「イベントがうまくいくように、微力ながらお手伝いさせていただきます」
「微力ながら」と「お手伝い」も、よくセットで用いられます。目上の人の仕事をサポートすることなので、「お手伝いさせていただきます」と丁寧に伝える必要がありますね。謙虚でありながらも、相手の仕事を支える姿勢があることをアピールすることができるでしょう。
類語にはどのようなものがある?
「微力ながら」と同じような意味を持つ表現をいくつか紹介します。
僭越ながら(せんえつながら)
「僭越」とは「自分の地位や立場を越えて出過ぎたことをすること」を意味します。「僭越ながら」は「失礼を承知した上で、出過ぎた行動をします」というニュアンスを表現することができます。
「微力ながら」は基本的に、相手の要請に対しての返答に使われる表現ですが、「僭越ながら」の場合は、自分から発言するときなどにも使うことができます。
【例文】
・僭越ながら、意見を述べさせていただきます。
・僭越ながら、ご挨拶させていただきます。
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及ばずながら(およばずながら)
「及ばずながら」とは、手助けをする際に「力は決して十分ではありませんが」と謙遜していう表現。「微力ながら」と意味合いがとても近い表現です。
【例文】
・及ばずながら、ご協力いたします。
・及ばずながら、全力を尽くします。
憚りながら(はばかりながら)
「憚りながら」とは「遠慮すべきことかもしれないが」「恐れながら」といった意味で、「自分のようなものが恐縮ですが」といった姿勢を表します。主に、目上の人に反対意見を伝えないといけないときなどに使います。そのほか、相手からの要望が自分の実力以上のものだった場合にも「恐れながら」という表現として、使うことができます。
【例文】
・憚りながら意見を申し上げます。
・憚りながら謹んでお受けさせていただきます。
恐縮ながら(きょうしゅくながら)
「恐縮ながら」は、相手からご厚意を受けた際や迷惑をかけてしまった際に、謝罪の意味を込めて使います。例えば、目上の人のお宅に何時間もお邪魔して、そろそろ引き上げたいという場合に「恐縮ながら、本日は失礼させていただきます」などと伝えます。相手に申し訳なく思っていることが伝えられる表現です。
【例文】
・恐縮ながら、今回のコンクールへの参加は辞退させていただきます。
・この後予定があるため、恐縮ながら早退させていただきます。
お役に立てるかわかりませんが
「お役に立てるかわかりませんが」は、文字通り「相手の役に立てる保証はない」という意味になります。相手から何かを打診されて、その返事として使います。「微力ながら」以上に謙遜の意味が強いニュアンスがあるでしょう。言い方によっては、自信がないように受け取られる可能性もあるため、場面を選ぶ必要がありますね。
【例文】
・お役に立てるかどうかわかりませんが、とりあえずやってみます。
・ブランクがあるので、お役に立てるかどうかわかりませんが挑戦してみます。
「微力ながら」の英語表現は?
「微力ながら」は、謙虚・謙遜を美徳とする日本人らしい表現です。そのまま英語にしてしまうと、欧米ではネガティブに受け止められることがあります。
ビジネスシーンでは自分の能力を「微力」と表現しないほうがいいでしょう。では、ビジネスシーンでも使える丁寧かつ、ポジティブな印象を与える「微力ながら」に近いフレーズは何でしょうか?
【例文】
・I will do my best to make a success 〜.「~を成功させるために最善を尽くします」
・I will make every effort to make a contribution to 〜. 「~に貢献するために全力を尽くします」
親しくなった人には日常会話で、
【例文】
・I don’t know how much I can do, but I wanna do anything for you.「どれくらいできるかわからないけど、君のために何でもするよ」と表現してもいいでしょう。
最後に
日本特有の「微力ながら」と謙遜して相手を敬う表現は、謙虚ながらも相手の力になりたいという気持ちが表れた言葉です。そんな言葉をさらりと使いこなせれば、丁寧で礼儀正しい人だという印象を持たれることでしょう。「微力ながら」という言葉を味方につけて、ビジネスシーンをより豊かなものにしてください。
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