メンヘラの意味とは
メンヘラとは、インターネットの掲示板から生まれたネットスラングです。より詳しく理解するために、言葉の由来や正しい意味を解説します。
■心に問題を抱えている人のこと
「メンヘラ」とは、「心に病や闇などの問題を抱えている人」を意味する言葉です。「メンタルヘルス(心の健康)」が語源であり、元々はインターネット上の掲示板で、メンタルヘルスに関する書き込みをする人を指していました。
メンタルヘルス:心の健康のこと。メンタルヘルスケアは、具体的には、精神的な疲労やストレスを減らし、うつ病などの精神疾患の予防、さらには早期治療による改善から、よりよい心の状態作りまでを意味している。
出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
転じて昨今では、実際に心の問題を抱えているかどうかにかかわらず、共通した性格や特徴を持つ人に対して使われる傾向にあります。「精神的に不安定な人」という意味で日常会話にも使われることがあり、本文では、こうした特徴を持つ人のことを指して「メンヘラ」と記載します。
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共通する性格や特徴
「メンヘラ」には、共通する行動や性格があります。
かなりの寂しがり屋
「メンヘラ」の大きな特徴として、極端な寂しがり屋であることが挙げられます。友達や恋人とは常に一緒でなければ、心が落ち着かない性格の持ち主です。
1人で過ごしている時間も、メールやSNSなどのツールが手放せません。友達や恋人とつながっていなければ、大きな不安に包まれてしまうからです。
孤独を嫌うため、常に誰かに構ってもらいたがります。疲れていたり悩んでいたりする自分の状態をアピールすることで、周囲の人から心配してもらいたいのです。
何にでも依存しやすい
依存心が高いことも、「メンヘラ」の特徴の一つです。特に、恋愛やSNSに対しては、より強く依存する傾向があります。
恋愛依存やSNS依存は、「自分を認めてほしい」「他人から必要とされたい」という承認欲求の強さから生まれるものです。誰かに認められたり必要とされたりしていなければ、精神的に落ち着きません。そのため、「メンヘラ」な人は肌身離さずスマホを持ち歩く傾向があるようです。
また、相手からの迅速な回答を常に求めており、返事の有無や内容で一喜一憂することも特徴です。相手の事情よりも自分の気持ちを優先しがちなため、相手が嫌がっていることになかなか気が付けません。
感情の起伏が激しい
心や感情が安定しにくいため、すぐにイライラや不安を感じてしまうようです。突然怒り出したり泣き出したりすることもあります。
怒りや悲しみなどの「ネガティブな感情」が特に動きやすく、感情の起伏が激しいのは、自分に向けられる関心のなさへの不安が大きな原因です。誰にも相手にされていないと感じたとき、ネガティブな感情が表に出やすくなります。
普通の状態からいきなり興奮状態になるため、周囲は困惑してしまうことも。気を遣わざるをえなかったり、トラブルに発展したりと、さまざまな問題が発生します。
口癖のように言うセリフ
「メンヘラ」な人は口癖を数多く持っています。代表的な口癖とそれぞれに込められた真意を知っておけば、相手が「メンヘラ」かどうか分からない場合、判断がつきやすくなるはずです。
「分かってくれない」
「誰も自分の気持ちを分かってくれない」という言葉は、「メンヘラ」な人がよく口にする言葉です。自分の主張や要求が通らないため、強い不満や不公平感を抱いている表れともいえます。
非現実的な主張や要求が多いため、周囲はその全てを受け入れることは難しいでしょう。自分の意見が通らないことに対して、「自分ばかりがひどい目に遭う」と被害者のように感じてしまう傾向にあります。
「メンヘラ」な人の多くは、自分の主張や要求が通らなかったときに、なぜそうなったのかを考えられません。理由を聞いたり反論したりすることなく、「自分以外が悪い」もしくは「自分が全て悪い」と極端な考えを抱く傾向も。
「疲れた」
「疲れた」も連呼しがちな言葉です。「メンヘラ」な人が「疲れた」という場合は、誰かに相手にされたい、かまってほしい気持ちの表れということも多いのです。
四六時中誰かにかまってほしいと思っているため、相手にされていないと感じたときには、「疲れた」というセリフを発することで周囲の意識を引こうとしてしまいます。
つらく悲しい状態に陥っているときや、自分なりに頑張ったと感じているときにも、「疲れた」と言うことで労いの言葉を求めます。
誰かが「大変だったね」「頑張ったね」と声をかけなければ、いつまでたっても心は満たされません。ネガティブな発言を聞き続けることになるので、周囲の人たちは疲れてしまうことも。
「帰りたい」
職場にいる「メンヘラ」な人は、仕事で疲れたり体調が悪くなったりすると、すぐに「帰りたい」と言います。多くの人が同じような気持ちを抱いている中で、「帰りたい」と口に出してしまうことが特徴です。
彼らの多くは、自分の発言が相手や周囲に与える影響を考えません。「帰りたい」という自分の言葉で、雰囲気を悪くしたり不快感を与えたりする想像ができないのです。
誰にもかまってもらえないとき、つまらなく感じているときにも、無意識に「帰りたい」と発したり、周囲の話題についていけないときや、彼氏・友人といて楽しくないときにも、「帰りたい」を使用する場合もあります。
「私なんて」
かまってほしい気持ちを表すように、「私なんて」という口癖もよく使います。「どうせ私なんて何をやってもうまくいかない」などと繰り返し、悲観的に見せることも。
自己否定感の強い言葉ですが、全ての発言に自虐的な意味が込められているとは限りません。「私なんて」と発し、相手や周囲からの労いを期待しているケースも少なくありません。
本当は自信があることに対して、あえて「私なんて」と言う場合があることも特徴です。「私なんて頭が良くないし」「私なんてかわいくないし」と前置くことで、「そんなことないよ」という言葉を待っている場合もあります。
【質問】職場に「メンヘラ」な人はいる?
職場で、この人メンヘラな人かも?と思った経験はあるでしょうか。女性100人にリサーチしてみました。
【質問】あなたの職場に「メンヘラ」だと思う人はいますか?
・いる…8.3%
・いない…91.7%
※アンケートは30〜45歳の日本全国のワーキングマザーを対象にDomani編集部が質問。調査設問数10問、調査回収人数120名。
職場に「メンヘラ」だと思う人はいますか?の設問に、「いる」と答えたのは8.3%でした。少数ではありますが、どんな理由から、そう思ってしまったのでしょうか。体験談をご紹介します。
職場の人を、メンヘラだと思ってしまった理由は?
・静かに嫌味をいう(30代・群馬県)
・ネガティブすぎる(40代・大阪府)
・足を少しくじいたらびっこひいて来た人。痛いのは分かるが、そんなに痛ければ病院へと案内したがスルー(30代・神奈川県)
「メンヘラ」な人が職場にいると問題も多い
「メンヘラ」な人がいると、職場の雰囲気や人間関係に影響を及ぼすケースが珍しくありません。彼らに振り回されることで、仕事量が増えてしまうこともあります。特に頭を悩ませやすい、代表的な例を紹介します。
仕事量が増える
「メンヘラ」な人の仕事に対するやる気は、気分次第で上下します。ネガティブな感情が強くなるとやる気をなくすため、周囲がフォローしなければなりません。
感情の起伏をコントロールできないので、不満や怒りをぶつけてくることもあります。相手にせざるを得ない状況では、仕事に支障をきたすのも当然でしょう。
気分次第で簡単に早退や欠勤をしてしまうことも、特徴の一つです。これらの理由から、「メンヘラ」な人が職場にいると仕事量が増えやすいといえます。
トラブルが増える
些細な問題をすぐに大きくしようとするのも「メンヘラ」な人の特徴です。現場で解決できる問題を、わざわざ上司に伝えて大きな問題にするのが代表例で、これらは自己顕示欲の表れともいえます。
悪口で職場の雰囲気を悪くすることも同様。嫉妬の対象者がいる場合、表向きは仲良く振る舞いながら、本心では嫉妬や嫌悪の感情を膨らませます。陰で悪口を言いふらすなど、周囲の人間関係を悪化させかねません。
自分の話に関心を持ってもらいたいあまりに、嘘をつくケースも多いようです。事実とは違うことを伝えてしまい、トラブルに発展する可能性もあるでしょう。
プライベートを詮索される
「メンヘラ」な人は、仕事とプライベートの区別をつけられない傾向があります。職場だけでしか付き合いがない人に対しても、プライベートなことを聞き出そうとすることも。
一般的には「仕事上の付き合いだけ」という関係は珍しくありませんが、そのような一般常識は彼らには通用しません。自分が相手にされていないと思ってしまうため、プライベートな部分から近づこうと試みます。
「メンヘラ」な人は他人との距離を考慮しないことが多いため、職場の人と適度な距離間を保てない場合もあります。
職場にいる「メンヘラ」な人の対処方法
職場の「メンヘラ」な人をまともに相手にしてしまうと、余計にストレスがたまってしまいます。何らかのトラブルが発生すれば、仕事にも支障をきたしかねません。では、どのような対処方法が適切なのでしょうか?
極力関わらないようにする
職場の「メンヘラ」な人には、できるだけ関わらないようにすることが大事です。一つひとつの挙動に対してまともに反応すると、必要以上につきまとわれることになりかねません。
仕事上どうしても関わらなければならない場合は、極力事務的なやり取りに終始すべきです。プライベートな部分に踏み込んでくるようであれば、その気がないことを態度で示す必要があります。
ただし、仕事のやり取りはきちんと行わなければなりません。仕事に影響が出ない範囲を見定め、適度な距離間で接するのがポイントです。
下手に反論しない
「メンヘラ」な人の主張や要求に筋が通っていなくても、下手に反論してはいけません。正論を返してしまうと、やる気が下がったり感情的になったりして、ますます仕事に支障をきたします。
意見が明らかにおかしい場合も、いったんは受け入れることが大切です。自分の身を守るためにも、受け入れられる範囲の意見ならそのまま認めてしまうのが無難です。
下手に反論して、相手が泣き出したり怒鳴ったりすると、収拾がつかなくなることもあります。説き伏せたい気持ちをグッとこらえて、否定しない態度をとることが重要です。
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