食べ方次第で太りにくい体は作れる!
毎年のことなのに、つい気が緩んで食べ過ぎてしまうお正月。でも、仕事始めまでにはなんとか元の体型に戻したいですよね。そこで、メタボリックシンドローム予防に詳しい、大妻女子大学 教授の青江誠一郎先生に、「正月太りをリセットする食べ方」について教えていただきました。
正月太りをリセットする食べ方4つの法則
1: 朝食で食物繊維を多く摂る
「みなさん、『セカンドミール効果』というものをご存じでしょうか? 食後の血糖値が高い状態が続くと、肥満や生活習慣病の原因になりますが、最初の食事(ファーストミール)で食物繊維を摂ると、腸内で短鎖脂肪酸がつくられ、その働きで4~5時間後の次の食事(セカンドミール)でも血糖値の上昇を抑えることが明らかになっています。朝食で食物繊維を積極的に摂り、食後の血糖値を持続的に安定させるセカンドミール効果を得ることは、健康維持やダイエットのために欠かせません」(青江先生 以下同)
2: 主食を大麦(押麦、もち麦)や全粒穀物に置き換える
「大麦やオーツ麦などの全粒穀物には食物繊維が豊富に含まれており、内臓脂肪減少やコルステロール抑制などのメタボ改善効果が得られることがわかっています。普段ご飯を主食にしている方は、ご飯に大麦を混ぜ込んだり、雑穀と一緒に炊き込んだりすると良いでしょう。パン・シリアル派の方は、全粒粉パンやライ麦パン、オートミールや小麦ブランに置き換えるのがおすすめです」
3:朝昼晩3食しっかり食べる
「やせようとして1食減らすのはかえって逆効果です。食物繊維は一度に沢山摂取できないため、3食摂ることが大事。また、1食抜くことで食事の間隔を開けすぎると、食後に急激なインスリンの分泌が起こり、かえって太りやすくなります」
4:さまざまな食材から発酵性食物繊維を摂取し腸内発酵を促す
「腸内発酵により産生する短鎖脂肪酸は、脂肪を燃素させる働きがあります。腸内発酵を促進するために主食(大麦、全粒小麦、オート麦)、主菜(豆類、いも類)、副菜(海藻類、根菜類)などから発酵性食物繊維を摂取して、太りにくい体質にしましょう」
正月太りをリセットするには、食物繊維を効果的に取り入れることが大切なんですね。そのためには、摂取するタイミングも重要。この4つのルールを意識すれば、過度なダイエットをしなくても自然と体が整い、理想的な体型に近づけそうです!
大妻女子大学 教授
青江誠一郎
大妻女子大学 家政学部 食物学科 食物学専 教授。農学博士(千葉大学)。日本食物繊維学会常務理事。2010年、大麦の食物繊維とメタボリックシンドローム予防に関する研究で同学会賞を受賞。食物繊維のスペシャリストとして、わかりやすい解説が好評、多くのマスコミ等で活躍。