この時季増加する汗の悩み
4月から全国各地で夏日を記録するなど、すでに暑さが気になる日が増えている今日この頃。美容皮膚科医の吉木伸子先生によると、それに伴い多汗症の相談が増えているそう。
「多汗症に関する皮膚科への相談が急増しています。見た目の問題だけでなく、べたつき、かゆみなども引き起こします。暑いときだけでなく、ちょっとした緊張でも多量の発汗を起こし、日常生活に支障が出ている人も増えています。部位は手足、ワキのほか、全身という人もいます。かきたくないときに汗が出て困る、汗が出すぎて恥ずかしいと思うとその緊張でさらに汗が止まらなくなる、という訴えが目立ちます」(吉木先生・以下同)
その中で特に多いのが、40代以上の〝年齢汗〟の相談。一体年齢汗とは? 暑さ厳しい季節を迎える前に、その原因と対策を吉木先生に聞きました。
40代以上の人に多い〝年齢汗〟って?
急な上半身の発汗や寝汗……それ、年齢汗かも
「40代以上は上半身の急な発汗が多く、頭や首の後ろに流れてくる、寝汗が多くて夜中に着替える、足は冷えるのに上半身に汗が出る、という方が多くなります。これが年齢汗です」と吉木先生。
年齢汗は40代以上からの訴えが多いようですが、もちろん個人差があり30代でも症状が出る場合があるそうです。冒頭でも説明していただいたように、年齢汗が気になって外に出られない、人と会うのが恥ずかしいなど、生活の質の低下に繋がってしまうことも。
年齢を重ねることで汗が増えるおもな原因は?
吉木先生によると、年齢を重ねるにつれ汗が増えるのには女性ホルモンが関係しているそう。その対策や治療法などは、状態によりさまざまなようです。
「赤ちゃんのときはたくさん汗をかきますが、思春期で女性ホルモンが分泌するようになると落ち着きます。しかし、更年期になると、再び汗は増えます。思春期から青年期にかけては女性ホルモンが自律神経を安定させ、発汗はコントロールされています。しかし、それが欠乏すると、発汗が増えてしまうことがあります。このことを患者さんに説明すると納得されます。
年齢汗の場合、他に深刻な更年期症状がなければ制汗剤や入浴などの指導を行い、必要があれば汗をとめるボツリヌス注射を行います。自律神経がきわめて不安定な方には内服薬などの治療もします。また、年齢汗は緊張と関係が深いため、緊張をとるための漢方薬などを処方することもあります」
まずは正しいケア方法を知ろう
正しいケアを行い不規則な生活や過度なストレスを避ける
それでは、病院へ行くほどではないけれど年齢汗が気になる、という場合はどうしたらよいのでしょうか。年齢汗の対策として心がけたいことを吉木先生に聞きました。
「清涼感で汗を減らすシャワージェルや、汗による衣服の貼りつきを防ぐパウダーなども市販されていますので、それらを活用して、汗の悩みを軽減しましょう。また、自律神経が発汗の制御には重要なので、それを乱すような不規則な生活、過度なストレスも避けるほうがよいでしょう。女性ホルモンが減ってくると起こる年齢汗は、誰にでも起こりうることです。年齢汗で悩まないためには、正しい理解とケアが必要です」
お出かけ前と帰宅後のケアで1日を快適に
自宅でできるケア方法としては、お出かけ前に発汗を軽減しニオイを防ぐパウダーを使用し、帰宅後には発汗後のベタつき・ニオイの不快感を取り除いてくれる石けんで洗浄するのがおすすめです。
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発汗を軽減しニオイを防ぐための有効成分・焼ミョウバン配合。
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ニオイの原因となる酸化した皮脂汚れをすっきり落としながら、必要な皮脂は取りすぎない。
また、さらに汗をかくこれからの季節の年齢汗ケアには、外出前に石けんとパウダーをあわせて使う「Wケア」がおすすめ。朝、石けんで洗浄してからパウダーをつけましょう。年齢汗ケアをしっかり行っておけば、突然汗をかいたときにも心が少し落ち着いていられるはず。
誰にでも起こりうる年齢汗ですが、加齢の結果汗が増えることがあるとは知らなかった人も多いのではないでしょうか。汗が気になるこれからの季節の参考にしてみてください。
教えてくれたのは…
吉木伸子先生
皮膚科医。よしき皮膚科クリニック銀座院長。美容皮膚科学と漢方を取り入れた皮膚科治療を行うかたわら、多くのTV、書籍、雑誌などのメディアを通じて正しいスキンケア方法について語り、皮膚科医ならではの科学的な見地に基づいたアドバイスには、著名人をはじめとした多くのファンがいる。
情報提供:デオナチュレ