喉から手が出るとは?
読み方は「のどからてがでる」。自分で自分を抑えられないほど、欲しくてたまらないことのたとえです。
【喉から手が◦出る】
欲しくてたまらないことをたとえていう。「―◦出るほど欲しい珍本」
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
喉から手が出ることは現実にはあり得ませんが、あり得ないことをしてしまいそうなほど欲しくてたまらないという欲望を表現しています。
ここでは、「喉から手が出る」の意味や言葉の由来について見ていきましょう。
欲しくてたまらない気持ちを表す
「喉から手が出る」は欲しくてたまらないという気持ちをたとえた言葉です。欲求が満たされておらず、どうしても欲しいという気持ちの強さが表現されています。
欲しいと思う対象には限定がありません。欲しいと思ったもの全般に使われる言葉です。「ほど」をつけて「喉から手が出るほど欲しい」という使い方をすることが多いでしょう。
言葉の由来
ひどく空腹な状態で、食べ物が欲しくてたまらない状態が由来とされています。食べ物が欲しいのに食べられない状況で、言葉を発するはずの喉から手が出てしまうほど気持ちを抑えられないことを表現しているのです。
また、2本ある手では足りず、喉からも出てしまうほど早く食べ物が欲しいという気持ちを最大限に表しています。現在では、食べ物以外の対象に使われるケースも多いです。
喉から手が出るの例文
「喉から手が出る」を使った例文を見ていきましょう。
例文
・彼女は喉から手が出るほど欲しかったブランドのバッグをやっと手に入れ、満足している。
・昔は喉から手が出るほどその車が欲しかったが、手に入れてしまうと新しい別の車がまた欲しくなる。
・今の我が社にとって喉から手が出るほど欲しいのは、顧客からの信頼である。
・本当は喉から手が出るほど欲しかったが、お金がなかったので我慢して立ち去った。
・今回のオークションでは、コレクターにとって喉から手が出るほど手に入れたいお宝が出品されている。
・人手不足が続き、すぐに働ける人を喉から手が出るほど欲しい状況だ。
・喉から手が出るほど良い条件を提示されたが、他の会社と契約してしまったため断らざるを得なかった。
・彼は喉から手が出るほど欲しかったにもかかわらず、関心がないフリをして立ち去った。
・喉から手が出るほど欲しい家具を見つけたが、予算に合わなかったため諦めた。
・喉から手が出るほど欲しかった初版本を見つけることができ、彼は歓喜した。
喉から手が出るの類語
喉から手が出るとよく似た言葉は豊富です。渇望や切望、垂涎などがあげられます。どれも喉から手が出ると同じく、どうしても欲しくてたまらない気持ちを表現しています。
同じく喉をたとえに使った言葉に「喉が鳴る」もあります。こちらも欲しい気持ちを表していますが、主に食べ物に対して使われる言葉です。
それぞれの類語を詳しく見ていきましょう。
渇望(かつぼう)
喉が渇いたとき水を欲するように、心から望むことを表す言葉です。「渇」は水がかれた状態、喉がかわいた状態を表しており、喉がかわくと人は水を求めます。生き物は水なしでは生きていけず、体内の水分量が減ることは命に関わります。
喉がかわいて一刻も早く水が欲しい状態をたとえにして、それほど欲しいという状態を表しているのです。
例文
・彼はどうしてもあの会社に入社したいと思い、内定が出るのを渇望している。
・休日は思い切りスポーツに打ち込み、ストレスを発散したい渇望がようやく満たされた。