忌避とは「きらって避けること」の意味
忌避は「きひ」と読み、「きらって避けること」を意味します。例えば害虫を駆除するために使用する忌避剤は、「嫌な害虫を寄せ付けない薬剤」という意味があるのです。
ほかにも法律用語としての役割を持ち、訴訟事件に関して裁判官や裁判所書記官に不公平なことをされる恐れがある場合、当事者の申し立てによって裁判官や裁判所書記官を事件の職務執行から排除するとの意味があります。
【例文】
・夏になると庭先に害虫が集まってくるため、忌避剤を散布することにした。
禁忌とは「してはいけないこと」の意味
禁忌は「きんき」と読み、「してはいけないこと」や「忌みきらって慣習的に禁止したり避けたりすること」の意味で、タブーや禁句、控えるなどが類義語にあたります。ほかにも「人体に悪影響を及ぼす危険がある薬剤の配合や治療法を避けて行わないようにすること」といった意味を併せ持っているのです。
【例文】
・妊娠中の方が、レントゲンを使用することは禁忌である。
忌には「うやまう」の意味もある
忌は「うやまう」の意味を併せ持っていることから、故人が亡くなったときや法要などで「忌」という字が用いられています。故人に対して、「別れを惜しみながら、故人の生涯をおうやまいする」という思いを込めて使用しているのです。
地域によっては誰かが亡くなった際に、家の入口に「忌」と書かれた紙を貼る習慣があります。この張り紙にも「きらう」という意味ではなく、「うやまう」という気持ちが込められているのです。
忌の正しい使い方を学ぼう
忌には「きらう」「喪に服す」といった意味があります。使用例としては「忌憚」「忌避」「禁忌」などです。どれも否定的な意味を持つため、間違った使い方をしないようにしましょう。
葬儀で使用される言葉には「忌日」「忌中」があり、どちらも故人をうやまう気持ちが込められています。使い方によって異なる意味を持つため、用途に合わせた正しい使い方を理解することが大切です。
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