スクラッチアートとは?
台紙を削るだけで本格的な作品が完成するのが、スクラッチアートの特徴です。気軽に楽しめるスクラッチアートについて紹介します。
台紙を削って仕上げる削り絵
スクラッチアートとは「スクラッチ=削る・傷を付ける」という言葉の通り、台紙を削って楽しむ削り絵のことです。ペンなどの先が尖ったもので台紙を削ると、カラフルな下地の色が表れるので、新鮮な感覚でお絵かきができます。
すでに下絵が描かれているものなら、丁寧に線をなぞって塗り絵感覚で作品を仕上げられるのが特徴。ホログラムやグラデーション仕様など、下地のタイプもさまざまなので好みに合わせて選んでみましょう。
書店で本が売られているほか、100円ショップなどでも購入できるため初めての人でもチャレンジしやすいでしょう。下絵の難易度によっては、小さな子どもでも自分の力で完成させられます。
スクラッチアートを楽しむメリット
幅広い年代の人が楽しめるシンプルさも、スクラッチアートの魅力。スクラッチアートにチャレンジするメリットを解説します。
集中力が鍛えられる
スクラッチアートは、単純な作業を地道に繰り返すだけで作品を完成させることが可能です。黙々と下絵の線をなぞっていくことで、ちょっとした気分転換にも。
ひたすら台紙を削る作業に没頭するうちに、自然と集中力が鍛えられていくでしょう。時間を忘れて何かに熱中することはストレス解消にもつながるといわれています。
また、完成した作品を部屋に飾っておけるのもスクラッチアートならではのポイントです。大作を額に入れたり、小さめの作品を机の周りに置いたりして、じっくり眺めてみるのもよいでしょう。
子どもと一緒にチャレンジできる
スクラッチアートには大人を対象にしたものも多いですが、子ども向けのスクラッチアートも数多く展開されています。人気のキャラクターがモチーフになったものや、絵本のようなかわいい絵柄のものなど、種類はさまざまです。
比較的難度の低い絵柄を選べば、子どもでもきれいに作品を仕上げられます。下絵の線が細すぎず、塗りつぶす部分が広くなっている絵柄を選ぶと失敗しにくいでしょう。
線をなぞるのが難しい幼い子どもには、無地の台紙を選ぶ方法も。下絵のない無地のスクラッチアートは、自由に削って好きな絵が描けるためオリジナルの作品を作れるのがメリットです。
スクラッチアートのやり方
スクラッチアートは、付属のペンを使って台紙を削るのが基本です。具体的なやり方や、作業の際のポイントを見ていきましょう。
付属のペンで下絵をなぞるだけ
スクラッチアートは、台紙に付属しているペンを使って下絵をなぞります。100円ショップで売られているキットにもペンは付属していることが多いため、購入してすぐに作業を始めることが可能。
台紙にもよりますが、上から軽くなぞるくらいの力でもきちんと削れるため、余計な力を入れる必要はありません。作業中は無意識に力が入ってしまう人も多いようですが、指先でうっかり台紙を傷つけないよう気を付けましょう。
下絵のデザインに忠実に削るだけでなく、ところどころアレンジを加えても下のホログラムが見えて美しい仕上がりになります。あえて塗りつぶす部分を作るのも、簡単に試せるアレンジの一つです。
専用ペンや修正液があると便利
100円ショップやオンラインショップの中には、付属のペンよりも細い線が引ける専用ペンを販売している店舗も。繊細な絵柄に挑戦したい人や、より美しい仕上がりを目指したい人は専用ペンを購入するのもおすすめです。
修正液付きの専用ペンなら、間違えて削った部分を直せます。通常の修正液とは違って黒いインクを使用しているため、台紙と同じ黒に塗りつぶせて違和感のない仕上がりになります。
スクラッチアートを楽しむ際の注意点
スクラッチアートに取り組む際は、周りが散らからないように注意する必要があります。台紙を削っていく中で削りかすが出るため、ペン先に付いた汚れをこまめに取るようにしましょう。
机の周りに散らかったかすが床に落ちないように、作業の途中で片付けることも重要です。作業に熱中するうちに黒い粉が手に付いてしまうため、スクラッチアートを楽しんだ後は忘れずに手を洗いましょう。
また、無意識に台紙を削る手に力が入ってしまい、下の机を傷つけてしまう恐れも。台紙の下に平らなマットや厚紙などを敷いておけば、削りかすを掃除する際も作業がスムーズです。
スクラッチアートの選び方
スクラッチアートは、モチーフやサイズなど豊富なバリエーションが存在します。飾るときのことも考えた、選び方のポイントをチェックしましょう。
好きなモチーフで選ぶ
レース柄などの細かな模様がきれいな絵柄や、実際の風景が描かれたものなど、モチーフは多岐にわたっています。線が細かいものほど削る難度が高いので、慣れてきたら繊細な絵柄にチャレンジしてみましょう。
飾る場所が決まっているなら、部屋の雰囲気に合った絵柄を選ぶのもおすすめです。インテリアになじみやすい北欧風のモチーフや、有名なアーティストの作品をなぞって楽しむ作品も展開されています。
人気のキャラクターモチーフや、作業時間が短いシンプルな絵柄は子ども向けとしてもぴったり。子ども向けのモチーフを選ぶ場合は、削る面積が広いものを選ぶと失敗しにくいでしょう。
台紙のサイズで選ぶ
完成した作品を部屋に飾ろうと考えているなら、台紙のサイズに着目するのも方法の一つです。100円ショップでは幅広いサイズのフレームが販売されているため、あわせて購入しておくのもよいでしょう。
じっくり時間をかけて作業に取り組みたい人には、削りごたえのある大判サイズが適しています。小さめのポストカードサイズのものは、さっと削れてそのまま部屋に飾りやすいのがポイントです。
たくさんの絵柄にチャレンジしたい人には、一冊丸ごと楽しめる冊子タイプも向いています。冊子形式のスクラッチアートは、アルバムのようにして保管できるのも便利です。
色味にこだわって選ぶ
スクラッチアートは黒の台紙が一般的ですが、中には赤や青などカラフルな台紙のものも。背景の色が変わるだけでも全体が華やかに見えるため、色味を重視して選ぶのもよい方法です。
グラデーションや単色など、下地の色が変わると同じ絵柄でも雰囲気が違って見えます。違う場所を削るたびにカラフルな下地が見えると、飽きずに作業を進みます。
完成図や家に飾ったときの様子をイメージして、自分の好きなカラーのものを探してみましょう。
繊細な絵柄が美しいスクラッチアート4選
大人向けのスクラッチアートは、思わずうっとりするようなモチーフのものが多いという特徴があります。ゆったりした気分で取り組める、繊細な絵柄のアイテムを紹介します。
コスミック出版「心がやすらぐスクラッチアート 幻想の花園」
コスミック出版の「心がやすらぐスクラッチアート」シリーズの商品です。花々や動物たちをイメージした絵柄がそろっており、下絵をなぞりながら花園にいるような気分を味わえます。
専用のスクラッチペンが付属しているため、線が細い部分も問題なく削れるでしょう。黒い台紙の下にはカラフルな下地が隠れており、削るたびに植物や動物が鮮やかな姿で表れます。
全8枚のイラストが入っており、好きなページから始められるのもうれしいポイントです。
商品名:コスミック出版「心がやすらぐスクラッチアート 幻想の花園」
エムディエヌコーポレーション「自律神経を整えるスクラッチアート 四季の花を愉しむ曼荼羅」
仏教の世界を表しているとされる、曼荼羅をモチーフにした神秘的な絵柄が特徴です。モチーフの中に四季の花々が織り込まれているため、美しい模様としても楽しめます。
全10枚のシートが入っており、ポストカードサイズ8枚に大きめのサイズが2枚と異なる大きさがセットになっているのもポイントです。カードを切り取って誰かにプレゼントしたり、フレームに入れたりとさまざまな方法で飾っておけます。
付属のペンは2way仕様になっており、細部や極細部も削りやすくストレスなく作業を進められるでしょう。下地はキラキラのホログラム仕様で、カラフルなシートと単色のシートがあります。
商品名:エムディエヌコーポレーション「自律神経を整えるスクラッチアート 四季の花を愉しむ曼荼羅」
著:やなぎ けんじ
学研プラス「おとぎの楽園物語 けずって描く癒しの動物たち」
「ヒーリングスクラッチアートの生みの親」ともいわれるデザイナー・ヨシヤス氏が手がけた、アニマルモチーフが印象的な一冊です。草花と動物たちが描かれた個性的な絵柄で、ほっこりしながら作業に熱中できます。
下絵の密度は、細かすぎず簡単すぎない絶妙なバランスであるのも特徴。削り心地のよさにこだわったほどよい難易度なので、ちょっとした気分転換をしたいときにも適しているでしょう。
付属のスクラッチペンはペン先が竹串になっていて、交換して繰り返し使える優れもの。つい力を入れて削ってしまう人にもおすすめです。
商品名:学研プラス「おとぎの楽園物語 けずって描く癒しの動物たち」
絵:ヨシヤス
学研プラス「浮世六景 ポストカード 江戸「浮世絵」六選」
歌川広重や葛飾北斎など、江戸時代の浮世絵をモチーフにしたおしゃれなスクラッチアートです。ペンで広い面を削って、色鮮やかな下地が出てくるさまを楽しめます。
大胆な構図の下絵をなぞるだけで芸術的な作品に仕上がるため、アレンジを加えずに黙々と削りたい人にぴったり。全6枚のシートが入っており、背景は黒と青の2種類があるため飽きずに楽しめるでしょう。
ギフト用の封筒が付属しているため、完成した作品を誰かに贈りたいときにもおすすめです。小さめのサイズなので、L2判のフレームを用意すれば好きな場所に飾ることができます。
商品名:学研プラス「浮世六景 ポストカード 江戸「浮世絵」六選」
原著:北斎 歌麿 広重 写楽 国芳 芳年 イラスト:isotope
子ども向けのおすすめスクラッチアート3選
子どもがスクラッチアートをする場合は、複雑すぎない下絵を選ぶのがポイントです。絵柄もかわいい子ども向けのスクラッチアートを紹介します。
KADOKAWA「すみっコぐらし スクラッチアート キラキラレインボー」
「すみっコぐらし」のキャラクターたちが描かれた、キュートな絵柄のスクラッチアートです。
下地はキラキラのレインボー仕様で、削ればキラキラした色やすみっコぐらしのかわいいイラストが浮かび上がってきます。シートの裏面にはキャラクターの紹介やイラストが掲載されているため、削り終わった後も楽しめるでしょう。
完成した作品に、付属のキラキラシールを貼ってデコレーションできるのもポイントです。削り絵としても、漫画が読めるキャラクターブックとしても楽しめるのがうれしい一冊です。
商品名:KADOKAWA「すみっコぐらし スクラッチアート キラキラレインボー」
編集:キャラぱふぇ編集部
小学館「スクラッチアートセレクション POKEMON」
長年子ども向けに発行されている「小学館のポケモンBooks」シリーズの一冊です。ペン先が細くなっているオリジナルペンが付属しており、曲線や細かい模様もきれいになぞれます。
ホログラム仕様の下地がキラキラと輝き、ポケモンの姿を鮮やかに彩ります。台紙の色は全3色と豊富で、背景の色が変わると新鮮な気持ちで作業に熱中できるでしょう。
削りかすをきれいに掃除できる「おそうじダンボール」が付属しており、一人で片付けられるのが便利な点。公式YouTubeの「コロコロチャンネル」には遊び方を紹介した動画も投稿されているため、初めてのスクラッチアートとしても適しています。
商品名:小学館「スクラッチアートセレクション POKEMON」
Pigipigi「スクラッチアート 無地」
オリジナリティあふれる作品が作れる、無地の台紙が50枚入った大容量のセットです。木製の専用ペンが5本入っているため、ペン先が傷んできても新しいものに取り替えて使えます。
ステンシルのように使えるテンプレートが4枚付属しているので、動物や乗り物などのモチーフがきれいに描けるのもメリットです。自由に線を引くのはもちろん、テンプレートに合わせて台紙を削って遊べます。
環境にやさしい素材を使用しており、小さな子どもでも問題なく遊べる安全性の高さが特徴。黒の背景にカラフルな下地の色が浮かび上がるオーソドックスな台紙で、いつもとは一味違ったお絵かきが楽しめるでしょう。
商品名:Pigipigi「スクラッチアート 無地」
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