「微力ながら」の意味や読み方とは?
目上の人や上司などに仕事を依頼された時に、普段どのように返事をしていますか? 大きいプロジェクトであったり、難易度の高い仕事の場合、「微力ながらお役に立ちたいと思います」などと答えることがあるのではないでしょうか?
「微力ながら」は、相手に対してへりくだる謙虚な言葉ではありますが、使用を控えたほうがいいケースも。本記事では、ビジネスシーンで頻出の「微力ながら」というフレーズの意味や使い方を詳しく解説します。
意味と読み方
まずは、「微力(びりょく)」の意味を辞書で確認してみましょう。
1 力が弱く足りないこと。また、その力。
2 自分の力量をへりくだっていう語。「―ながら協力させていただきます」
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
「微力」とは、「力の弱いこと、自分の力量をへりくだっていうもの」。「~ながら」は、逆説を表す接続助詞で、「にもかかわらず・けれども」という意味を持ちます。よって「微力ながら」は、「少ししか力はないですが」や「足しにもなりませんが」「乏しい力ではありますが」といった意味になりますね。
基本的には、上司や目上の人、取引先の相手に対して、自分をへりくだって相手を敬う表現として使います。相手を敬ったり、謙虚な気持ちを表す言葉です。
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ビジネス等で使うときの注意点
「微力ながら」は、口頭でもビジネスメールでも使うことのできる表現ですが、気をつけておくべき点がいくつかあります。以下で紹介しますので、今一度確認をしてみてください。
履歴書や職務経歴書には書くのを控えたほうがいい
「微力ながら」は謙虚な言葉ですが、自分をアピールする場面で使うと、自信がなさそうなイメージを与えてしまう可能性があります。キャリアアップを目的とした転職活動や就職活動の他にも、プレゼンテーションなどの自分をアピールしたい場面では、「微力ながら」という表現は控えたほうがいいでしょう。
自ら申し出た支援の場合
自ら申し出た支援、サポートに対して「微力ながら」を使うのは、相手に失礼になります。「微力ながら」は、相手からの支援やサポートの要請があったときに、返答として使いましょう。
嫌みに聞こえる場合もある
誰がどう見ても仕事ができて、経験や実績がある人が「微力ながら」を使うと、言った人はそんなつもりではなくても、嫌みのように捉えられる場合があります。
そんな場合は、「最善を尽くします」や「ご期待に添えるよう努力します」などを使うほうがいいでしょう。「微力ながら」を使うときは、相手にどう思われるか客観的に考える必要がありますね。
使い方を例文でチェック
意味や注意点を踏まえた上で、「微力ながら」の使い方を例文で紹介します。
「微力ながら会社のために尽力いたします」
自分の力量をへりくだった表現の「微力ながら」と、「あることのために力を尽くす」という意味の「尽力」を合わせることで、謙虚に相手のために尽くすという表現になります。
「微力ながらお役に立ちたいと存じます」
相手の役に立ちたい、サポートしたいという気持ちを表現したいときに使うといいでしょう。「お役に立てるかわかりませんが」といった控えめなニュアンスの表現になります。