家族の質を上げるのは、当たり前でシンプルなこと
共働きが当たり前となり、子どもたちも習い事や塾など、今どきの家族は昔に比べて一緒に過ごす時間が減っていると言われています。当然ながら家族は大切で、仲のいい家族関係を築いていきたいもの。スクールカウンセラーでもあり、臨床心理士・吉田美智子さんに「家族の質の上げ方」についてお聞きしました。
笑顔で言ってますか?「いってらっしゃい」「お帰りなさい」
お互いが忙しくなかなか長い時間を共有するのが難しいというご家庭も多いのではないでしょうか。すれ違いや、不仲にならないためにもぜひ再確認してもらいたいことを2つご紹介します。
1:後悔のないよう、笑顔で『いってらっしゃい』
親にとって朝はとにかく慌ただしく、子どもが準備に手間取っていたり、朝になってアレがない・コレがないと言われると、どうしてもイライラしてしまいます。その気分を引きずったまま子どもに『いってらっしゃい』を言っていませんか?
ムスッとした顔で『いってらっしゃい』を言ってしまい、後悔したこともあるかもしれません。忙しい朝に『だから言ったでしょ』とお説教をしても、実は効果が得られないのです。それよりも【朝は過保護になる】と決めて、あれこれ手伝いをしながら、笑顔で家を送り出しましょう。笑顔で『いってらっしゃい』を言われた子どもは、心が安定し、自信ややる気に満ちて一日をスタートできるはずです。
2:時間がなくても『お帰りなさい』は機嫌よく
共働き家庭も多くなり、親が家で子どもを迎え入れるパターンだけでなく、その逆のパターンもあるかと思います。どちらであっても『ただいま・お帰りなさい』も笑顔が大切です。ワーママであれば仕事で疲れて帰ってきて、夕飯の支度やお風呂の準備など、夕方は朝同様慌ただしくなると思います。
しかし、イライラ・バタバタした状態で『ただいま・お帰りなさい』を言ってしまうと、家が居心地の悪い存在になってしまいます。宿題をやっていなかったり、約束事が守られていなかったとしても、この挨拶の時だけは脇に置いておきましょう。
学校でも笑顔で「いってらっしゃい」を勧めています
仕事柄、校長先生とお話をする機会があるのですが、やはり先生も笑顔で「いってらっしゃい」を推奨しています。子どもたちは家を出発した時の気分を引きずりがちです。朝、家庭で小言を言われてから出発している子どもは学校でもイライラしたり、トラブルを起こす割合が多くなります。学校で嫌な思いをして帰って来れば、当然家でも不機嫌な態度でいます。
その姿を見て、適切なケアができる余裕があれば良いのですが、夕方の忙しい時間帯に時間を割くのは難しく、親もイライラしがちに。これでは家族の質が上がりませんよね。笑顔の『いってらっしゃい』はシンプルですが、効果は絶大です。是非、朝のルーティンを見直してみてください。
画像/(C)Shutterstock.com
取材・文/福島孝代
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臨床心理士
吉田美智子
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