立居振舞(たちいふるまい)とは日常動作のこと
立居振舞(読み方:たちいふるまい)とは、日常動作を指す言葉です。また、立ったり座ったりするときの身のこなし方について指すこともあります。
なお、送り仮名をつけて「立ち居振る舞い」や「立ち居振舞い」と表記することも少なくありません。いずれも読み方と意味は同じで、日常動作や立ったり座ったりするときの身のこなし方について指します。
【立居振舞】たちいふるまい
立ったり座ったりの身のこなし。日常の動作。たち振る舞い。
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
立ち振る舞い(たちふるまい)との違い
立居振舞とは、立つ(立)、座る(居)の動作を指す言葉です。そのため、「居」の漢字が含まれていない立ち振る舞い(たちふるまい)という言葉は、立った状態のみを指していると考えられます。立ったとき、あるいは立っている状態での身のこなしについて話すときは、立居振舞ではなく立ち振る舞いを使うほうが良いでしょう。
しかし、現在では立ち振る舞いも立居振舞も特に使い分けないことが一般的です。いずれも日常動作や身のこなしを指す言葉として使用されています。
ただし、発ち振る舞いと書いて「たちぶるまい」と読むときは意味が異なるので注意が必要です。この場合の「振る舞い」とは行動のことではなく、食事でもてなすことを指します。どこかへ旅立つ人や人生において新たな局面に立った人を主役とし、食事でもてなすときに、「立ち振る舞いをする」「立ち振る舞いをした」のように使うことができるでしょう。
起居(ききょ)との違い
こちらも、日常動作や身のこなしを指す言葉です。立居振舞や立ち振る舞いと同じ意味で使われます。
なお、起きる(起)と座る(居)と表記しますが、具体的にこの2つの動作だけを指している言葉ではありません。生活全般の動きを代表して、起きる(起)と座る(居)という2つの動作と漢字が使われていると考えられます。
立居振舞の意味を例文でご紹介
例文を通して、立居振舞の意味をより深く理解していきましょう。いくつかご紹介します。
例文
・あの人は立居振舞が美しく、まるで舞を舞っているかのようだ。
・油断すると膝を崩したり、開いたりしてしまう。常日頃から立居振舞に気を付けたい。
・階段から落ちたので、立居振舞が不自由になった。早く治して、スムーズに動けるようになりたい。
立居振舞の類語を例文でご紹介
立居振舞には、他にも類似する意味を持つ言葉が多数あります。主な類語としては、次の4つが挙げられるでしょう。
・所作(しょさ)
・作法(さほう)
・挙措(きょそ)
・行住坐臥(ぎょうじゅうざが)
それぞれの言葉を例文を使ってご紹介します。立居振舞とどのように使い分けられるのか、ニュアンスを感じて取ってください。
所作(しょさ)
身のこなしやしぐさという意味の言葉です。立居振舞と同じ意味も指しますが、所作には「その場に応じた身のこなし」や「その場に応じた振る舞い」などの意味が含まれています。
また、所作という言葉は、演技における動作や、「職業」という意味で使われることも少なくありません。前後の言葉から、どのような意味で使われているのか判断するようにしましょう。所作の例文をいくつかご紹介します。
例文
・あの人の所作はいつでも美しい。
・面接のときには所作も見られているので、指先まで気を抜かずに意識した動作をするようにしてください。
・着物で挨拶をする所作を習ったけれども、まだ身についていないのでスムーズにできない。
作法(さほう)
作法(さほう)とは、振る舞い方や身のこなしといった意味もありますが、「定められた振る舞い方」や「しきたりに則った身のこなし」というニュアンスがあります。そのため、立居振舞というよりは、「決まり」や「しきたり」という言葉で置き換えることができるでしょう。
また、立居振舞には正解があるわけではありませんが、作法には正解が存在することがある点も特徴です。そのため、長年培われてきた動作などに沿った行動を取れば、「作法どおりだ」とその道の専門家や師匠などの立場の方から評価されることがあります。いくつか例文を見ていきましょう。
例文
・彼女の作法は大変素晴らしい。
・茶道を長年しているが、まだ作法を間違えることもある。
・作法に則った礼儀正しさで、これから会うことが難しいことを伝えた。