Domani

働く40代は、明日も楽しい!

 

LIFESTYLE スキルアップ

2024.12.16

「役員」と「取締役」の違いは? 取締役・執行役員・監査役の違いもわかりやすく解説

「役員」と「取締役」の違い、ご存じですか? 一見似たような役職ですが、その役割や責任は会社の運営や経営において違いがあります。本記事では、役員と取締役の役割や選任プロセスの違い、報酬や評価基準の違いについて解説します。

Tags:

企業の役職には「役員」や「取締役」などの用語がありますが、それらの違いを正しく理解している人は多くないかもしれません。これらの役職は、単なる肩書きではなく、経営の意思決定や組織運営の中心を担う重要なポジションです。

この記事では、管理職が知っておくべき「役員」「取締役」そして「執行役員」などの役職について、違いや役割を深掘りし、実務的な視点から解説します。

役員と取締役の違いとは? 基本を押さえて理解しよう

会社の運営において「役員」や「取締役」はどのように位置づけられているのでしょうか? 特に中小企業と大企業では役割の捉え方も異なります。ここでは、それぞれの役割を中心に解説し、最後に違いを説明します。

説明する男性

(c) Adobe Stock

役員とは何か? 会社における役割を簡単に解説

役員とは、法人の中で業務の執行や監督を行う権限を持つ立場の人を指します。具体的には、株式会社での取締役や監査役、公益法人の理事や監事、特殊法人の総裁や理事長などが該当。その責任範囲は会社の規模や形態によって異なりますが、共通して組織全体の運営に関わる重要な役割を担っています。

独占禁止法では、支配人、本支店の事業の主任者も役員に含むとしています。

参考:『法律用語辞典 第5版』(有斐閣)

取締役とは? 会社法で定められる重要な存在

取締役は、会社法で定められた株式会社の必置機関の一つです。取締役は株主総会で選任され、原則として任期は2年とされています。ただし、非公開会社では定款によって任期を最長10年まで延長することが認められていますよ。この柔軟性は、会社の規模や性質に応じて運営体制を設計できるようにするためです。

取締役の役割は、会社の業務執行に関する意思決定を行うことにありますが、これには機関設計が深く関係しています。

取締役会非設置会社では、各取締役が業務執行権と代表権を持ちます。一方、取締役会設置会社では、取締役会が会社全体の業務執行を決定し、その中から選ばれた代表取締役が具体的な執行を担います。この違いは、会社の運営方式や規模によるものです。

さらに、取締役は、会社法に基づき、忠実義務や善管注意義務を負い、会社の利益のために職務を遂行することが求められます。これにより、会社運営における透明性と責任の明確化が図られているのです。取締役会の設置が義務付けられる公開会社では、さらにガバナンスの強化が重要視されています。

役員と取締役の違いは?

「役員」と「取締役」は、会社運営において重要な役割を果たす点では共通していますが、その範囲や位置付けには明確な違いがあります。

先述したように、役員は、法人の業務を執行または監督する権限を持つ立場の総称です。一方、取締役は、株式会社の業務執行に関する意思決定を行う役職であり、会社法により明確に定義されています。

つまり、簡単にいえば「役員」は広範な概念で、取締役はその中に含まれる特定の役職です。役員は取締役に限らず、会社の運営全体を支える様々な立場を含む一方で、取締役は意思決定に特化した役割を持つ点が特徴でしょう。

六人のビジネスマン

(c) Adobe Stock

取締役と、執行役員や監査役との違いは? 各役職を比較

「執行役員」や「監査役」は経営における重要なポジションですが、それぞれの役割や取締役との関係性はどのように異なるのでしょうか。ここでは、具体例を交えながら整理していきます。

執行役員とは? 取締役との違いを解説

執行役員は法律上の役職ではなく、企業が独自に設けるポジションのことです。多くの場合、取締役会の決定に基づき、取締役よりも現場に近い位置で業務執行を担当します。役員待遇の従業員という位置付けと表現すると、わかりやすいでしょう。

たとえば、ある企業では執行役員が新規プロジェクトの立ち上げを指揮し、その成果を取締役会で報告するという形で連携しています。こうした分業により、経営のスピード感を保つことができます。

なお、執行役員と、会社法に規定のある「執行役」とは別ものですので混同しないよう注意してください。

監査役とは? 取締役とどう関わるのか

監査役は、会社の経営が適法かつ健全に行われているかを監視する役割を持つ、株式会社の重要な機関です。具体的には、取締役や会計参与の職務執行を監査し、業務監査や会計監査を通じて、株主の利益を守る責任を担います。なお、監査役の設置は、従来すべての株式会社に義務付けられていましたが、現在では非公開会社においては任意になっていますよ。

監査役の主な業務は、取締役の業務執行をチェックし、不正や違法行為がないかを確認することです。監査役は取締役会に出席し意見を述べる権限を持つほか、違法行為を見つけた場合には、その行為を差し止めることもできます。また、取締役が会社と対立する訴訟などでは、監査役が会社を代表する役割を果たします。

このように、監査役は取締役を直接的に監視し、会社の透明性と健全性を保つための仕組みの一環として機能しているのです。

プレゼンする男性

(c) Adobe Stock

取締役や執行役員の序列と年収は?

役職の序列や待遇は、キャリアアップを目指す管理職にとって重要な要素です。特に、取締役と執行役員の違いを理解することは、自身のキャリア戦略を描くうえでも役に立つでしょう。ここでは、これらの役職の関係性や年収の違いに注目していきます。

取締役と執行役員、どっちが上? 役職の序列を解説

一般的に、取締役が執行役員よりも高い権限を持つとされています。しかし、企業ごとにその関係性は異なりますよ。たとえば、取締役が執行役員を兼務する場合もあれば、執行役員が実質的に経営をリードする場合もあります。企業の規模や文化によって異なるため、業界や会社の実態を把握することが大切です。

取締役の年収はどれくらい? 待遇の違いを知る

取締役や執行役員の年収は、会社規模、業種、地域により大きく変動します。たとえば、大手上場企業の取締役は数千万円の報酬を得ることもありますが、中小企業では年収が1,000万円未満の場合もあります。また、役員報酬の決定プロセスも会社によって異なることを覚えておきたいですね。

最後に

役員や取締役、執行役員といった役職の違いを正しく理解することは、働く上で大きな助けになるでしょう。本記事の内容を一つの参考に、ぜひ自分の立場や会社の組織構造を見直してみてください。新たな発見があるかもしれません。

TOP画像/(c) Adobe Stock

【関連記事】

Read Moreおすすめの関連記事

スマートフォンプレビュー

【登録無料】
Domaniメルマガ会員募集中

管理職世代の通勤コーデ、明日は何を着る?子供の受験や習い事、
どうする?人気モデル、ハイセンスなDomani読者モデル、教育のプロたちから
発信されるタイムリーなテーマをピックアップしてお届けします。
プレゼント企画やイベント参加のスペシャルなお知らせも!