「滅茶苦茶」の意味や語源とは?
まずは「滅茶苦茶」の読み方や意味、語源から確認していきましょう。
意味や語源
「滅茶苦茶」と漢字で表すと難しい言葉のように見えますが、日常でよく使われる「めちゃくちゃ」を漢字で書くと「滅茶苦茶」となるのです。「滅茶苦茶」の意味は、「まったく筋道が通らないこと」、「前後を考えずに事を行なうこと」、「度を越していること」、また、そのさまです。
具体的には、「滅茶苦茶な言い訳」なら、「まったく筋道が通らない言い訳」という意味となり、「滅茶苦茶な要求」なら、「度を超している要求」という意味に。
また、関西地方の話し言葉に「めっちゃ」というものがあり、この「めっちゃ」も漢字で表すと、「滅茶苦茶」の「滅茶」と同じ漢字になります。
関西弁の「めっちゃ」は、「ものすごく」という意味で使われ、「今日はめっちゃ忙しかったわ」というような使い方がされます。これくらいなら、他の地方の人にも理解できると思いますが、この「めっちゃ」に更に関西弁が1つ追加され、「今日はめっちゃしんどかったわ」となると、少し混乱する人もいるのではないでしょうか。関西弁の「しんどい」は、「大変」、「つらい」、「きつい」という意味で使われる方言で、「今日はめっちゃしんどかったわ」は、「今日はとても大変だったわ」という意味にあたります。
話が少し逸れましたが、「滅茶苦茶」の解説に戻りましょう。「滅茶苦茶」の語源はどのようなものでしょうか。中国の故事を紹介しながら説明したいところですが、実は「滅茶苦茶」という漢字には、特に意味はないといわれています。また、「滅茶苦茶」の「滅茶」は、「無茶」が変化したものともいわれています。
「無茶」の語源は?
「滅茶」に語源がないというのならば、「滅茶」へと変化する前の「無茶」の語源を辿ってみましょう。「無茶」の語源には諸説あり、主に以下の2つがよく聞かれる説です。
1つ目は、仏教用語の「無作(むさ)」、もしくは、古語の「むさと」だとする説です。「無作」は「人為的な働きのないこと」、「自然のまま」という意味で、「むさと」は「むやみに」、「うっかりと」という意味です。
2つ目の説は、「客人に茶を出さない(無茶)」と、「出した茶が苦い(苦茶)」がくっついてできた言葉という説です。相手にお茶を出さない、出しても苦いお茶という失礼な行為で、これが転じて、デタラメな事を意味するようになったというものです。
また、「無茶苦茶」という言葉の後半の「苦茶」は、「茶が苦い」という意味ではなく、単に前半の「無茶」を強めるために添えた語だという説もあります。
どちらにしても、「滅茶苦茶」は、中国の孟子や孔子の言葉でもなく、古い歴史書に書かれている難しい漢文が語源というわけでもありません。カジュアルな場で気軽に使える言葉ですが、逆に、目上の人に使う言葉としては適切ではありませんので、その点は注意するようにしましょう。
類語や言い換え表現とは?
「滅茶苦茶」の類語・同義語にはどのようなものがあるかを、チェックしていきましょう。
むちゃくちゃ(無茶苦茶)
「無茶苦茶」は、「滅茶苦茶」の変化前の言葉なので、「滅茶苦茶」の同義語と言えます。最初に、「めっちゃ」という関西弁を説明しましたが、「むっちゃ」という関西弁も存在します。使い方は「めっちゃ」と同じで、「今日はむっちゃしんどかったわ(今日はものすごく大変だったわ)」となります。関西弁で使われる「めっちゃ」と「むっちゃ」には、とくに優劣はありません。
はちゃめちゃ(破茶滅茶)
「破茶滅茶」も、発音が違うだけで、「滅茶苦茶」の類語です。