Summary
- すぐに泣く人は、「感受性が強い」「心の境界線が薄い」など、さまざまな理由がある
- 改善するには、自分の感情をうまく表現する方法を見つけて、ストレスを溜めないようにしよう
すぐに泣いてしまう、涙もろいのは悪いこと?
泣いてはいけない場所やシーンで、涙がポロポロ溢れてしまった経験がある方はいませんか。子どもが泣いている姿に見慣れていても、大人が泣いていると「どうしたのかな?」と心配になってしまうものです。また職場の空気が悪くなったり、腫れ物に触るような対応をされたり、「泣けば済まされると思ってズルイ」など、心ない声が耳に入ることもあるかもしれません。
子どもの頃から泣き虫だった、歳を重ねるほど涙もろくなった、元々の気質やホルモンバランス、鬱の初期症状など「すぐ泣いてしまう」大人の背景には、多くの理由がありそうです。涙もろいことを自覚していて、悩んでいる人も多いよう。シチュエーションはさまざまですが「すぐ泣く人」の特徴、心理状況に触れながら改善の方法を探っていきましょう。
HSPの可能性
まず注目したいのが、最近耳にする機会が増えている「HSP」という性質。これは、とても神経が細やかで感受性が高い人物を表す心理的な概念で、アメリカの心理学者 エレイン・N・アーロン博士によって提唱されました。その特徴の中に感受性、想像力が豊かな反面、傷つきやすいという性質があります。
「アメリカの心理学の研究者、エレイン・N・アーロン博士が、HSP(ハイリー・センシティヴ・パーソン、ひといちばい繊細な人)という気質について唱えています。アーロン博士は『5人に1人程度の割合で、人一倍敏感な人がいる』と言っておられ、HSPは日本でも知られるようになってきました。特徴は〝 小さな違いに気づきやすく、感じやすい〟〝 感情が豊かで共感力が高い〟〝 深く考える〟です。このような気質は生まれつきであり、私たち人間が生き延びるために必要な多様性であるといわれています」(臨床心理士・吉田美智子さん)。
▼HSPに関してこちらの記事をチェック
【質問】泣きたくないのに泣いてしまうことはありますか?
あなたは、泣きたくないのに涙がでてくることはありますか?女性100人にリサーチしてみました。
・ある…21.2%
・ない…78.8%
※アンケートは30~45歳の日本全国のワーキングマザーを対象にDomani編集部が質問。調査設問数10問、調査回収人数118名。
泣きたくないのに泣いてしまうこと「ある」と答えた人は21.2%。では、どのようなシチュエーションで、自分の気持ちとは裏腹に涙が出てしまったのでしょうか。体験談もご紹介します。
体験談
・テレビを観ていて泣くような場面ではないのに自然と涙がでてきた(40代・福島県)
・自分の子育ての話をしているとき(40代・大阪府)
・自分の感情を伝えるときに泣いてしまいます(30代・山梨県)
・辛いことがあったときに、泣いても何も解決しないのは分かっていたけど気づいたら泣いてしまっていた(30代・千葉県)
・生理中は涙もろくなる(30代・神奈川県)
すぐ泣いてしまう人の特徴
涙が出てくる時のパターンについて、いくつかチェックしていきましょう。
何事にも感動しやすい
上記で触れた「HSP」タイプの人にも当てはまりますが、感受性が強く、美しい作品に触れたり素敵な音楽を聴いた時などに、感情が揺さぶられて幾度となく涙が出てしまいます。また年齢を重ねるほど涙もろくなってきたという人も多く、歳と共に経験値があがって想像力が高まったり、ホルモンバランスなどが影響しているという場合もあるでしょう。生理前後だけ妙に涙もろくなる人もホルモンバランスが関係しているようです。
大切なことを伝える時に泣いてしまう
会議での大切な発言やプライベートの会話になると、なぜだか涙が出てきてしまうというタイプも。子どもの頃から、自分の発表の順番になると声が震えて涙が…という長年の悩みを抱えている人もいるようです。口を開くと泣いてしまいそうになるので、自分の気持ちを押し込んでしまう癖がつき、ますます本心を話すのが苦手になることもあるようです。
想像力があり、共感してしまう
こちらも「HSP」の気質に含まれますが、相手との心の境界線が薄いので人の話を聞いているうちに共感し、感極まってしまうというもの。自分の体験でなくても想像力がありすぎて、涙が出てきてしまいます。