忌の読み方や意味
忌は音読みが「キ」、訓読みが「い・む」「い・まわしい」です。意味としては、以下の3つがあります。
いむ。いまわしい。きらう。
使用例:忌避・忌憚・禁忌
いみ。喪に服すこと。
使用例:忌中・忌引
死者の命
使用例:忌日・年忌
忌には「いまわしい」「きらう」の意味以外に、「喪に服すこと」や「死者の命日」という意味が込められています。そのため「一周忌」のように法要でも使用される漢字です。
葬儀における忌を使った言葉
葬儀では「忌日」「忌中」といった言葉が使用されます。忌日とは故人が亡くなった日を指し、忌中は忌日から四十九日までの期間のことです。
忌日を基準に法要が行われるため、あらかじめ理解しておくとよいでしょう。ここでは葬儀における忌の使い方や意味を解説します。忌中と間違いやすい「喪中」の意味も併せて理解しておきましょう。
・忌日とは故人が亡くなった日
忌日とは故人が亡くなった日のことで、一般的には「命日」とも呼ばれています。仏教では忌日を基準に法要を行う習慣があり、この法要のことを「忌日法要」または「年忌法要」と呼ぶことも覚えておきましょう。
忌日法要は故人を悼み、極楽浄土へ行けるように願うためのもので、行われる周期によって意味が異なります。例えば「四十九日(しじゅうくにち)」であれば、故人の魂が仏として極楽浄土に受け入れられる日といわれているのです。
・忌中とは喪中の一部
忌中とは四十九日が終わるまでの期間のことで、喪中は一周忌法要が終わるまでの期間を指します。つまり喪中に忌中が含まれることになり、期間が異なる点を理解しましょう。
忌中と喪中は期間が異なるだけではなく、過ごし方のマナーが少し違います。例えば忌中は神社への参拝を控えるべきと考えられていますが、喪中であれば問題ないとされているのです。ただしともに喪に服す期間であるため、結婚式やお正月といったお祝い事は避けましょう。
忌を使った熟語3つをご紹介
忌は葬儀以外でも使用され、「忌憚」「忌避」「禁忌」といった「きらう」の意味を込めた熟語があります。忌憚には「いみはばかること」、忌避には「きらって避けること」、禁忌にはしてはいけないこと」の意味があり、正しい使い分けができるように意味を理解しましょう。
ここからは「きらう」の意味を込めた熟語を3つご紹介します。使い方の例も解説しているため、併せて参考にしてみてください。
忌憚とは「いみはばかること」の意味
忌憚は「きたん」と読み、「いみはばかること」や「遠慮すること」という意味です。忌憚は否定語と一緒に使用されることが一般的で、「忌憚のない」「忌憚なく」と表現されます。「忌憚します」「忌憚する」とは使用しないため、注意しましょう。
【例文】
・新製品について、忌憚なくお申し付けください。
・プロジェクトの問題点を解決するためにも、忌憚なきご意見をお聞かせください。