「クレメンス」の意味と由来を解説
インターネット上で「クレメンス」というネットスラングを目にしたことがある人もいるでしょう。クレメンスの意味や、言葉の由来を解説します。
要求を表すネットスラング
インターネットの掲示板などでよく見られる「クレメンス」とは「~してほしい」という意味のネットスラングであることがほとんどです。お願いや要求を表す表現としてSNSなどで使われる傾向がみられます。
「~してください」という意味の「~してくれ」にかけて、「~してクレメンス」のように使われるのが一般的です。インターネット発祥の書き言葉なので、口頭で使われることは少ないかもしれません。
クレメンスは比較的有名なフレーズですが、あくまでもインターネットならではのくだけた表現の一つです。意味が伝わらない相手も少なくないということに注意して、使う場面を考える方が賢明といえます。
メジャーリーガーの名前が由来
クレメンスというネットスラングは、実在する人名が由来になったといわれています。由来とされるメジャーリーガーの「ロジャー・クレメンス」は、メジャー通算354勝を挙げた名投手です。
クレメンスはレッドソックスやヤンキースなどの球団で活躍した選手であり、日本の野球ファンにもよく知られている存在といえます。そのため、もとはクレメンスを知る野球ファンが使い始めた言葉だと考えられています。
野球ファンに使われるフレーズには、ほかにも選手の名前に由来するものが多く存在しますが、クレメンスは選手名にちなんだスラングの中でも特に有名な言葉の一つといえるでしょう。
野球関連の掲示板から生まれた言葉
クレメンスという言葉は「2ちゃんねる」の中で誕生したという説が一般的です。2ちゃんねるには、野球関連の掲示板である「なんでも実況ジュピター(なんJ)」が存在し、試合の実況などが行われていました。
なんJから生まれた言葉はいくつもありますが、クレメンスももともと野球ファンが使い始めたものとされます。当初は野球ファンにのみ使われていた言葉ですが、SNSやまとめサイトを通じて広まったようです。
そのため、中には元ネタとされる選手を知らずにクレメンスを使っている人も。現在では有名なネットスラングとして認識されていますが、実在の野球選手が由来になったということは押さえておきたいポイントです。
クレメンスの使い方と例文
クレメンスを実際に使うため、また会話やSNS上での意味を適切に理解するためには、おもにどのような場面で使われているかを知るとよいでしょう。具体的な例文も交えて、使い方を解説します。
「~してクレメンス」と使うのが一般的
クレメンスは「~してくれ」という言葉と、クレメンスをかけて使われるケースがほとんどです。近しい相手に「~してほしい」とお願いしたいときに使うのが一般的です。
また「~(モノ)をくれ」と、クレメンスをかけて使うパターンもあります。インターネットやSNS上で、コメントや返信がほしいときなどに使うケースも散見されます。
クレメンスを使うことで、普通に「~してくれ」と要求するよりも柔らかい印象になるでしょう。ただし、あくまでもスラングなので、実際に使うときは失礼にならないよう注意する必要があります。
クレメンスを使った例文
クレメンスという言葉の代表的な使い方が「許してクレメンス」です。許してほしいと謝罪・懇願する表現ですが、クレメンスを使うことで、どこか明るいニュアンスが出てきます。
「助けてクレメンス」「なんとかしてクレメンス」など、クレメンスを使える場面はさまざまです。相手に何かを頼みたいときや、困ったときなどに使えるでしょう。
また「~をくれ(ください)」と要求する意味で「時間をクレメンス」「画像クレメンス」などの使い方もあります。お願いしたり何かを要求したりと、幅広い使い方ができる言葉です。
野球選手名に関連するネットスラング
クレメンスのほかにも、野球選手の名前にちなんだネットスラングは多く存在します。選手名を使った代表的なネットスラングをいくつか紹介します。
メジャーリーガーが由来「ハラデイ」
メジャーリーガーの名前が由来となったネットスラングとして「ハラデイ」があります。ハラデイもクレメンスと同様に、ピッチャーとして活躍した「ロイ・ハラデイ」の名前が由来になったとされる言葉です。
インターネット上で画像を添付することを「貼る」といいますが、「画像を貼る」という表現とかけて「画像ハラデイ」のように使います。
話題と関係のない画像や、特に求められていない画像が貼られたときには、ハラデイをもじって「ハランデイイ」という使い方をします。お決まりの表現なので、セットで覚えておくと役立つシーンがあるかもしれません。
日本のプロ野球選手が由来「杉内」
メジャーリーガーだけでなく、日本国内のプロ野球選手の名前が由来となったネットスラングもあります。福岡ソフトバンクホークス・読売ジャイアンツで活躍した杉内俊哉(すぎうちとしや)選手の名前にちなんだ「◯◯杉内」もその一つです。
杉内という名字と「~すぎる」という言葉をかけて、「すご杉内」「ヤバ杉内」のように使います。もともと野球ファンを中心に使われていた言葉ですが、汎用性が高いため若者を中心に使われるようになりました。さらにフルネームを使った「すご杉内俊哉」という表現をするケースもあるようです。
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