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【目次】
ねこが出てくる絵本はなぜ人気?
動物が出てくる絵本は多くありますが、その中でもねこが登場する絵本は特に人気があるようです。ねこが出てくる絵本が子供に好かれる理由を解説します。
ペットとしても人気で身近な動物だから
ペットの代表格ともいえるねこ。見た目や動きもかわいらしく、身近に感じられる存在なので、ねこを題材にした絵本も興味を持たれやすいと考えられます。
家庭でねこを飼っていたり、近所で見かけたりすることも多い動物です。かわいいだけでなく、気まぐれな性格も広く愛されているポイントといえます。
このように、ねこそのものが人気が高いため、ねこを主人公または題材にした絵本が多くあるのもうなずけます。本屋でも目に入る機会が多いので、自然に手に取りやすいともいえるのではないでしょうか。
ねこの意外な姿に心惹かれる
見た目のキュートさだけでなく、どこかユーモラスで自由気ままな姿もねこならではの魅力といえます。物語の中で描かれる、まるで人間のように感情を表現したねこの姿に、心惹かれる人は多いのではないでしょうか。
ひとくちにねこの絵本といっても、感動的なストーリーやコミカルなイラストなど、その内容は多岐にわたります。絵本の中ならではの意外な表情を見られるのも、ねこ好きの人にとっては楽しいポイントです。
『吾輩は猫である』や『ルドルフとイッパイアッテナ』のように、ねこを題材にした小説も数多く存在しますよね。ねこの絵本を気に入っている子供が成長したら、ねこが登場する児童書にステップアップするのもひとつの方法です。
外せない!ねこが出てくる有名絵本
ねこが登場する絵本には、長年愛されている名作絵本も少なくありません。大人にとってもなじみのある代表的な作品を紹介します。
「なまえのないねこ」竹下文子/町田尚子
それぞれの飼いねこたちが持っている名前に憧れる、名前を持たないねこが主人公の作品で、絵本や児童書に関する数々の賞を受賞しています。
名前がほしいと思っていたひとりぼっちのねこが、寺に住むねこの言葉をきっかけに自分の名前を探し始めるというストーリー。名前探しをしているうちに、ねこは自分が本当にほしかったものが何なのかに気がつきます。
作者の竹下文子氏と、イラスト担当の町田尚子氏は、どちらも愛猫家として知られています。毛並みや目が写実的なタッチで描かれたイラストも、ねこが好きな子供の興味を引きつけるでしょう。
商品名:「なまえのないねこ」文:竹下文子 絵:町田尚子/小峰書店
「100万回生きたねこ」佐野洋子
ねこの絵本と聞くと、まずこの作品を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。『100万回生きたねこ』は、タイトルの通り100万回も死に、100万回も生きたとらねこの物語です。
これまで何度も生き死にを繰り返してきたねこは、自分が死ぬたびに飼い主が泣いても、自身は1度も泣いたことがありません。ところが美しい白ねことの出会いをきっかけに、ねこの生き方に大きな変化が生まれます。
他者を愛するとはどういうことなのか、読み返すたびに考えさせられる内容になっています。子供に読み聞かせるだけでなく、子供の頃に読んだことがある大人も、改めてじっくりとストーリーを味わえる作品です。
商品名:「100万回生きたねこ」佐野洋子/講談社
「うきわねこ」蜂飼 耳/牧野千穂
ねこの「えびお」が誕生日にもらった、不思議な浮き輪にまつわる物語です。おじいちゃんから贈られた浮き輪を膨らませてみると、えびおは、月の方に向かってどんどん昇っていきます。
満月の夜を舞台にしたファンタジックな話で、眠る前に読み聞かせる絵本としてもぴったりです。建物や森などの風景まで美しく描き込まれた、芸術的なイラストも魅力。おじいちゃんと一緒に浮き輪で空を飛ぶえびおの姿が、ふんわりとしたやわらかなタッチで描かれています。
詩人の蜂飼耳氏による美しい文章表現を味わったり、牧野千穂氏の引き込まれるような絵を眺めたりと、子供から大人まで楽しめるはず。
商品名:「うきわねこ」文:蜂飼 耳 絵:牧野千穂/ブロンズ新社
シリーズで読める!ねこが出てくる絵本
続編が刊行されているシリーズものは、次に読む絵本に困らないところもうれしい。何冊かそろえるのも楽しいねこの絵本を紹介します。
「11ぴきのねこ」馬場のぼる
リーダー的存在のとらねこ大将と、10匹のねこたちが繰り広げるユーモラスな物語で、本書はその第1作目。おなかを空かせた11匹のねこたちが、怪物のように大きな魚を捕まえようとさまざまな方法を考えます。
ねこたちに加えて、本シリーズの別の作品に登場する、あほうどりや遠い山の上の城に住んでいるウヒアハなど、個性豊かなキャラクターたちも見どころ。絵本を読んでいるうちに、子供も大人も、うっかりしたねこたちを好きになってしまうはずです。
1967年に刊行されて以来、50年以上にわたって愛されている作品なので、子供の頃に読んだことがある大人も一緒に楽しめます。
商品名:「11ぴきのねこ」馬場のぼる/こぐま社
「ダヤンのたんじょうび」池田あきこ
キャラクターとしても人気を集める、「わちふぃーるど」にやってきたねこのダヤンが主役の絵本です。自分の誕生日がいつなのかを知らないダヤンは、誕生日を見つけてもらおうと魔女たちに会いに行きます。
ふわふわの毛並みや長いしっぽの質感が伝わるような、繊細な絵柄が印象的。全40ページと読みごたえもあるので、絵本が好きな子供に向いています。
また「わちふぃーるど」を舞台にしたファンタジー小説も発表されているため、絵本から小説へと読み進めるのもおすすめです。独特な世界に浸れる絵本が読みたいときにもぴったり。
商品名:「ダヤンのたんじょうび」池田あきこ/ほるぷ出版
「ノラネコぐんだん パンこうじょう」工藤ノリコ
キャラクターたちのゆるい表情がくせになる大人気「ノラネコぐんだん」シリーズの1作目。おいしそうなパンが気になったノラネコたちが、ワンワンちゃんのパン工場に忍び込むストーリーです。
食いしん坊なノラネコぐんだんがさまざまな騒動を巻き起こす、コミカルな展開が楽しめる作品です。かわいらしい中にも味のあるイラストとユーモラスな話が、子供の興味を引きつけるはず。
続編となる絵本以外にも、探し絵やシールブックなど幅広い書籍が刊行されています。グッズ化もされているため、キャラクターが好きになったら、ぬいぐるみや雑貨を集めて楽しんでも。
商品名:「ノラネコぐんだん パンこうじょう」工藤ノリコ/白泉社
つい笑っちゃう!ねこのおもしろ絵本
絵本を読むのが苦手な子供でも、笑える内容のものなら興味を持ってくれる傾向も。ねこが出てくるコミカルな絵本を紹介します。
「ねこいる!」たなかひかる
インパクトのあるタイトルの通り、ページをめくるたびにねこが現れるというシュールな絵本です。書かれている文章は「ねこいる!」のひと言と「ババーン」などの効果音のみですが、なぜかくすっと笑えます。
バゲットの中や、リコーダーの穴など、思いもよらない場所から次々とねこが出てくるのがポイント。「ねこいる?」「ねこいる!」のシンプルな繰り返しながら、読み聞かせも自然と盛り上がります。
作者のたなかひかる氏は『ぱんつさん』などでも知られており「頭はよくならない絵本」がコンセプトです。対象年齢は3歳~小学校1年生頃とされていますが、子供から大人まで幅広く楽しめる作品です。
商品名:「ねこいる!」たなかひかる/ポプラ社
「ねこのようしょくやさん」KORIRI
SNSなどでも人気のイラストレーター・KORIRI氏が描く「世にも不思議な猫世界」に登場する「洋食ハルオ」の絵本です。ハルオシェフが切り盛りする洋食屋を舞台に、ねこたちがおいしいメニューをつくります。
ハンバーグなどのおいしそうな食べもののイラストも魅力。ふみふみとハンバーグをこねたり、隠し味にマタタビを入れたりと、物語の中にさりげない「ねこあるある」がちりばめられています。
ふっくらとしたフォルムのねこたちが、愛嬌のある表情で描かれているのもポイント。昔ながらの洋食屋さんの雰囲気が伝わってくるような、落ち着きのある色合いも目を引きます。
商品名:「ねこのようしょくやさん」KORIRI/金の星社
「でんにゃ」大塚健太/柴田ケイコ
『でんにゃ』というタイトルは「ねこの電車」を表しています。「がたんごとん、にゃにゃんにゃにゃん」という独特な効果音もかわいらしい、毎日の読み聞かせが楽しくなる絵本です。
でんにゃは気まぐれなので、ごはんを食べに魚屋に寄ったり、屋根でのんびり昼寝したりと、さまざまな場所に停まります。自由気ままなねこらしく、なかなか目的地に着かないところも楽しめるストーリー展開です。
はっきりとしたコントラストで描かれた、カラフルなイラストも子供の興味を引くはず。同じく大塚健太氏と柴田ケイコ氏のコンビが手がけている、ねこのおばけが登場する絵本『おにゃけ』もおすすめです。
商品名:「でんにゃ」作:大塚健太 絵:柴田ケイコ/パイ インターナショナル
ねこが出てくる海外作家のおすすめ絵本
ねこのキャラクターは、日本の作品だけでなく海外の絵本でもよく見られます。海外の作家が手がけたおすすめ絵本を紹介します。
「ぼくのねこみなかった?」エリック・カール
『はらぺこあおむし』の作者として知られる、エリック・カール氏が手がけたねこの絵本。いなくなってしまった自分のねこを探し出すため、飼い主の少年が国を飛び出して旅をします。
「ぼくのねこみなかった?」とさまざまな人に尋ねるものの、ページをめくると違う動物が現れる構成。「これはぼくのねこじゃないよ」というやりとりを繰り返し、少年は旅を続けていきます。
コラージュの手法を取り入れた独特なイラストと、個性的な色使いが美しい作品です。民族衣装を着た人々やさまざまな動物を眺めていると、少年と一緒に世界を旅しているような気分が味わえそう。対象年齢は4歳頃からです。
商品名:「ぼくのねこみなかった?」作:エリック・カール 訳:おおつきみずえ/偕成社
「こねこのぴっち」ハンス・フィッシャー
「ほかの兄弟とは違う遊びをしよう」と思ったこねこのぴっちは、アヒルのまねをしようと考えます。池で泳ごうと試みるものの、おぼれてしまい…というストーリーの絵本です。
線が印象的なイラストで、小さなぴっちのかわいらしさが表現されています。全60ページとボリュームのある内容なので、絵本が好きな子供がチャレンジする1冊としてもぴったりです。
児童文学の編集や翻訳、創作を多数手掛け、児童図書館活動の草分け的存在としても知られる石井桃子氏が翻訳を担当しており、その美しい文章にも注目。対象年齢は4~5歳頃からと比較的高めに設定されており、読んだ後は親子でストーリーについて話し合うのもおすすめです。
商品名:「こねこのぴっち」文・絵:ハンス・フィッシャー 訳:石井桃子/岩波書店
「いたずらこねこ」バーナディン・クック/レミイ・シャーリップ
「いたずらこねこ」は、生まれて初めてかめを目にしたこねこの物語です。かめが甲羅から出てくる姿に驚いたり、かめが近づいてくるのにおびえて池に落ちたりするこねこの姿がユーモラスに描かれています。
自分とは違った生き物の姿に翻弄されるこねこに、子供も夢中になるでしょう。細かな線で描かれたスケッチのようなタッチが、かめとこねこの動きをより愛らしく感じさせます。
対象年齢は2歳頃からで、自分で読むなら小学校低学年頃からと、長く楽しめる絵本です。
商品名:「いたずらこねこ」文:バーナディン・クック 絵:レミイ・シャーリップ 訳:まさき るりこ/福音館書店
ねこが出てくる楽しい仕掛け絵本
ページをめくるのが楽しくなる仕掛け絵本は、子供に人気です。ねこが登場するかわいい仕掛け絵本を紹介します。
「こねこが」きのしたけい
ページについた扉をめくると、こねこが元気に動き出す仕掛け絵本です。差し出されたねこじゃらしをパンチしたり「うあーん」とあくびをしたり、こねこが動き回る姿が描かれています。
文章が少なく、めくりやすい大きな扉がついているので、小さな子供にもわかりやすい作品です。つぶらな瞳のこねこが個性豊かなポーズで表現されており、繰り返し読みたくなりそう。
こねこの過ごす1日をテーマにした絵本で、内容もシンプルなので、読み聞かせにも適しています。仕掛けをめくるのはもちろん、ほっこりするようなイラストを眺めるだけでも楽しめます。
商品名:「こねこが」きのしたけい/コクヨ
「CはCatのC」ケイ・ヴィンセント
カラフルなページに大文字と小文字のアルファベットが描かれた、英語の勉強にも役立つ絵本です。小文字の扉をめくると、そのアルファベットから始まる動物のイラストが現れます。
「c」の文字にねこの耳やひげがついていたり、「d」に犬の耳や鼻がついていたりと、出てくる動物を想像できるのがポイントです。絵を見て「これは何の動物かな?」などと話しながら、扉をめくり読み聞かせるのがおすすめです。
アルファベットや単語にはフリガナが振ってあるため、読み聞かせをしながら読み方も覚えられます。かわいい絵柄とシンプルな仕掛けで、自然とアルファベットが身につくのも魅力です。
商品名:「CはCatのC」絵:ケイ・ヴィンセント 文:エレファント・アンド・バード・ブックス 訳:たかぎみわこ/大日本絵画
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