ワンマンとは?
ワンマンとは、「独裁的な人」や「ひとりの」を意味する言葉です。英語の「one-man」に由来します。
【ワンマン】one-man
1.他の人の意見や批判に耳を貸さず、自分の思いどおりに支配する人。独裁的な人。「―社長」
2.外来語の上に付いて複合語をつくり、ひとりの、ひとりだけの、などの意を表す。「―ショー」「―チーム」
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
【意味1】独裁的な人
ワンマンという言葉は、他人の意見や批判に耳を貸さずに、自分の思いどおりに支配する独裁的な人を指して使うことがあります。いくつか例文をご紹介します。
・彼はワンマンだ。世の中が自分中心に回っているとでも思っているのだろう。
・あの会社の社長は、ワンマン社長と呼ばれているようですよ。
・彼女のワンマン経営だが、かえってよいことも多いようだ。何事も即断即決で、企業の成長スピードも素晴らしく速い。
【意味2】ひとりの〇〇
「ワンマン〇〇」と複合語にするときは、「ひとりの〇〇」という意味があります。たとえば、次のように使います。
・[ワンマンバス]:乗務員が運転手だけで、車掌がいない路線バス
・[ワンマン電車]:乗務員が運転手だけで、車掌がいない電車
・[ワンマンライブ]:出演者がひとりだけのライブコンサート
・[ワンマンショー]:舞台やテレビなどでひとりの出演者を中心に行われるショー
なお、ワンマンショーは、ワンマンバスやワンマンライブのように文字通りひとりのみで働くときに使われる言葉です。
しかし、大勢の中で他の人々の存在が薄くなるほど、特定のひとりが目立った活躍をするときなどに比喩的に使われることもあります。いくつか例文をご紹介します。
・昨日は本社から手伝いのスタッフが3人来ていたが、〇課長のワンマンショーだったよ。ひとりで仕切って、ひとりで働いていたよ。
・彼女が舞台に出ると、彼女のお芝居しか見えなくなる。まるで彼女のワンマンショーだ。
【意味3】バレーの練習法
ワンマン(ワンマン練習)とは、バレーボールの練習法の一つです。通常はコート内には6人入りますが、ワンマンではひとりのみが入り、コート全面を守ります。
負担の大きな練習法ですが、レシーブ力が向上し、粘り強いプレーができるようになります。また、ボールの軌道を見てから反応していては間に合わないため、打ち手の目線などをしっかりと見た予測プレーができるようになるのもワンマンの効果です。
ワンマンと類似する意味で使われる言葉
ワンマンは、必ずしもネガティブな意味で使われるわけではありません。
ワンマンバスやワンマンライブのように、「ひとりしかいない」という状況を示すために使われたり、ワンマンショーのように活躍している様子を比喩的に示すために使われたりすることがあります。
しかし、独裁的という意味で使われるときは、好ましくないニュアンスが含まれている可能性があります。いくつか類似する意味の言葉をご紹介するので、状況に応じて使い分けてみてください。
横柄
横柄(おうへい)とは、いばって、人を無視した態度をとることです。無礼であることや、無遠慮なことを指して使われることもあります。ワンマンとは異なり、人を支配するニュアンスはありませんが、相手を尊重しないときなどに使われることが多いようです。
・彼女は横柄な態度で、買ったものをまとめるように店員に伝えた。
・彼は気持ちのよい人だが、店員に対しては横柄になるようだ。一緒にいると恥ずかしい。
なお、押柄(おうへい)や大柄(おうへい)と表記することもあります。
リーダーシップ
リーダーシップとは、指導者としての地位・任務を指す言葉ですが、指導者としての素質や統率力を指すときにも使われます。
ワンマンと同じく主導的にふるまいますが、支配したいというよりは、人々をまとめて効率よく活動したいという気持ちが根底にあるため、反感を持たれにくい傾向にあります。
また、リーダーシップは基本的にはポジティブな意味で使う言葉です。誉め言葉でもあるため、他人を評価するときにも使えます。
・彼は素晴らしいリーダーシップを持つ人だ。生まれながらのリーダーともいえる。
・彼女がリーダーシップを発揮したおかげで、スムーズに会議が終わった。