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考慮の類義語
考慮には、次のような類義語があります。
どの言葉も、よく考えて思考を巡らせるという点で考慮と共通していますが、微妙なニュアンスや使うシーンは異なります。それぞれの意味を把握して、シーンごとに使い分けましょう。
ここでは、考慮の類義語を3つご紹介します。
熟考
熟考とは、念を入れてよく考えるという意味です。「熟」は十分にという意味があります。
考慮は考えて何らかの行動するという意味で使いますが、熟考はじっくり考えることに重きを置くときに使います。「熟考を重ねる」「熟考の上、〇〇する」という使い方をすることが多いでしょう。
熟考を重ねるという意味で「熟慮」という言葉もあります。
じゅっ‐こう〔ジュクカウ〕【熟考】
[名](スル)念を入れてよく考えること。熟慮。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
(例文)
・熟慮の末に出された結論のため、変更は難しい
・最終的な判断は、熟考した上で後日発表します
・複雑な問題なので、熟考を重ねた上で結論を出したい
思慮
思慮とは、注意深く心を働かせて考えることです。物事を理解し、それに対する適切な行動や判断を行う過程に使います。
情報を収集して分析し、結論を導き出すという一連の行動を含む言葉です。 「思慮深い」「思慮が浅い」「思慮に欠ける言動」といった使い方をします。
し‐りょ【思慮】
[名](スル)注意深く心を働かせて考えること。また、その考え。おもんぱかり。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
(例文)
・思慮に欠ける行動をしたばかりに、重大な結果を生み出した
・彼は思慮が浅いところがあるため、計画がうまくいくとは思えない
・彼女は思慮深い性格なので、安心して任せられる
検討
「検討」とは、物事をいろいろな面から調べ、良いか悪いかを考えることです。検討の「検」には「調べる」という意味があり、検討のほかに「検問」や「検査」など、調べるという意味合いを持つ言葉に使われています。
また、検討の「討」には「求める」という意味があり、「討論」「討議」など議論を深めるというニュアンスのある言葉に使われる漢字です。このような「調べる」と「求める」という意味を組み合わせた「検討」は、ただ考えるのではなく、より深く考えるという意味で使います。
けん‐とう〔‐タウ〕【検討】
[名](スル)よく調べ考えること。種々の面から調べて、良いか悪いかを考えること。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
(例文)
・災害を防止するためには、対策を十分に検討しなければならない
・会議では新しいルールの策定を検討する予定だ
・この件に関しては、一度会社に持ち帰ってしっかり検討させていただきます
考慮の意味を正しく覚えよう
考慮とは物事をよく考えることで、似た言葉である配慮や勘案とはニュアンスが異なります。文脈に合わせ、正しく使いましょう。
考慮の敬語表現は「ご考慮」で、「ご考慮ください」という使い方をします。類義語には、熟考や思慮、検討といった言葉があげられます。記事の例文も参考にして意味を理解し、シーンに合わせて適切な言葉を使うようにしてください。
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