「艱難辛苦」の意味や読み⽅とは?
「艱難辛苦」という四字熟語を、今初めて目にした方もおられるのではないでしょうか。普段見慣れない「艱」という漢字を使っているので、余計に使いにくい印象があるかもしれません。そこで、読み方、意味、由来、そして例文を含めて紹介しますので、覚えて使ってみましょう。
読み⽅と意味
「艱難辛苦」は、「かんなんしんく」と読み「とてつもない困難に直面し、苦しみ悩むこと」という意味になります。また、「大変な苦労」そのものを指すのにも、使える四字熟語です。漢字が難しく、使いにくそうですが、意味を考えると、使う機会がありそうですね。
由来
「難しい、苦しむ」という意味の「艱」と「難」の合わさった「艱難」という言葉と、「辛く苦しい」と文字通りの意味の「辛苦」の2つの言葉から出来ています。2つとも同じ意味を持つ言葉を重ねることで、ニュアンスをさらに強調している四字熟語です。
なお、「艱難」を「困難」と間違えて覚える人も多いようですが、「困難辛苦」という言葉はなく、「艱難辛苦」ですので、誤用しないように覚えておきましょう。
また、「艱難辛苦汝を玉にす」「困難汝を玉にす」という言い回しは、誤用です。正しくは、「艱難汝を玉にす」で、「かんなんなんじをたまにす」と読みます。西洋のことわざ「Adversity makes a man wise.(逆境は人を賢くする)」を意訳したもので、「苦労や困難を乗り越えることで、立派な人になる」という意味です。合わせて覚えておきましょう。
使い⽅を例⽂でチェック
それでは、使い方を例文で、確認していきましょう。
「エベレスト登山は、艱難辛苦な道中だった」
「大変な苦労」そのものにも使える「艱難辛苦」。この例文はその用法です。道中そのものが大変険しく苦労も多く、また突発的な事故などがいつ起こってもおかしくない、そんな苦労を表現するのに使えます。
「艱難辛苦を乗り越えて、今私はここにいる」
この例文は「困難に直面して苦しんだ自分」と「大変な苦労の背景」のどちらのニュアンスも含んでいます。このように、人が大きな困難に直面して、悩み苦しむ様にも使えますし、悩み苦しむような環境や生い立ちやを指すことにも活用できます。