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「予て」の読み方や正しい意味とは?
言葉を適切に使用するためには、正しい意味合いを知ることが大切です。まずは、「予て」の読み方や意味について確認していきましょう。
ひらがな表記は「かねて」
「予て」という言葉は、初めて見ると読み方に戸惑ってしまいますよね。「予て」は、ひらがなで「かねて」と表記します。漢字では、「予て」のほかに「兼ねて」と表現されることもある言葉です。
漢字字とひらがな、どちらで表記してもかまいませんが、一般的にはひらがな表記の多い言葉です。ビジネスでは「予て」と漢字表記するシーンも多いことから、正しい読み方や意味について理解しておくほうがいいでしょう。
「予て」の意味は「以前から」「以前に」
「予て」には、「以前から」、「以前に」という意味合いがあります。過去に経験または認識されていた様子を表し、名詞的にも用いられる言葉です。「予て」に「~より」を付け、「以前から~している」と強いニュアンスを持たせることもできます。
「予て」「兼ねて」どちらを使う?
前述したように、「予て」は「兼ねて」と表記することもできます。実際には、どちらの漢字を使う方が正しいのでしょうか?
多くの意味を含む「兼ねて」
「兼ねて」も、「あらかじめ」「前もって」といった、以前より認識されていたことを示す言葉です。また「兼」という漢字は、ふたつ以上のものを合わせることを意味しています。
「兼ねて」の「兼ね」は、古語である「兼ぬ(かぬ)」の連用形です。「兼ぬ」には、「予測する」「予期する」といた意味合いのほかに、「わたる」「あわせる」といった意味も含まれます。そのため、「兼ねて」は、現在では以下のように主にふたつのことを合わせる意味で使用できる言葉です。
・お祝いを兼ねてご挨拶に参りました。
・お礼とご挨拶を兼ねて、ぜひお伺いできればと存じます。
・休憩室と会議室を兼ねてスペースを設けました。
・新入社員の親睦会も兼ねて、当日は〇〇へ集合しましょう。
・趣味と実益を兼ねて副業に取り組んでいます。
漢字表記は「予て」が一般的
「兼ねて」は「予て」に比べると、幅広い意味で使用できる表記です。その分、「前もって」なのか「あわせる」なのか、意味合いが紛らわしいという一面もあります。基本的には、「予て」「兼ねて」どちらでも間違いはありません。
しかし、「前もって」という意味を伝えるのであれば、「予て」を使用するのが無難です。読む相手が、文章の内容をシンプルに理解できるというメリットもあります。
「予て」の類語や言い換え表現
「予て」には、以下のような類語や言い換え表現を用いることができます。言葉のバリエーションを増やしておけば、さまざまなシーンで適切な敬語を使えるようになりますよ。
「前もって」
「前もって」は、「以前に」「先立って」という意味合いを持つ「予て」の類語です。「より早い段階」または「今より前の段階」に準備していたことや、認識していたことなどを表します。
(例文)
・予定に間に合わない場合は、前もってご連絡いただけますと幸いです。
・前もって準備していたおかげで、当日は慌てずにすみました。
「あらかじめ」
「あらかじめ」の漢字表記には、「予て」と同様に「予」を使用します。「予め」と書き、将来を予測して物事を行う様子を表す言葉です。ビジネスシーンでも頻繁に用いられる表現になります。
(例文)
・応募多数の場合は抽選になります事、あらかじめご了承いただけますと幸いです。
・あらかじめ連絡頂戴できますと、当日スムーズにご案内できるかと存じます。
「疾っくに」
「予て」の類語である「疾っくに(とっくに)」は、指定された時間よりも前に物事が完了していたことを意味します。
(例文)
・課題は山積みだと思っていたが、気付けば疾っくに完了していた。
・その問題は、疾っくに終わった話だと思っていました。
「かねがね」
「かねがね」は、漢字で「兼ね兼ね」または「予予」と書きます。以前から継続し、度々行われている様子を表す言葉です。
(例文)
・ご活躍の噂は、かねがねお伺いしておりした。
・確認の重要性はかねがね認識しております。