「アグリー」という言葉を、どこかで見聞きしたことはありませんか? 会社の会議などで、「アグリーです」などと聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんね。
ですが、人によっては初めて聞いたという方や、聞いたことはあるものの、具体的にどのような場面で使うのかイメージがつかないという方も、いらっしゃることでしょう。そこで、この記事では、アグリーの意味や使い方、言い換え表現や、注意点も解説します。
アグリーとは
アグリーとは、英語のagreeがカタカナ語になった言葉のこと。意味は英語のagreeの「同意」、「賛成」とほぼ同じです。例えば、何か提案をされた際に同意するとき、「アグリーです」などと言うことも。業界や会社の文化によっては、「アグリー」という言葉は、聞いたことがないという人もいらっしゃるでしょう。
どちらかと言えば、比較的若い世代が多い会社や、IT系の企業や、スタートアップ企業などで使われることが多いようです。「アグリー」は、業界によっては当たり前に使う言葉ですが、実は思わぬ誤解を生みやすいということを、ご存知でしょうか? ここからは、アグリーが誤解されるケースや、不快と言われるケースを解説します。
意味を誤解されることも
まず、「アグリー」という言葉で特に気を付けたいのが、使う場面です。特に、英語圏の人から聞くと、Ugly(醜い)に聞こえることも。RとLの発音の区別に自信がないという人は、特に気を付けたいところです。
もちろん、完全に英語で言う場合は、I agree with youなどのように、文脈で判断してもらえるかもしれません。ただ、「アグリーです」というように、日本語と一緒に使うと、英語が第一言語という人にとっては、混乱することもあるようですよ。
不快という声も
日本のビジネスシーンにおいて、「アグリーです」などの表現には、賛否両論あるようです。人によっては、「違和感がある」や、「なんだか気持ち悪い」という意見の人もいるので、注意したいところですね。
例えば、会社内で「アグリーです」という表現を日常的に使っている場合、社内で使う分には問題ないでしょう。会社の文化に合わせた方がスムーズにいくこともありますよね。
ただ、注意したいのは、取引先や顧客など社外の人とのコミュニケーションをする際です。会社によっては、アグリーという表現を全く使わないこともあるでしょう。そのため、意味がすぐに通じないこともあるかもしれませんね。また日本語で言えば良いことを、英語と日本語を混ぜて使うことに否定的な意見を持っている人もいるようです。
実際にある企業であった事例を見ていきましょう。営業部門に配属された新卒社員のAさんは、「アグリーです」という言葉を使って、思わぬ地雷を踏んでしまったといいます。「その件については、弊社としてはアグリーです」というような言い方をしたところ、取引先の方が顔をしかめて不快そうにしていたとAさんは語ってくれました。
そして、ミーティングが終わった後、取引先から「以前から気になっていましたが、アグリーですというのは、失礼ではないでしょうか? 言葉遣いに気を付けてほしいです」というメールを受け取ったAさん。Aさんは、「社内でよく使う言葉で、一般的なビジネス用語として通じると思っていたのでびっくりした」といいます。
このように、人によっては、失礼だと感じることもあるようですので、目上の人や、顧客、社外の人などには使わない方が良いですね。また、アグリーに限らず、英語を日本語と混ぜて使用する場合は、業界や年代、会社の文化によっては良い印象を持たれないこともあるでしょう。
もちろん、人によって感じ方は様々ですよね。「意味が通じればいい」や、「いちいち言葉遣いを注意するのはどうなの?」という声も耳にします。言葉遣いは文化や価値観にもよるので、どちらが正しいとは言い切れません。ただ、「アグリー」は、使う場面に気を付けた方が良い言葉と言えるでしょう。
アグリーの別の言い方は?
ここまでは、アグリーがUgly(醜い)と誤解されるケースや、社外の人から良い印象を持たれなかったという事例を見ていきました。では、アグリーの別の言い方はどのようなものがあるのでしょうか?
まず、「同意」と「賛成」は、アグリーに近い意味の言葉です。日常的に使う日本語ですので、アグリーと比べると、世代や業界を問わず使いやすいかもしれませんね。また、何かを提案されたときに、「アグリーです」の代わりに、「承知いたしました」と言うこともできるでしょう。
なお、会社によっては、「承知です」という言い方をすることもあるようですが、これも社外や目上の人と接する際は、極力避けた方が無難です。場面に応じて言葉を使い分けられるようにすると、安心ですよね。
「アグリーです」を英語で言うと?
アグリーは、英語のagreeが語源ですが、英語ではどのように言うのでしょうか? 反対語なども気になるところですね。ここからは、アグリーの英語表現と、反対表現を見ていきましょう。
例文1: I agree with your opinion.
意味:あなたの意見に賛成します。
例文2:I’m afraid I can’t agree with you.
意味:恐れ入りますが、あなたには同意できません。
「同意できない」という意味で、「disagree」という単語もありますが、きつめのニュアンスに感じられることもあり、ビジネスシーンでは、よほどの大反対のとき以外は、避けた方が良いかもしれません。また、「I’m afraid」などの枕詞をつけると、きつい印象をある程度和らげてくれるでしょう。
なお、前述の通り、できればUgly(醜い)との発音の混同にも気を付けたいところ。もちろん、全て英語で言う場合は、文脈から判断してもらえることもあるかもしれませんね。
ただ、聞き手によっては誤解されてしまう可能性もゼロではありません。最近では、インターネット上で発音を音声付で解説してくれるサービスもたくさんありますので、一度チェックしてみるのがおすすめですよ。
最後に
この記事では、アグリーの意味や使い方、使う際の注意点などを解説しました。普段日常的に「アグリーです」という言葉を使う人もいれば、全く馴染みがないという人もいらっしゃることでしょう。
人によっては、あまり良い印象を持たれないこともありますので、使う場面や人によっては注意が必要な言葉と言えます。言い換え表現も合わせて、おさえておくと便利ですね。
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執筆
塚原社会保険労務士事務所代表 塚原美彩(つかはら・みさ)
行政機関にて健康保険や厚生年金、労働基準法に関する業務を経験。2016年社会保険労務士資格を取得後、企業の人事労務コンサル、ポジティブ心理学をベースとした研修講師として活動中。趣味は日本酒酒蔵巡り。
ライター所属:京都メディアライン
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