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2024.03.22

【機微】とはどういう意味? 「人生の機微」の使い方や類語を解説

 

「機微(きび)」とは、「表面だけでは知ることのできない、微妙なおもむきや事情」のこと。「人生の機微」「感情の機微」などと表現します。感情だけでなく、時代や季節の微妙な変化などにも使うこともある言葉です。本記事では、「機微」の意味や使い方、類語などを解説します。

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小説や目上の人との会話の中で、「人生の機微」「季節の機微」などの表現を見聞きしたことはありませんか? うまく言葉で形容しづらい言葉なだけに、なんとなくニュアンスで覚えているといる人も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、「機微」の意味や使い方、類語を解説します。果たして、「機微」とは何なのかを一緒に理解していきましょう。

「機微」とはどういう意味?

「機微(きび)」とはどのような意味なのか、辞書で調べてみると、

表面だけでは知ることのできない、微妙なおもむきや事情。「人情の―に触れる」
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

と説明されています。表面上には表れないほどの、微かな心の動きやちょっとした変化を「機微」と表現することが多いかもしれませんね。言葉の意味を紐解いていくと、「機」は、「物事の起こるきっかけ」。「微」は、「かすかなこと」「非常に細かなこと」などの意味があります。つまり「物事がほんのかすかに起こること」です。

人は、喜びや悲しみを必ずしもストレートに、「嬉しい!」「寂しい…」と表現できるわけではありません。相手から言われたことに対して、なんとなくモヤっとしたり、嬉しいような悲しいような複雑な気持ちになることもあるでしょう。そのような心の中で起きているささやかな感情の変化や言葉ではっきりとは言い表せない複雑な感情のことを「感情の機微」と表現することもあります。

また、「機微」は、感情だけでなく、季節や時代の移り変わりを意味することもあります。例えば、春風を感じて季節の微妙な変化に気づいた時には、「季節の機微を感じる」。ITなどの時代の変化を感じ取った時には、「時代の機微をうまくとらえた」などを表現することができますよ。

ハートを持つ人

(c) Adobe Stock

使い方を例文でチェック!

「機微」は、捉えどころのないささやかな感情や、おもむきを表す言葉。それゆえに、人との関わり合いや人生を語る上で使われる表現でもあります。ここでは主な例を3つ紹介しましょう。

1:学生時代、旅先でいろんな人に出会い、人情の機微に触れた。

旅先で出会った、いろんな年代や価値観をもつ人との触れ合いを通して、人情を味わったという時にも、このような表現をすることがあります。慣れない土地では、何かと世話をしてくれたり、食事に誘ってくれる人の存在がとても心強く感じられるもの。自分のことを心配して、愛情をかけてくれた人から、人情の機微を教わった人は多いかもしれませんね。

2:さまざまな苦難を乗り越えてきた彼は、人生の機微を解する人だ。

人生の機微を解する」という表現をすることもあります。「解する」とは、「物事の意味や道理を理解している」ということ。つまり、辛いことや悲しいことなど、さまざまな経験を通して、人生というものがどういうものなのか深く理解することができた、というように解釈することができるでしょう。

話す女性

(c) Adobe Stock

3:彼は感情の機微に疎く、パートナーを怒らせてしまった。

「機微を解する人」とは反対に、かすかな感情の変化に気が付かない人のことを「機微に疎(うと)い」と表現します。忙しい時に、「食事はまだ?」と言ってきたり、せっかくのデートでオシャレをしても気が付いてもらえなかったり…。些細な変化に鈍感な彼をみて、思わず不機嫌になってしまった! という経験がある人も多いのではないでしょうか。

類語や言い換え表現は?

物事の些細な変化やこまやかなことを意味する言葉に、「微妙」「隠微」「繊細」があります。「機微」と共通する部分がありながらも、それぞれ使う場面や意味合いに特徴があるので、うまく使い分けてみてください。

1:微妙

「微妙(びみょう)」は、会話の中でよく使われている言葉なだけに、さまざまな意味合いを持っています。

[名・形動]
1 趣深く、何ともいえない美しさや味わいがあること。また、そのさま。みみょう。
「此―な叙景の筆の力が」〈独歩・武蔵野〉
2 一言では言い表せないほど細かく、複雑なさま。また、きわどくてどちらとも言い切れないさま。「気持ちが―に変化する」「セーフかアウトか―な判定」「愛国主義と国粋主義の―な関係」
3 (「微妙に」の形で)少々。やや。「―に歪んで見える線」「彼の話には―に嘘が混じっている」
4 (「ビミョー」と書くこともある)俗に、否定的な気分を婉曲にあらわす語。明言したくないときなどにも使う。「『テストできた?』『―』」
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

日常会話の中では、4番のようなやや否定的なニュアンスを込めて使うことが多いかもしれませんね。ですが、「機微」と同じような意味としては2番・3番がふさわしいでしょう。見た目はあまり変わらないけれど、ほんの少し違って見えたり、変化しているように感じる時に、「微妙に違って見える」「微妙に気持ちが変化した」などと表現しますよね。

(例文)
・微妙に線が曲がっているから書き直してほしい。
・彼は彼女の微妙な心の変化に気が付かなかった。

2:隠微

「隠微(いんび)」の意味は、以下の通りです。

[名・形動]外に現れず、わかりにくいこと。かすかで目立たないこと。また、そのさま。
「そこらの―な気持までは、…しかとは見極めかねた」〈里見弴・多情仏心〉
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

かすかでわかりにくいことを「隠微」と言います。「隠す」という文字が使われていることから、本音や本質が内側に隠されていてわかりにくいこと、というような意味合いがあります。表面上に表れないほどかすかなものであることが、「機微」と共通していますね。

(例文)
・隣の家には、隠微な事情があるらしい。
・この詩は、思春期の隠微な感情をとらえている。

坐禅を組む女性

(c) Adobe Stock

3:繊細

さまざまな場面で使われる、「繊細(せんさい)」の意味も確認してみましょう。

[名・形動]
1 ほそく小さいこと。ほっそりとして優美なこと。また、そのさま。「―な指」
2 感情などがこまやかなこと。また、そのさま。デリケート。「―な感覚」「―な神経」
[派生]せんさいさ[名]
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

2番の意味が「機微」と類似していますね。感情や感覚が細やかで、他の人が気づかないことまで感じとったり、また人の感情の変化を読みとることが得意な人は、「繊細な感性」の持ち主でもあるでしょう。

(例文)
・音楽家の彼は、音に関して繊細な感覚を持っている。
・繊細な性格は今の職業にとても役立っています。

最後に

「機微」とは「表面だけでは知ることのできない、微妙なおもむきや事情」のこと。はっきりと言葉で形容できないような、心の中の感情の変化や物事のおもむきなどに使われる繊細な表現です。会話の中に、「人情の機微に触れる」「人生の機微を解する」などの表現を織り交ぜて、語彙力を豊かにしてみてはいかがでしょうか?

TOP画像/(c) Adobe Stock

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