「ご注意ください」の正しい使い方とは?
「ご注意ください」は、日常生活でよく耳にする言葉です。例えば駅のホームや乗り物の中で、あるいは遊園地やイベント会場でも使われていますね。しかし、一部の職業や職種を除けば、言われることはあっても、使うことは少なかったりしませんか?いざという時の為に、さまざまなシーンでの使い方をご紹介します。改めて確認していきましょう。
改めて言葉の意味を確認
「注意」の意味は「意識をそこに向けること」「気をつけること」「用心すること」「警戒すること」などです。したがって「ご注意ください」の意味は「気をつけてください」となります。
「ご注意ください」は接頭語の「ご」を「注意」の前につけて、「くれる」の尊敬語「くださる」を「ください」と命令形にしたもの。日常的に使われているため特に気にかけないかもしれませんが、「ご注意ください」は命令形の言葉です。親が子供に「片づけなさい」と言うのと同じで、丁寧ではあるけれども、あくまでも命令の一種であると覚えておきましょう。
ビジネス等で使う時の注意点
「ご注意ください」は、敬語ですのでビジネスの場面や、目上の人にも使えます。ですが、少し一方的な感じがするので、時と場合によっては他の表現の方が無難でしょう。例えば、会話や電話での応対では、「ご注意ください」は丁寧な対応といえます。けれども、ビジネスメールなどでかなり目上の人に送る際などは、避けたほうがいいかもしれません。
「ご注意くださる」という尊敬語に、「ます」という丁寧語の命令形「ませ」を使い「ご注意くださいませ」や、「ご注意いただければ幸いです」とすると、より丁寧な表現になりますね。
ちなみに「ご注意してください」は、間違った日本語です。使用しないように気をつけましょう。
使い⽅を例⽂でチェック
それでは、身近で使われている「ご注意ください」を、例文と共に見ていきましょう。
「扉が閉まります。ご注意ください」
電車やバスを利用すると、必ず聞くフレーズですね。これは注意を促したい相手に使う一般的な言い回しとなります。もちろん、乗り物に関わる注意だけでなく、雨の日に足元が悪い時などにも使えます。一番基礎的な表現です。
「不審な電話にご注意くださいませ」
「ご注意ください」よりも、柔らかく感じさせる言い回しです。丁寧語「ます」の命令形「ませ」を使用していますが、受け取る側も優しく感じるのではないでしょうか。
「お手荷物にご注意いただければと存じます」
最後に紹介するこちらの例文は、命令形ではなく、お願いを促す敬語です。目上の人に対してや、より丁寧に優しく感じさせたい時に使うと良いでしょう。「~してもらう」の謙譲語である「ご~していただく」に仮定の「れば」と、同じく謙譲語の「存じる」に丁寧語の「ます」で「注意して貰えたらと思う」を表現しています。
類語や⾔い換え表現にはどのようなものがある?
類語や言い換え表現はどのようなものがあるのでしょう。確認してみましょう。
「ご留意ください」
「留意」は、「りゅうい」と読みます。意味は、「ある物事に気をつける、心に留めておくこと」です。「注意」には警戒心や対象物に神経を集中させるという意味を含みますが、「留意」は「注意」よりも長く心に留めて気にかけておくという意味になります。それぞれの微妙なニュアンスに気をつけて、使い分けをしましょう。
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