1万人のお腹を引っ込めてきた小島美和子さん直伝の食べ方講座
何を食べるかはもちろん、いつ、どのように食べるかが大事です。体が引き締まる、肌が潤う、栄養がいきわたる・・・1万人のお腹をひっこめてきた管理栄養士、小島美和子さんがレクチャーします。
教えてくれたのは…
管理栄養士・健康運動指導士
小島美和子さん
おしまみわこ●クオリティライフサービス代表取締役。〝時間栄養学〟をもとに食べ方・暮らし方をデザインし、安定した体と心で最高のパフォーマンスを発揮するメソッド「食コンディショニング®」を提唱。テレビ番組での栄養指導も行う。著書に『1週間でお腹からスッキリやせる食べ方』(三笠書房)など。
「食べる時間」と3食の配分を変えるだけで、快調&やせやすい体になる!
「仕事や家事に精いっぱいで自分の食事は後回し、実は栄養不足でギリギリの体調で働いている女性が本当に多いんです。特にDomani世代はお腹まわりなど体型の変化が気になる年代。なんとかキープしようと食事を減らしている人もいますが、実はそれは逆効果。下腹が出る原因は食べすぎではなく、筋肉の減少だからです。 一般的に40代になると筋肉は毎年0.5%ずつ減っていきますが、食事が足りないと体が飢餓状態になり、さらに筋肉を削ってエネルギーを捻出します。
また、基礎代謝の約25%は筋肉で消費されるので、筋肉が減れば代謝も当然低下。特にお腹はもともと筋肉がコルセット代わりになっていたため、筋肉が落ちると明らかにポッコリ出ます。そこで必要なのが、体内時計のリズムで変動する代謝に合わせてきちんと食事をとり、筋肉を削らないようにする〝食べ方〞。厳しい食事制限やハードなトレーニングは不要! お腹がスッキリして体調もよくなる、一生ものの食習慣を身につけてください」
《第一講》 意外と知らない! 「食べ方」の基本
Domani読者が美容や健康のために実践している食事法を調べたところ、根本的な考え方が間違っている人も。まずはその誤解を正します。
1. 「食べ方」は食生活の土台! 整えないと何を食べても効果なし
話題のスーパーフードやサプリメントで、手っ取り早く美しい体を手に入れたいというのが本音。「でも、適切な時間に必要な量を食べておかないと、食べ物をエネルギーに変えたり栄養を全身にいきわたらせる代謝が十分に行われません。つまり、どんなに有効な成分を摂取しても、あまり意味がないということ。〝体にいい〟と言われるものに飛びつく前に、食べ方を見直しましょう」
2. 1日の代謝を上げる朝食は、絶対に抜いてはダメ
「朝は、睡眠中に下がっていた代謝のスイッチを入れるタイミング。朝食を食べると体温が上がり、じっとしていてもエネルギーを消費する〝基礎代謝〟が上がります。体温が1℃上がると基礎代謝は約13%増え、1日で150kcal以上消費が増える計算に。朝食をとらない人の肥満率は、食べている人の5倍というデータもあります」
3. 体重はキープしていても、栄養不足でやせにくい女性が多い
太りたくないと、炭水化物を抜いて野菜ばかり食べたり、食事自体を抜いたりすることも珍しくないアラフォー世代。「それでは、筋肉量も代謝も落ちる一方です。きちんと栄養をとって代謝を上げ、カロリーの摂取&消費量を高い水準に保ちながら体重をキープしましょう。体調が格段によくなりますし、精神的にも安定します」
4. 炭水化物を抜くと、筋肉が脂肪に変わる
有名人のCMでも話題の〝糖質オフ〟ダイエット。「確かに炭水化物を抜いて糖質を減らすと、一時的にはお腹がへこんで体重も落ちます。ただし、糖質は生きるのに必須のエネルギー源なので、不足すると筋肉を糖に変え、エネルギーとして使うことに。代謝が落ちて体脂肪が増えやすい体になり、リバウンドもしやすくなります」
5. 次の食事までに〝ほどよくお腹が空く〟のが食事の適量
「食事の本来の目的は、生活に必要なエネルギーを補給すること。筋肉を切りくずさず仕事への集中力も途切れさせず、次の食事までに使い切る糖質の適量は、次の食事前に適度な空腹感があるかどうかで見極められます。活動量が多く代謝も活発な日中に備える朝食・昼食はおのずとしっかり、あとは寝るだけ…という夕食は軽めに」
Domani2018年7月号『お腹がひっこむ! 「食べ方」講座』より
本誌撮影時スタッフ:撮影/那由太(静物) イラスト/わたなべろみ 構成/酒井亜希子・赤木さと子(スタッフ・オン)