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「お調子者」の正しい意味や別の言い方
ひとくちに「お調子者」と言っても、実はいい意味と悪い意味、ふたつの側面があります。まずは「お調子者」の正しい意味や別の言い方について確認していきましょう。
■「お調子者」はすぐに周りと調子を合わせる人
「お調子者」には「いいかげんに調子を合わせる軽はずみな人」という意味があります。
【御調子者】
いいかげんに調子をあわせる人。他人の意見にみさかいもなく賛成する人。調子にすぐのる、軽はずみな人。
〈参考〉デジタル大辞泉
人の話をきちんと聞かない人や、軽はずみな意見を口にする人なども「お調子者」だと言えます。どんな人の意見にも賛成することから、結果として約束を守り切れないケースも起こり得るでしょう。
■いい意味で「ユーモラスな人」「ひょうきん者」
いいかげんに調子を合わせる人と聞くと、「お調子者」にはあまり良いイメージを持てないのではないでしょうか。しかし「お調子者」は、いい意味合いで表現することもできるのです。
例えば「お調子者」は「ユーモラスな人」と言い換えることもできます。思わぬ発言や行動で周囲の人を笑わせる、「ひょうきんな人」と表現することもできるでしょう。
「お調子者だなぁ」と感じる人のなかには、いつも冗談やユーモアのあることを言って、周りの注目を集める人もいるのではないでしょうか。そのような人も「お調子者」の良い一面を持った人だと考えられます。
■悪くとれば「不真面目な人」「不誠実な人」
誰の意見にもすぐに賛成する「お調子者」は、悪い意味では「不真面目な人」「不誠実な人」と捉えられることもあります。なんでもすぐ安請け合いし、結果的に約束を守り切れなくなってしまうからです。
「お調子者」の悪い一面ばかり表面化すると、周囲からの信頼を失ってしまいます。「あの人には任せられない」と、仕事で低評価を受ける可能性も懸念されます。
「お調子者」ってどんな人?4つの特徴
「お調子者」に良い面と悪い面があるのは分かりましたが、具体的にどのような人を「お調子者」と呼ぶのでしょうか。つぎの4つの特徴を参考に、自分が気付かぬうちにお調子者になっていないか、自分の周りにお調子者がいないか確認してみましょう。
1.みなに可愛がられる「愛されキャラ」
ユーモアのセンスがある「お調子者」は、周囲を笑顔にする「愛されキャラ」であるとも考えられます。どんな人にも自分から積極的に話しかけ、上司や先輩に可愛がられやすいのも特徴です。
はじめは「調子のいいやつだな」と思われていても、人懐っこい性格から、いつのまにか相手に気に入られているのもお調子者ならではの特徴。周囲から見ると、世渡り上手な性格であるともいえるでしょう。
2.できない約束を口にしてしまう
「お調子者」は、後先を考えることなく、すぐに相手の意見に同意してしまう傾向があります。「そんなこと言って大丈夫なの?」と心配するようなことでも、本人は平気な顔をしているのが特徴です。
楽観的な性格に加え、自分の発言にあまり責任を感じていないが口約束をしてしまう原因だと考えられます。本人には悪気はなくとも、周囲にとっては困ってしまうことも多々ある「お調子者」ならではの個性です。
3.初対面の人ともすぐに仲良くなれる
周囲に自分を合わせるのが上手な「お調子者」は、初対面の人ともすぐに仲良くなれます。「お調子者」は、相手との距離感を取るのが上手な人であるともいえるでしょう。学校や職場でも人の輪の中にいることが多く、周囲の話しにすぐに参加するのも「お調子者」の特徴です。
4.場の空気を読んで明るく盛り上げる
ユーモアあふれる「お調子者」は、場の空気を読み、明るく盛り上げるのが得意です。「人の笑顔が好き」という一面もあると考えられます。そのため、深刻なムードのときにも、場を盛り上げようと冗談を言ってしまうことがあるのです。場にふさわしくない発言をしてひんしゅくを買ってしまうことがあるのも、「お調子者」ならではのケースだといえるでしょう。
「お調子者」な人の心理とは?
「お調子者」な人の態度は、根が真面目な人にほど「何を考えているのか分からない」と映ってしまいがちですよね。その場の思い付きで行動しているように見える「お調子者」も、実は以下のような心理状態にあると考えられます。「お調子者」な人の心理を知れば、相手を見る目も少し変わってくるかもしれませんよ。
■重たい空気は苦手なプラス思考
「お調子者」のユーモラスな言動は、「重たくシリアスな空気は苦手」という心理からきていることもあります。職場や仲間内で誰かの機嫌が悪くなったときにも「まぁまぁ、そう怒らずに」と調子よく場をおさめようとすることもあるでしょう。
周囲にすれば「笑えるわけないじゃない」と思うようなことでも、「お調子者」はプラス思考にとらえようとする傾向にあります。調子が良いだけだと思われがちですが、人によっては、苦難を乗り越えてつちかったプラス思考のケースもあるのです。
■周囲の注目を集めるのが好き
「お調子者」の賑やかな言動には、周囲の注目を集めたいという心理が働いています。注目を集めたいという心理には、実はさみしがりやの一面が隠されていることもあるのです。そもそも、人が好きでないと周囲に自分から働きかけたり、注目を集めたがったりしませんよね。そのため「お調子者」はじっくり話をしてみると、思いもよらない弱みや人に対する思いやりを見せることもあります。