町中での経験すべてが言語力アップに繋がっていた日々
台湾に渡り、CAになるまでの3か月の訓練期間中は、空港近くにある会社の寮に寝泊まり。週5日、朝から夕方までは同じく会社の敷地内にある訓練センターで授業を受けるというもろ学生生活を送っていました。
そんな私たち訓練生の楽しみは、町中での買い物。つたない中国語で「一個這個 (これひとつ)」とか「有大的嗎 (大きいのありますか)」とか「我要黑色的 (黒いのが欲しいんですけど)」とか、何とか欲しいものを手に入れていました。
台湾の店舗の多くは看板にしてもポスターにしても日本よりもカラフルに仕上げてあるところが多いのですが、その中でも目立つのが数字でした。「八折」とか「打九折」とか大々的に窓に貼ってあり、中国語がわからなかった私たちでも絶賛大放出中なんだろうなということが見てわかりました。
中国語で「打折 (Dǎ zhé)」は「割引」の意味
セール中で「打八折」、「八を打って折る?」ということは、80%オフ!?!? すごいお得じゃん! ということで、私はとある靴屋さんで可愛らしいつっかけを購入することにしました。
元値は台湾ドルで399ドル、当時日本円で大体1,200~1,400円くらい。…のはずがお会計時、お店のおばちゃんにいわれたのが「好 那這樣打八折的話是 … 三百二」。「えっと、三百二ってことは、ん? 320ドル??」このとき、私は「八を打って折る」は「元値の八割の払う」ということを察しました。
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その後すぐに新人CAがいちばん最初に担当することになる「機内免税品販売」の授業を受けたことで、割引のいい方をマスターしました。
「買兩個東西 可以打八五折喔 (2製品お買い求めで15%オフになりますよ)」
「香菸不能打折 (タバコは割引対象外なんです)」
機内で幾度となく使った「打折 ((Dǎ zhé))」という言葉は、「とにかくいちばんお得な方法でものを購入する」という精神をもつ台湾人を相手に商売をする上では、欠かせない言葉なのです。
【続】
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美容ライター
有田 千幸
外資系航空会社のCA、建築設計事務所の秘書・広報を経て美容ライターに。ニュージーランド・台湾在住経験がある日・英・中の トリリンガル。環境を意識したシンプルな暮らしを心がけている。プライベートでは一児の母。ワインエキスパート。薬膳コーディネーター。@chiyuki_arita_official「