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「旧態依然」の意味や読み⽅とは?
ビジネスシーンやニュース番組などで、時々耳にする四字熟語「旧態依然」。改めて意味や読み方から、おさらいしましょう。
読み⽅と意味
「旧態依然」は「きゅうたいいぜん」と読みます。「旧態依然」の「旧態」とは「昔からの状態、ありさま」や「以前のまま」という意味です。一方、「依然」は、「元あるまま」「前の通りであるさま」という意味を持っています。
会話で使う際には問題ありませんが、文字に表す際は「依然」を「以前」としてしまわないよう、注意が必要です。それぞれの言葉を合わせた「旧態依然」とは、「昔のままの状態で、成長や改善が見られない様子」という意味になります。
ビジネス等で使う時の注意点
ビジネスシーンにおいて、「旧態依然」という言葉を使う時は、「昔のままで進歩が見られない様子」という意味から派生して、「古い体制やしきたりに縛られて、少しも変化がなされない状態」を指します。
つまり、会社の仕組みや経営方針が古臭く、時代遅れであることを批判して使う言葉なのです。「昔のこと」という意味だけではないため、使う際は気を付けましょう。
「旧態依然」と「旧態然」の違いとは?
「旧態依然」をインターネットで検索しようとすると、「旧態然」という言葉がヒットすることがあります。「旧態依然の略語か類語?」と思うかもしれません。しかし、辞書に「旧態然」という言葉は存在しません。
「旧態依然」という言葉が使われる中で、間違った使い方をしている人が増えたために、このような言葉が生まれてしまったのかもしれませんね。「昔のままの状態で、成長や改善が見られない様子」を表したいときは、「旧態然」ではなく、「旧態依然」を使うようにしましょう。
使い⽅を例⽂でチェック
続いては「旧態依然」の使い方について紹介します。どうしても四字熟語は会話で使いにくく、敬遠されがちです。ぜひ参考にしてください。
「結婚したら、家事は女性がするものだという旧態依然の考え方が未だにまかり通っていて嫌気が差す」
この例文は、「家事は女性がするものである」という昔からの習慣やしきたりに対して「時代遅れである」と批判する例文です。このように、ビジネスシーンだけでなく、習慣やしきたりなど文化的な出来事に関しても、「旧態依然」という言葉を使うことが出来ます。
「今の官僚たちが変わらない限り、この旧態依然のシステムは変わらないだろう」
「旧態依然」という言葉は、様々な場面で使うことの出来る言葉です。今まで、ビジネスシーンや習慣、しきたりについて言及してきましたが、政治のシステムについても「旧態依然」であると批判する場合があります。
「会社の旧態依然な方針に辟易としてしまい、さっさと退社して自分で起業することにした」
「旧態依然」は、後ろに「な」という送り仮名を付けることで、形容詞的に用いることが出来ます。ちなみに、「辟易」は「へきえき」と読みます。「ひどく迷惑すること」、「うんざりすること」、「嫌気がさすこと」という意味があり、「旧態依然」な出来事にうんざりした気持ちを表す際、よく使用されます。
類語や⾔い換え表現にはどのようなものがある?
「昔のままの状態から変化せず、成長や改善が見られない様子」を表す「旧態依然」。似たような意味を持つ言葉には、どのようなものがあるでしょうか。
時代錯誤
「時代錯誤」は「じだいさくご」と読みます。まずは、「錯誤」の意味を辞書で確認しましょう。
1. まちがうこと。まちがい。誤り。
2. その人の認識と客観的事実が一致しないこと。
3. 民法上、意思表示をしたものの内心の意思と表示行為がくいちがっていることを表意者自身が知らないこと。
(小学館『デジタル大辞泉』より)
つまり、「時代錯誤」とは、「人の考え方、言動がその時代の傾向に合っていないこと」という意味になります。
「旧態依然」もその時代に合っていない古い感覚のことを指すため、類語といえるでしょう。また、「時代錯誤」は、「時代錯誤も甚だしい」という表現でよく使われます。