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LIFESTYLE 雑学

2021.02.25

「東西」が聞こえるようになってきたら進歩した証拠?【元CAの中国語ってムズカシイ】

同じ漢字でも日本語と中国語では意味が異なる言葉も多く存在します。台湾の航空会社でCAとして乗務していた経験のある有田千幸が、中国語を勉強する中で印象に残った言葉をご紹介します。 連載第16回目は「東西」編。

Text:
有田 千幸
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中国語で「東西」は「もの」という意味

新しい言語を勉強していて進歩を感じるとき、それは「あ、この音よく聞く!」と思う瞬間が増えてきたとき。私自身、中国語の勉強はそんな瞬間の積み重ねでした。

勉強を始めた最初のころ覚えた単語のひとつに「東西 (Dōngxī)」があります。発音はドンシー。実はこれ、日本語で「もの」という意味。

字を見ただけでは「方角」のイメージが強いですが、一度覚えてしまえばそんな先入観も吹き飛ばされるくらい日常会話で頻出する単語です。

CAになるための訓練中も教官たちがよくドンシードンシーいっていたし、CAになってからもフライト中あちらこちらでドンシードンシー聞こえてきて、そのうち自分でも使うようになっていました。

ドンシーとセットでよく使うのが「サンマ」
「什麼東西」=「何のこと?」

会話の中で「東西 (Dōngxī)」とセットでよく使われる言葉に「サンマ」があります。
いえ、「秋刀魚」ではありません。サンマは「什麼 (Shénme)」と書き、日本語で「何」という意味。この「什麼」と「東西」を合体して「什麼東西 (Shénme dōngxī)」、意味は「何のこと」です。

実は「什麼東西 (Shénme dōngxī)」はいろんなシーンで使える便利ないいまわし。
たとえば相手がいったことが聞こえなかったとき、「え、何? もう一度いって」というニュアンスでも使えるし、話の内容にびっくりしたときに「信じられない!」という感情を表現する言葉としても使えます。また冗談が面白くなくて「何のことやら…」と話を流すときなども「什麼東西」でOKだし、そして「あれなんだっけ…」と物事が思い出せないときにも「那個 什麼東西啊…」といいながら自問自答したりもします。

要するに「東西 (Dōngxī)」が聞こえるようになれば「什麼 (Shénme)」も聞こえるようになり、その2つの単語を繋げた「什麼東西 (Shénme dōngxī)」でいろいろ乗り切れるようになるということ。

中国語メモ:
「什麼東西 (Shénme dōngxī)」= 基本は「何のこと」という意味
(例)「這是什麼東西?」=「これは何?」

ただいろんな解釈ができるので、目上の人にはあまり勢いよく「サンマドンシー!」といわないほうが無難。敬語という敬語がない中国語だからこそ、声のトーンは丁寧さや謙虚さを表す大切なツールになってきます。

【続】

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美容ライター

有田 千幸

外資系航空会社のCA、建築設計事務所の秘書・広報を経て美容ライターに。ニュージーランド・台湾在住経験がある日・英・中の トリリンガル。環境を意識したシンプルな暮らしを心がけている。プライベートでは一児の母。ワインエキスパート。薬膳コーディネーター。

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