日本人の自己肯定感について
内閣府の調査によると、諸外国と比べて日本の若者は自己肯定感が低い傾向にあります。ここでは、なぜ日本の若者は自己肯定感が低いのか、その原因を説明しましょう。
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海外と比べて大幅に自己肯定感が低い
内閣府の「若者の自己認識について」調査した結果によると、日本の若者は諸外国と比べ自己肯定的の低い人が多い傾向にあります。年齢別にみると、とくに10代後半から20代前半にかけて諸外国との差が大きくなっています。
アメリカやイギリス、フランス、ドイツでは、80%以上の若者が「自分自身に満足している」と答えています。これに対して、日本の若者は46%弱。また「自分には長所があるか」という問いに対する答えにも違いが顕著に表れています。アメリカやイギリス、ドイツ、フランスでは、90%近くの若者が「はい」と答える一方、日本の若者は70%弱という数値です。
この結果からも、日本の若い世代は諸外国の若者と比べて、自分の長所を見つけられず、また自分自身に満足できていない様子をうかがい知ることができます。
参考:内閣府「平成26年版 子ども・若者白書(全体版)」
自己肯定感が低くなる原因
そもそも、なぜ自己肯定感が低くなるのでしょうか。ここでは、いくつかのケースを探ってみましょう。
ケース1:幼少期に親から褒められる機会が少なかった
幼少期に、親から認められ褒められる機会の少なかった人は、自己肯定感が低い人が多いようです。自己肯定感とは、「どのような自分でも大丈夫」「自分は価値のある人間だ」と自分を肯定的に認識すること。自分に対するこのような認識は、成長する段階で育まれます。
たとえ親からあまり構ってもらわなかったとしても、保育園の先生やおじいちゃんおばあちゃんに可愛がってもらい面倒をみてもらえれば、自己肯定感が低くなる可能性は小さいでしょう。つまり、幼少時における「無条件に認められ褒められる」という経験が非常に大切なのです。
ケース2:兄弟姉妹や他人と比較される機会が多かった
成長する段階で、兄弟姉妹や他人と比較されて育った人も自己肯定感が低い傾向にあります。家庭環境が子供に与える影響は大きく、その人の自己肯定感にも影響します。出来の良い兄弟姉妹と比べられ、親に「あなたはどうしてできないの?」「お兄ちゃんはこんなにできるのに」と言われて育つと、「自分はダメな人間なのだ」と思ってしまうのです。
ケース3:成功体験が少ない&失敗を忘れられない
成功体験が少ない人や、過去の失敗を忘れられない人も自己肯定感が低くなりがちです。成功体験が少ないということは、周りに認められた経験が少ないということでもあります。認められてもらえる経験はどのようなものであってもいいのです。
たとえば、運動は苦手でも絵がとても上手でコンクールで賞を取ったとか、ピアノが上手で合唱の際には弾く係だったなど、自他ともに認める何かしらの長所があれば成功体験につながり、ひいては自己肯定感も高くなります。
一方、もともと自己肯定感は高かった人にありがちなのが、過去の失敗や経験を忘れられず、自己肯定感が低くなってしまうというケースです。わかりやすい例としては、失恋やリストラが挙げられるでしょう。
「好きな人にふられる」「会社をクビになる」という経験は、自己を全否定されたように感じるものです。このような経験を忘れられずにいると、いつのまにか自己肯定感が低くなってしまいます。
自己肯定感が低い人の3つの主な特徴とは
自己肯定感が低くなる原因は、人によってさまざまです。しかし自己肯定感が低い人には、同じような特徴があります。ここでは、おもな特徴を3つご紹介しましょう。
劣等感が強く、自分に自信が持てない
自己肯定感が低い人は、人よりも劣等感が強く自分に自信が持てません。そのため新しい物事にチャレンジしたり、困難なことを克服しようとするといったことが苦手。始める前から「自分にできるはずがない」と思いチャレンジしないため、いつまでたっても成功体験を積むことができず、自己肯定感は低いままです。
自分で決めることができず周囲に依存しがち
自己肯定感が低い人は、自分で決めることができず周囲に依存する傾向が見られます。なぜなら、何かを決めるということは、自分の決断を信じ責任を持つことだからです。
自己肯定感の低い人は自分を信じることができないため、何らかの決断をするときは、家族や上司、先輩などの周囲の意見を優先してしまいます。うまくいかなかったり失敗したりしたとき、自分で決めたことでなければ責任の所在は問われないという安心感があるのでしょう。
ネガティブな言葉と思考が癖になっている
自己肯定感の低い人は、ネガティブな言葉とネガティブ思考が癖になっています。「どうせ私は…」「うまくいくはずがない」などのネガティブな言葉をいつも口にするので、その言葉が脳に刷り込まれ、結果ネガティブ思考に。
自己肯定感が低い人は、能力が低いというわけではありません。人より能力があっても自分の価値観を見いだせていないため、その能力を正しく認識することができないのです。
たとえば、営業成績は人よりもいいのに、「ほかの人のほうが、給料は上だから」と人よりも劣っている点を無意識のうちに探してしまいます。ネガティブな言葉と思考の癖が、さらに自己肯定感を低くしてしまうのでしょう。
自己肯定感が低い女性の恋愛問題とは
自己肯定感が低い女性は、恋愛でも問題を抱える傾向にあります。ここでは、自己肯定感が低い女性の恋愛問題についてご紹介しましょう。
相手が信じられず「めんどくさい女」と思われやすい
自己肯定感が低い女性は相手の愛情を信じられない人が多く、結果的にパートナーから「めんどくさい女」と思われることが多いです。
信じられない原因の根底には自己肯定感の低さが関係しています。「自分は愛される価値がない、ほかにもっと素敵な女性がいるはず」と思ってしまうのです。相手がどれだけ「愛してる」と伝えてくれても、その言葉を素直に信じることができません。
メールがなかったり、連絡がつかなかったりするだけで、パートナーの浮気を疑い不安になる人もいるでしょう。相手からすると、してもいない浮気を疑われ信用されないということが続いて気持ちが疲れてしまい、やがて「めんどくさい」と思うようになるのです。