お餅を食べる時は、あるフルーツを一緒に食べると肥満防止に!
普段は気をつけていても、お正月になるとついつい食べ過ぎてしまうことがありますよね。中でも、お雑煮などに使われるお餅は、特に太りやすいと言われています。では、どうすれば正月太りを防ぐことができるのでしょうか? メタボリックシンドローム予防に詳しい、大妻女子大学の青江誠一郎教授にお話をうかがいました。
お餅を食べると太りやすいのはなぜ?
お正月といえば、お雑煮や焼き餅を思い浮かべますが…
「お餅には糖質が多く含まれていますよね。糖質は分解されてブドウ糖になります。ブドウ糖は腸から吸収され血液の中に入ります。これを血糖といい、血液の中の血糖の量を血糖値といいます。食後、血糖値が上昇すると、すい臓からインスリンというホルモンが分泌され、インスリンによってブドウ糖が細胞内に運ばれ、エネルギー源として、筋肉を動かしたり、脳を働かせたりするのに利用されます。
しかし、余ったブドウ糖はせっせと中性脂肪として合成され貯蔵されていきます。お餅を食べすぎてしまうと、血糖値が急上昇し、インスリンが過剰に分泌され、余ったブドウ糖の脂肪を溜め込みやすくしてしまうのです」(青江先生 以下同)
キウイフルーツを一緒に食べると太りにくい!
「それでもお餅を食べたい」という人はどうすれば良いですか?
「お餅を食べるとき、キウイフルーツを一緒に食べると良いですよ。キウイフルーツに含まれる水溶性食物繊維が糖質の吸収を抑えて太りにくくしてくれます。糖質の吸収が抑えられ、血糖値の上昇がゆるやかになることで、インスリンが過剰に分泌されずにブドウ糖が中性脂肪に変わるのを抑えることができるんです」
フルーツの中では、キウイフルーツのほか、りんごやみかん、いちごなどにも水溶性植物繊維が多く含まれているそう。
キウイフルーツは1日1個を目安に
キウイフルーツはどのタイミングでどれくらい食べればいいのでしょうか?
「食前に食べるのがおすすめです。最初に食べて腸の中で待ち伏せすることで、取りこぼしなく糖質を包むことができるからです。しかしフルーツには糖質も含まれているので、食べ過ぎは厳禁。キウイフルーツは1日1個を目安に食べましょう」
もち麦やオートミールもおすすめ
キウイフルーツ以外にも肥満防止に役立つ食材はありますか?
「お餅のもち米をもち麦やオートミールに代替するのも良いですね。もち麦やオートミールは水溶性食物繊維が多く含まれており、血糖値の上昇を抑えることができます。最近は、SNS等でレシピがたくさん紹介されているので、ぜひ毎日の食事に取り入れてみてください」
もちろんお餅の食べ過ぎはNGですが、食べ合わせに気をつけることで肥満防止の策を講じることができるので、お正月の食生活を工夫してみましょう!
大妻女子大学 教授
青江誠一郎
大妻女子大学 家政学部 食物学科 食物学専 教授。農学博士(千葉大学)。日本食物繊維学会常務理事。2010年、大麦の食物繊維とメタボリックシンドローム予防に関する研究で同学会賞を受賞。食物繊維のスペシャリストとして、わかりやすい解説が好評、多くのマスコミ等で活躍。