欣喜雀躍ってどんな言葉?
「喜」や「踊」という漢字が入っていることから、なんとなく「良いこと」「ポジティブな言葉」といったイメージができるかもしれません。 本章では「欣喜雀躍」という四字熟語について、言葉の意味や由来を解説していきます。使いこなせれば“知的”なイメージがグッと上がるので、どんどん使っていきましょう。
言葉の意味
欣喜雀躍という四字熟語を辞書で調べてみると、以下のような説明があります。
【欣喜雀躍:きんきじゃくやく】 こおどりして喜ぶこと。
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
熟語を構成している漢字からも想像できるように、欣喜雀躍とは非常に喜んでいる姿を表現した言葉であるとわかります。欣、喜はともに喜びを表し、雀躍はスズメが飛び跳ねるように小躍りするイメージです。ただ「嬉しい」「喜んでいる」と伝えるよりも、よりポジティブな気持ちを強調できる四字熟語であると感じますね。 プライベートなシーンにおいては少し堅苦しい印象を受けてしまいますが、ビジネスの場には最適なので、ぜひ使ってみてください。
言葉の由来
欣喜雀躍という言葉は、中国から伝わった四字熟語とされています。
「欣喜」の由来は、「春秋左氏伝(しゅんじゅうさしでん)」から。本書は、古代中国の年代記である「春秋」の注釈書で、春秋時代の歴史を語るうえでは欠かせない文献です。「雀躍」は中国戦国時代の思想家・荘周が書いたとされる「荘子(そうじ)」が由来。この「在宥(ざいゆう)篇」の第5章からきた熟語とされています。
欣喜雀躍の類義語3つ
欣喜雀躍と同じように、喜びを表現した四字熟語は他にもいくつかあります。本章では類義語の「歓喜雀躍」「歓欣鼓舞」「狂喜乱舞」の3つを紹介します。 一つの熟語を覚える際、似た意味をもつ類義語も合わせて知っておくことで、語彙力をグッと伸ばすことができます。ぜひ4つの四字熟語を1セットで覚えてください。
1. 歓喜雀躍(かんきじゃくやく)
「躍り上がらんばかりに、非常に喜ぶこと」という意味で使用される四字熟語です。 欣喜雀躍が「小躍りをして」であるのに対して「躍り上がらんばかりに」と解説されている点から、「喜びに満ちて踊り出してしまいそうでありながら、こらえているような姿」がイメージされます。いずれにしても、非常に喜んでいることには変わりないため、基本的には同じ意味として使用できるでしょう。
2. 歓欣鼓舞(かんきんこぶ)
「思いっきり喜ぶこと」といった、喜びを表現した四字熟語です。「鼓舞」というのは、太鼓を鳴らして踊るという意味が含まれており「思いっきり」という表現がぴったりな言葉です。誰かが両手を広げて、盛大に喜んでいる姿が、まるで目に浮かぶような四字熟語ですね。
3. 狂喜乱舞(きょうきらんぶ)
こちらも、とても喜んでいる姿を表現した四字熟語です。本来は文字通り「狂おしいほど喜んで踊る」という意味で、あまりの喜びについに踊り出してしまったことがわかります。 ここまでにご紹介した喜びを表現する四字熟語のなかでは、最も馴染み深い熟語ではないでしょうか。
欣喜雀躍の対義語2つ
とても喜んでいることを表現した「欣喜雀躍」に反して、深い悲しみを表現した四字熟語もいくつかあります。このように、反対の意味を持つ言葉、つまり対義語としては「九腸寸断」と「仰天長嘆」の2つを解説します。嬉しいときと悲しいとき、これらの熟語を使い分けてみてください。
1. 九腸寸断(きゅうちょうすんだん)
非常に悲しんでいる様を表現した四字熟語です。 「九腸」とは、身体の中のはらわた全体を意味しています。そして「寸断」とは、細かく切られている様を意味します。 要するに、はらわたすべてがバラバラに千切られてしまうかのような悲しみ・辛さを「九腸寸断」と表現するのです。
2. 仰天長嘆(ぎょうてんちょうたん)
「仰天」とは文字通り、天を仰ぎ見る姿を表現しています。 そして後半部分にあたる「長嘆」は、長い)ため息を表す熟語です。前半と後半を合わせると、天を仰ぎながら長い溜め息を吐く、つまり非常に悲しいという意味になります。
欣喜雀躍の使い方は?
欣喜雀躍という四字熟語を実際に使ってみようと思うと、なかなか難しいですよね。喜びを表現するのに、わざわざ四字熟語を用いることは、なんだか堅苦しいような気もしてしまいます。 ではどのような使い方をすれば、違和感なく使うことができるのでしょうか。本章では欣喜雀躍の使い方を例文と会話例とに分けて解説します。
例文
1. 努力を続けた結果、昇進が決まった彼女は欣喜雀躍した。
2. 彼は溢れるような喜びを抑えきれず、欣喜雀躍のごとく飛び上がっている。
3. 母の日に豪華なプレゼントを渡したら、きっと母は欣喜雀躍してくれることだろう。
いずれの例文も、何らかの理由から非常に喜んでいる人の姿が浮かんでくるものばかりですね。
会話例
Aさん「何だか今日は、いつもよりご機嫌ですね。」
Bさん「それはそうですよ。何といっても明日から長期連休になるのですから。」
Aさん「そういえばそうでしたね。すっかり忘れていました。」
Bさん「私なんて、起きたときから欣喜雀躍するほどでしたよ」
Bさんがどれほど連休を心待ちにしていたか、よく伝わってきましたね。
「欣喜雀躍」を正しく使おう!
欣喜雀躍という四字熟語について、解説してきました。欣喜雀躍は、小躍りしてしまうほど喜んでいる姿を表現した四字熟語です。 ただ「喜ばしい」と伝えるよりも、溢れるような喜びをストレートに表現できる熟語であるため、本記事でご紹介した使い方の例を参考に、ぜひみなさんも「欣喜雀躍」をどんどん使ってみてください。
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