デメリット
・コンピテンシー項目の設定に時間がかかる
・ハイパフォーマーにヒアリングをしても、コンピテンシーを明確にできなるとは限らない
・定期的なアップデートが必要
自社におけるコンピテンシーの項目を確立するまでには、ある程度の期間が必要です。またハイパフォーマーへヒアリングをしても、本人がなぜ高い成果を挙げられているのか正しく理解できておらず、項目を確立できない可能性もあります。
さらにコンピテンシーの項目は、時代に合ったものでなければなりません。そのため、一度確立しても定期的にアップデートする必要があり、その分コストがかかります。
レベル別に見るコンピテンシー
コンピテンシーを設定する際は、社員を5段階のレベルで判断していきます。レベルが高くなるほど、より高い成果が期待できる人材ということです。
本章では1〜5レベル、それぞれのコンピテンシーについて解説していきます。コンピテンシーを導入しようと考えている方は、参考にしてみてください。
レベル1:受動行動
上司や先輩からの指示を待ち、指示通りに業務を行えるレベルです。
レベル2:通常行動
マニュアルに沿った作業や、ルールとして確立された作業手順に従い、必要なタスクを確実にこなすことができます。自発的にアイデアを出したり業務改善を行ったりすることはありませんが、自分の仕事をミスなくやり遂げる意識は持っているでしょう。
レベル3:能動行動
複数の選択肢がある状況下で、最適な判断をして行動できます。決められたルールの中で自ら主体的に考え、行動し、必要なものを準備できる人がレベル3に該当します。
レベル4:創造行動
自身の行動によって状況に変化を生み出せるか、問題解決のための行動ができているかがレベル4の条件です。より迅速に、より高い成果を生み出せることがレベル4と判断される基準でしょう。
レベル5:パラダイム転換行動
既成概念にとらわれない独自性の高い発想ができ、リーダーシップを発揮してそれを実行できるレベルです。現状を大きく変えることができる柔軟かつ斬新な発想ができる人はレベル5と判断されます。もちろん、ただ斬新な計画を押し通すのではなく、しっかりと周囲からの賛同が得られることも条件です。
コンピテンシー評価の導入方法
会社にコンピテンシー評価を導入する際、どのような手順で行えばいいのでしょうか? ここでは、5つのステップを紹介します。
評価基準の確立
企業の目標に合わせて、必要なスキルや行動を具体的に設定します。これにより、全社員が目指すべき基準が統一され、共通の目標に向かって努力しやすくなりますよ。
コンピテンシーモデルの構築
職位ごとに必要なスキルや能力を設定します。これにより、各役職に応じた適切な能力が求められ、評価が公平かつ透明性の高いものになります。
導入研修
コンピテンシー評価が、何のために導入されるのかを社員に説明する研修を行います。これにより、社員が評価の目的を理解し、自分の仕事にどう活かすかを理解することができるでしょう。
評価の実施とフィードバック
定期的に社員の評価を行い、その結果をフィードバックします。これにより、社員が自分の強みや改善点を把握し、スキルの向上に役立てることができます。
定期的な見直しとアップデート
評価基準を定期的に見直し、必要に応じて更新します。市場や業界の変化に対応するため、基準を最新の状況に合わせることで、企業の競争力を維持できます。
コンピテンシーの類語や関連用語
コンピテンシーによく似た言葉を紹介します。ビジネス用語として出てくることもあるので、一緒に覚えておきましょう。
コアコンピタンス
「コアコンピタンス」とは、企業が持つ特有の強みやスキルのことで、競争優位性を生み出す要素です。企業のビジネスモデルや戦略において中心的な役割を果たし、他社との差別化を図るポイントとなります。例えば、独自の技術力やブランド力がコアコンピタンスに該当します。
KPI(重要業績評価指標)
「KPI」は、目標達成に向けた進捗状況を数値で測定する指標です。具体的には、売上額や顧客満足度などがKPIとして設定され、これにより業務の成果や進捗状況を確認できます。
能力開発
「能力開発」は、従業員のスキルや知識を高めるための教育やトレーニングのことです。これにより、社員の仕事の質が向上し、企業全体のパフォーマンスも向上します。研修やスキルアップのための講座などが含まれます。
最後に
コンピテンシーは、企業が社員に求めるスキルや行動を明確にし、効果的な人材育成や評価を行うためのツールだということがわかりました。導入にあたっては、単に項目を設定するだけでなく、継続的な見直しや社員へのフィードバックを通じて、組織全体の成長を促すことが大切です。コンピテンシーで、個々の社員が持つ力を最大限に引き出し、企業の競争力をさらに高めてみてくださいね。
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