお、変幻(へんげん)とは、まるで幻であるかのように実体がつかみづらいことや、出現・消滅が素早いことを指す言葉です。変幻が自由自在であるときは、変幻自在という言葉で表現します。
【変幻自在】へんげんじざい
名・形動 思うままに姿を変えて、現れ消えること。また、そのさま。「―な怪盗」
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
■変幻自在を例文で解説
変幻自在の使い方を、例文を通して見ていきましょう。
<例文>
・雲は変幻自在に姿を変え、少しの間も同じ形でいることがない。
・あるときは品のよい紳士、あるときはつかみどころのない流れ者。彼は変幻自在に姿から雰囲気まで変えることが得意だ。
・彼女のことを知っている人は多いが、本当に同一人物か迷うほど人によって印象が異なる。彼女の変幻自在な様子は、まるで天性の女優のようだといえるだろう。
変幻自在は、見た目や様子が自由に変わるものであれば、人だけでなく物にも使うことができる言葉です。例文のように雲などの、固定の形がないものにも使います。
■変幻自在の類語を例文で解説
変幻自在のように、自由に見た目や様子が変わることを表現する言葉はいくつかあります。よく用いる言葉としては、次の3つが挙げられるでしょう。
・千変万化(せんぺんばんか)
・自由自在(じゆうじざい)
・臨機応変(りんきおうへん)
それぞれの言葉の使い方を、例文を通して解説します。また、どのように変幻自在と使い分けるのかについても見ていきましょう。
千変万化(せんぺんばんか)
千変万化(せんぺんばんか)とは、さまざまに変化する様子を指す言葉です。一方、変幻自在は思いのままに変化している様子を指します。
つまり、千変万化はどちらかというと変化する人・物の意思によって変化しているのではなく、自然と変化しているときに使える言葉といえるでしょう。変幻自在は変化する人・物が主体的に変化しているニュアンスがあります。
<例文>
・空の色は千変万化だ。一瞬たりとも同じ色になることはない。
・A国の情勢は千変万化している。昨日の英雄が、今日の政治犯になることも珍しくない。
自由自在(じゆうじざい)
自由自在(じゆうじざい)とは、思い通りにふるまうことができることを指す言葉です。変幻自在とほぼ同じ意味の言葉ですが、自由自在には「現れたり消えたりする」といったニュアンスはないので、単に形や見た目、様子が変わるときに使うほうがよいでしょう。
<例文>
・彼はサッカーの申し子だ。サッカーボールを自由自在に扱える。
・このプログラムの特徴は、自由自在にスケジュールを変えられることです。午前中にまとめて授業を受けたり、土日だけ実習を入れたりすることもできます。
臨機応変(りんきおうへん)
臨機応変(りんきおうへん)とは、その場に合った対応をとることを指す言葉です。また、状況に応じて対応を変えることも、臨機応変と表現します。変幻自在は主体の意思によって変化するときに使える言葉ですが、臨機応変は、主体の意思というよりは周囲の状況によって変化するときに使うことができるでしょう。
<例文>
・大抵の対応についてはマニュアルに書いてありますが、書いていない状況が生じたときは、臨機応変に対応してください。
・彼女の臨機応変な対応により、イベント期間中、大きなトラブルは起こらなかった。
変幻自在の対義語をご紹介
変幻自在の対義語としては、次の2つが挙げられます。
・千篇一律(せんぺんいちりつ)
・一本調子(いっぽんちょうし)
それぞれの使い方を例文を通して見ていきましょう。また、なぜそれらの言葉が変幻自在の対義語といえるのか、わかりやすく解説します。