「据え置き」とは? 意味を確認
「据え置き」はさまざまなシーンで使われている言葉ですが、実は意味や使い方についてはよく知らないという人もいるでしょう。よく登場する言葉ですので、正確な意味やどのような使い方をするのか把握しておきたいですね。
特に金融商品の「据え置き」は、契約に関係があることばかり。何を意味することなのか、ぜひ知っておいてください。
辞書の意味は?
▷【据(え)置き】読み方:すえおき
1:すえつけておくこと。「休憩所に—の腰掛け」
2:そのままの状態にしておくこと。「定価は—のまま」
3:預貯金・公社債などの払い戻しや償還を一定期間行わないこと。「—期間」
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
「据え置き」には3つの意味があります。意味より、使い方やシーンが異なりますので、違いを把握しておきましょう。
「すえつけておくこと」の意味と使い方を確認
まずは、「すえつけておくこと」について紹介します。使い方は例文を参考にしてくださいね。
「すえつけておくこと」意味は?
一定の位置に物を置き、それを動かないようとどめることを表します。簡単に言うと、「固定する」という意味。家具や電化製品、コンピューター、住居設備、機械類などに使われることが多いでしょう。
使い方を例文で確認
《例文》
・いろいろ迷ったが、結局据え置き型ホームルーターを購入することにした
・我が家のカップボードは据え置き型なので、念入りに耐震対策をしている
・父の介護に備え、据え置き型手すりを購入して廊下やお風呂に設置した
家電やコンピューターなどの場合、据え置き型以外に持ち運び型があります。持ち運ぶことが前提のため、据え置き型よりも軽量でコンパクトに作られているものがほとんどです。
家具や住宅設備のもう一つの型となるのが、備え付け型。据え置き型は家具店などで購入したものを設置しますが、備え付け型は設備として用意されているものを指します。カップボードで言うと、壁や天井にカップボードが直接ついている状態をイメージしてください。耐震性に優れ、統一感が出る反面、自分で移動させるなどは難しいということも。
据え置きにはメリットとデメリットがあります。違う型との比較をしながら、自分の希望にマッチするものを選ぶといいですね。
「そのままの状態にしておくこと」の意味と使い方は
続いて、「そのままの状態にしておくこと」について見ていきましょう。
意味は?
この意味が用いられるのは、価格や予算などお金に関することが多いかもしれません。特に、値上げをせずにそれまでの販売価格のまま置いておく場合によく使われています。通信販売などで「お値段据え置き」と表現することがありますが、この意味で使われていると考えてください。
また、制作や制度、契約内容の変更がない場合も、据え置きと表現することがあります。
使い方を例文で確認
《例文》
・サービス内容は一部変更しますが、利用料は据え置きになります
・業績が予想よりも伸びなかったので、ボーナスは昨年と同水準で据え置きとなりそうだ
・さまざまな商品の値上げが続く中、各PB商品は価格据え置きを維持している
昨今は値上げラッシュが続いているので、ショッピングセンターなどで「据え置き」という文字を見るとうれしくなるという人も多いかもしれませんね。一方で、ボーナスや予算の据え置きは、減額しないが増額もされないということになり、喜べないケースもありそうです。
「払い戻しや償還を一定期間行わないこと」の意味とは
この意味は住宅ローンや保険、預金などの金融商品に対して使われます。それぞれ少しずつ意味が異なりますので、注意してください。
預金の「据え置き」
預け入れに際して、据置期間が設定されているタイプの商品は、預け入れた日から一定期間お金の引き出しができません。しかし、据置期間経過後は、いつでも全額あるいは一部のお金を自由に引き出すことができます。一般的な定期預金と金利はほとんど変わりませんが、お金を引き出す自由度は、据置期間のあるタイプの方が高いでしょう。
据置期間が設定されているのは、「据置型定期預金」や「期日指定定期預金」、「積立定期預金」といった商品。据置期間などの契約内容は商品や金融機関により異なりますので、比較してみるといいですよ。
保険の「据え置き」
加入している保険の満期保険金や死亡保険金、学資保険金は、正当な手続きを経て保険会社からお金を受け取りますよね。しかし、何かしらの事情や考えがあり、それらのお金をすぐに受け取ることはせず、そのまま保険会社に預けることもでき、それを据え置きと言います。
この場合、据え置き金には所定の利息がつき、お金はいつでも自由に引き出せます。ただし、保険の契約自体は終了していますので、保障はされないと考えてください。
据え置きができる保険は限られており、すべてに適用されるわけではありません。その点は契約時に説明があるはずですが、わからない場合は契約内容を確認するといいですね。また、据え置きを開始した時点で課税が発生し、手続きが行われます。
住宅ローンなど融資の「据え置き」
住宅ローンや事業資金を借りる際、一定期間元金(利子を含まない直接借りた額)の返済を猶予してもらい、利息のみ返済する期間を設けることができますが、これを「据置期間」と言います。
据置期間が適用されると、月々の返済額が減り、負担を軽減することができます。事業などの場合、業績が安定しないことも多いため、据置期間により資金繰りは楽になるでしょう。また、そうすることで事業に集中することも可能になります。
反面、据置期間が終了すると返済額が増えるため、そこで家計や経営の見直しをしなければならないということも。据置期間が長くなれば支払総額も多くなるため、その点を考慮しながら資金計画を練ることが重要です。
使い方を例文で確認
《例文》
・使う予定だったお金をどうするか考えた末、いったん据置型定期預金に預け入れた
・長女の学資保険が満期になったが、浪人を選んだので据え置くことにした
・銀行からは、学費と重なる期間は元金据え置きにすることを提案された
最後に
「据え置き」という言葉について紹介しました。さまざまな意味を持つ言葉であり、いろんなジャンルで使われています。それぞれ少し意味が異なりますので、シーン別の意味や使い方を把握しておきましょう。
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