収入激減と同時にモラハラが激しくなった夫
ミウさん(仮名・39歳女性)の夫は45歳で、夫婦の間には子どもがふたりいます。ここ最近、収入が激減したことにより夫婦仲は悪化し、家の中でも口論が増えているところに、夫からのモラハラがひどくなり、ミウさんのメンタルは限界に近づいています。
「もともとモラハラっぽい気質の夫ではありましたが、収入が減ってからは苛立ちを私にぶつけるかのように、モラハラがひどくなりました。今となっては私が夫の2倍近くの稼ぎがあるために、彼はコンプレックスをごまかすために私を攻撃して、自尊心を保とうとしているように見えます」
ミウさんからは、夫のモラハラの内容も日ごとにエスカレートしているように見えるとのこと。攻撃してくる対象は、ミウさんの家事の仕方や性格、さらには生活態度にいたるまで幅広いそうです。
「それで、困り果てて義母に相談したんですけど…。モラハラのことを伝えた途端に、義母の私への態度も変わってしまい、さらに困る事態に陥ってしまいました」
息子が「モラ夫」であることを頑なに認めたがらない義母
「もともと義母とはいろんなことを話す仲だったので、夫のモラハラについても、義母からそれとなく注意してもらえたら良いなと思っての相談でした。ところが、モラハラを伝えたときだけは義母の様子がこれまでと違って、『あなたの被害妄想なんじゃないの?』とか『息子は気が強いところがあるけれど、誰かを攻撃するような男ではない』などと、息子が“モラ夫”であることを過剰に否定するんです」
予想外の義母の態度に戸惑ったというミウさん。しかも、ミウさんがその話を義母にしたことが夫に知られてしまい、更なるモラハラ被害に遭い始めているのだそう…。
「夫の収入激減のことも、正直子どもの教育費などを考えると、頭が痛い問題です。生活はなんとかできるけれど、息子や娘の教育に関して、このままでは計画通りに進めることも難しいかもしれないってくらい深刻。だから義母にそのことも話したのですが、お金の話からは完全に逃げるし、夫のモラハラも認めないしで、ため息しかありません」
夫の問題では義母を頼りにしていただけに、まったく頼りにできない義母の様子に困り果てているというミウさん。そうしているうちにも、夫のモラハラは激しさを増す一方で、家にいても気持ちが休まるときがないそうです。子どもたちも夫婦関係の変化を感じているようで、成績が下がってきているだけでなく情緒不安定な様子も見受けられ、なんとかして平穏な家庭を取り戻せないかを模索したいとのことでした。
夫婦関係に問題が生じたときに、手のひら返しをする義母もいます。頼りにしていた義母がまったくアテにできないどころか、義母の言葉までもが妻のストレスになるようであれば、義母とは心理的に距離を置くほか、夫婦間の問題が深刻化する前に、妻側の実家にも相談して力を借りてみるのも一案でしょう。夫の問題を自分の実家に話すのをためらってしまう女性も少なくないのですが、問題が大きくなる前に手を打つためには身近な誰かの助けがあったほうが早い場合も少なくありません。
取材・文/並木まき
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