ビジネスで必要とされる理由
メタ認知はビジネスでも必要なものです。メタ認知ができる人は、自分を含めた物事を俯瞰的に見る能力があるとされています。
柔軟な対応ができたり、モチベーションを保ちやすかったりするので、優秀な人材だと評価されやすい傾向にあるのです。
たとえば、メタ認知が優れている人は、チーム内で不和が起きそうになったときでも、自分や相手の言動を外側の視点から冷静に分析して、適切な判断を下せます。感情や勢いに任せて、溝を大きくしてしまうといった失敗をしにくいでしょう。
また、どうすれば自分が成長できるのかを客観的に考えられるので、モチベーションを高く保てる傾向があるといわれています。
ネットスラングにおける「メタ」の例文
SNSや動画のコメント欄などで、メタに関する話題が出ることは珍しくありません。ネット上で使用されることが多い、メタの例文を紹介します。
メタ表現・メタ発言
「メタ表現」はメタフィクション用途で使われるものであり、「メタ発言」はメタフィクション発言の略語です。メタ表現っぽい、という意味で「メタい」を使うケースも少なくありません。
より深く意味を理解するため、それぞれの例文を見ていきましょう。
【例文】
・主人公が「あと20分で問題を解決しないと、上映時間が終了する」とメタ発言し、観客を笑わせた
・あの作品の人気が高い理由は、時々飛び出すメタ発言が面白いからだ
・メタ表現が多すぎると集中しづらいから、あまり好きではない
・メタいことばかりを言われ、結局何を伝えたがっているのかよく理解できなかった
創作物の中の登場人物に、実際には知り得るはずがない、外側の視点からの情報について言及させると、メタ発言になります。
メタ表現は、その作品において重要な要素の一つになり得るものです。また、作品を評価する上でのポイントになることもあります。
メタる
「メタる」は、主にゲーム用語として使われる表現です。特定のキャラクターや武器、アイテムなどに対して有利な状況を作り出すことを指して使います。元々はカードゲーム用語だったものが、コンピューターゲームにも使われるようになりました。
【例文】
・斧タイプは、剣タイプでメタるのが効果的だ
・この対戦相手をメタるには、新たな攻略法を考えるしかない
そのゲームで勝つために特定の方法があり、対戦前に相手の傾向を読んで、対策を立てなければ勝てないゲームをする際に使用されることがポイントです。また、そうしたゲームを「メタゲーム」と呼びます。
メタゲームで相手よりも優位な状態に立っていると表現したいときや、そのような状況を作り出そうとするシーンで使われることが多いです。
メタ推理
「メタ推理」は、主に推理小説や推理ゲームで用いられる言葉です。物語の外側にあるはずの、現実世界から得られる情報を元に推理することを指します。
【例文】
・残りのページ数が多いから、この人は犯人じゃない
・メタ推理ありきのゲームであることを利用し、あえて初心者っぽい動きをしてみた
推理小説は作品内にある手がかりを元に推理していきますが、小説のページ数は作品内の出来事とは関係ないことなので、メタ推理です。
推理ゲームでは、プレイヤーの言動を元に犯人を探っていきます。「初心者ならこう動くはず」というゲーム外の情報を元に推理し、有利な展開にしようと試みることは少なくありません。また、その逆を読んで、相手を罠にはめようとする行動を取る人もいます。
「メタ」を使う際の注意点
メタの意味を知ると、自分でも使ってみたくなったり、メタフィクションについて語りたくなったりするかもしれません。自分で使用する際に、どのような注意点があるのかを紹介します。
人によって受け取り方が異なる
「メタ」には複数の意味があり、業界や使用するシーンによって意味が異なる点に注意が必要です。たとえば、メタフィクションの意味で主に使っている人は、その他の意味でのメタを誤解して受け取ってしまう可能性があります。
接頭辞として「高次な」「超越した」という意味で使用されているものなのか、それ以外なのかで考えると分かりやすいでしょう。
受け取り方に迷ったときは「それって、○○という意味で合ってる?」と聞いて、相手の意図を確かめるのも一つの方法です。
また、メタ発言には好き嫌いがあり、人によって感じ方が異なる点を押さえておくことをおすすめします。
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