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2024.05.18

「匙を投げる」の「匙」って何? 語源や使い方、言い換え表現をチェック

「匙を投げる」とは何かを諦める際に使う言葉で、「見込みがなくて手を引く」という意味があります。江戸時代の医者が使用していた薬匙(やくさじ)に由来しており、適切な調合ができずに匙を投げる様子から生まれました。本記事では正しい意味や使い方などを紹介します。

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本を読んだり、映画のセリフで「匙を投げる」という言葉を聞いたことはありませんか? 普段あまり使うことがない表現なので、どういう意味だろうと思う人もいるでしょう。本記事では、「匙を投げる」の意味や語源、使い方や類語を解説します。

「匙を投げる」の意味と語源

匙を投げる」は「さじをなげる」と読み、見込みがないと諦めて手を引く様子を表します。文字通り、匙を投げる動作から生まれた慣用句ですが、この場合の「匙」は食事用のスプーンのことではありません。

匙を投げる」の語源は「薬匙(やくさじ)」であり、医者が使う道具のことです。

「匙を投げる」の意味は「見込みがなくて手を引く」

まずは、辞書で意味を確認しましょう。

【匙を投げる:さじをなげる】
《薬を調合するさじを投げ出す意から》医者が、これ以上治療法がないとして病人を見放す。また、救済や解決の見込みがないとして、手を引く。「名医も―・げるほどの難病」
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

「匙を投げる」は、見込みがなくて手を引くという意味をもつ慣用句です。主に2つのパターンがあり、一つは医者が病気の治療を断念し、治る見込みがないと諦めることを指します。

もう一つのパターンは、医者かどうかにかかわらず、努力しても成功する見込みがないことから手を引くという意味です。「匙を投げる」は日常会話でも使われるほか、ビジネスシーンでも登場することがあります。

医師

(c) Adobe Stock

「匙を投げる」の語源は、「薬匙」

「匙を投げる」の語源である「薬匙」とは、医者が使う道具の一つで、使用用途は薬の調合です。江戸時代、医者は自ら薬を調合し、手術ではなく主に薬を用いて病気の治療を行っていました。

時には病気の治療に効果のある薬を調合できず、薬匙を投げてしまうことも。その様子を比喩して生まれたのが「匙を投げる」という表現です。その比喩が転じて、見込みがなくて諦めることを表す際に「匙を投げる」を使うようになったといわれています。

「匙を投げる」の使い方と例文

「匙を投げる」は、何かを諦める際に使える言葉です。病気の治療に関することだけではなく、仕事をしていて思うように結果が出せないときや、これ以上方法が見つからないときなどにも使えます。

「匙を投げる」の具体的な使い方を例文で確認しましょう。

・回復の見込みがないと主治医に【匙を投げられた】が、まだ諦めるつもりはない。
・この程度の失敗で、【匙を投げる】わけにはいきません。
・若かりし頃、仕事の途中で【匙を投げて】しまったことが、今でも悔やまれます。
・協力が得られないからといって、途中で【匙を投げて】しまうなんてあなたらしくないよ。

「匙を投げる」の言い換え表現2つ

「匙を投げる」の言い換え表現は、主に以下の2つです。

お手上げ
・万策尽きる

似た意味を持つ2つの言葉
  1. お手上げ
  2. 万策尽きる

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