「問答法」・「産婆術」とは?
ソクラテスが行った対話方法は、質問を繰り返し、さらに掘り下げて質問していく方法。「問答法」や、ソクラテスの母親の職業から「産婆術」とも呼ばれています。これは相手に対して自分の知識や思想を主張するのではなく、繰り返し質問していくことで、相手に「知らない」ことを自覚させ、真の認識や思想へと導く手法のことです。
【目次】
ソクラテスの名言を解説
「哲学の父」ともいわれているソクラテスは、多くの名言を残しています。
「汝自身を知れ」
「自分が無知であることを知り、それを自覚した上で真の知識を得て、正しい行いをせよ」という意味の言葉です。諸説ありますが、デルフォイにあるアポロ神殿の玄関の柱に刻まれていたとされる言葉で、ソクラテスが座右の銘にしていたとの説もあります。
「よりよく生きる道を探し続けることが、最高の人生を生きることだ」
ソクラテスの信念は、ただ人生を生きるのではなく、日々自分を磨き、正しい行いをすること。それこそ正しい生き方だと説いています。
「生きるために食べよ、食べるために生きるな」
この名言は、「食べることは生きるための手段の1つであって、食べるために生きているのではない」ことをいっています。これは「目的と手段を取り違えてはいけない」ということを説いたものです。
「一番小さなことでも満足できる人が一番裕福である。何故なら満足を感じることが自然が与えてくれる富だからだ」
「Contentement passe richesse(満足は富にまさる)」というフランスのことわざの元になった言葉だといわれています。
「結婚したまえ。良妻を得れば幸せになれるし、悪妻を得れば私のように哲学者になれる。結婚は誰にとってもよいことなのだ」
ソクラテスの妻は気性が荒く、世界3大悪妻の1人として数えられています。哲学に没頭していく夫に対して、1日中小言をいったり、怒鳴ったりしていたそう。そんな決して幸せだと言えない結婚生活からも学ぶことは多いため、結婚はした方がよいと弟子たちに説いた言葉です。また結婚に関しては「水車の回る音も聞き慣れれば苦にならない」ともいったそうです。
最後に
「哲学の父」ともいわているソクラテスについて解説しました。今でも残るソクラテスの名言は、一度はどこかで見聞きしたこともあるのではないでしょうか。ソクラテスが説いた「よく生きる」ことは、時代が変わった現在でも通じるものがあります。何かに迷ったときは、ソクラテスの言葉や思想にヒントをもらってみてはいかがでしょう。
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