さやの内側にあるワタも食べられる
「蚕豆」のさやの内側には、白いふわふわしたワタが。このワタには、蚕豆の栄養を一時的に貯めておく役割があるのだそう。ワタには甘味成分が含まれているので、スプーンですくって食べることができますよ。グリルで焼いた際に味見してみてはいかがでしょうか。
おたふく豆・一寸豆などの別名も
「蚕豆」は、「おたふく豆」「一寸豆」「刀豆」「唐豆」などさまざまな呼び名があります。「おたふく豆」は、その豆の形がおたふくの顔の形に似ているのが由来だそう。また、「一寸豆」は、豆の大きさが一寸(3cm)ほどだから、「刀豆」はさやが刀の形に似ているから、「唐豆」は唐の国から伝わったものだからそう呼ばれたようです。
「蚕豆」の品種
「蚕豆」には、濃い緑色や淡い緑色のほか、赤褐色の品種があります。日本で流通している品種はほぼ緑色のもので、比較的大粒の「一寸ソラマメ」と呼ばれるタイプが一般的です。
仁徳一寸
「仁徳一寸」は、さやと豆ともに鮮やかな濃い緑色をしています。豆は3cmほどと大粒で、甘みがある品質の良さが自慢。丈夫で育てやすいので、「一寸ソラマメ」の中でも人気の品種です。
初姫
「初姫(はつひめ)」は、豆が赤褐色をしているのが特徴です。大体さやの中に1粒から3粒ほど入っており、大きさは一般的な蚕豆と同じサイズ。見た目は赤褐色ですが、表面の皮を剥ぐと通常の空豆と同じ色になります。柔らかな甘味とコクがあり、薄皮も柔らかく食べることができるそうです。
フェーブ
「フェーブ」はヨーロッパで食べられている蚕豆です。「フェーブ」とはフランス語で、「蚕豆の実」を意味する言葉なのだそう。ヨーロッパの「蚕豆」は、日本のものと比べると見た目が細くひょろっとした形をしています。フランス料理では、茹でたものをバターとあえてメイン料理の付け合わせにしたり、裏ごししてポタージュやソースとして活用するようです。
最後に
初夏になると店頭で見かける機会の多くなる「蚕豆」。一般的には「そらまめ」と平仮名で書かれることが多いため、「蚕豆」と書くことを初めて知ったという方も多かったのではないでしょうか。茹でたり焼いたりなど作り方は簡単なので、手軽な一品料理として活躍してくれるはず。この夏は旬の味覚「蚕豆」を味わってみてはいかがでしょうか。
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