書類の手続きをする際に、時折用いられる捨て印。普段何気なく押しているけれど、その役割や使い方をよく把握していないという人も多いのでは? そこで、この記事では、捨て印の基本から活用法、注意点までをわかりやすく解説します。捨て印のメリットやデメリットを知って、トラブルを事前に防ぎましょう。
「捨て印」とは?
まずは、そもそも捨て印とは何なのか、またどのような書類に押すものなのかについて確認していきます。
簡易な修正を許可する意思表示
「捨て印」は、「誤字・脱字のような簡易な修正・訂正を許可する意思表示」として押印するものです。
例えば、何らかの店舗を訪れて契約書を作成し、担当者に手渡したとします。帰宅後、担当者から「実は先ほどの書類に記入ミスがありました」と連絡を受けた際、再び店舗まで足を運ぶのは面倒に感じるでしょう。
そんなとき「簡単な修正・訂正であればお任せします」という意思が示された捨て印が押印されていれば、わざわざ足を運ばなくても担当者の手で書類の修正が可能になります。
捨て印は、事務処理上の手間を省くための予防策として、広く利用されているものなのです。
捨て印を押す書類の例
捨て印を押す書類には、さまざまなものがあります。以下、捨て印が必要となるケースが多い書類の具体例です。
●婚姻届
●出生届
●登記申請書
●遺産分割協議書
●口座振替依頼書
相手方が信頼できる機関・人物である場合、捨て印を押すことに大きな問題はありません。ただし、「委任状」や「売買契約書」のような、使い方によってはトラブルを招きかねないものについては、慎重になる必要があります。
捨て印を押す際は「捨て印を押すことによって、何か問題が起きてしまう可能性はないか」を、あらかじめしっかりと確認しておきましょう。
「捨て印」の押し方や直し方とは?
書類の作成時に捨て印を求められたなら、どんな判子でどのように押印するのが正解なのでしょうか。捨て印の押し方や直し方を紹介します。
捨て印として使える判子
書類の作成に不慣れな人の中には、「捨て印用の判子が必要になるの?」と思うかもしれませんが、実際には必要ありません。捨て印は、署名捺印に使用した判子で行います。
これにより、「署名捺印した本人が簡易な修正を許可します」という意思表示ができますよ。書類によっては実印や認印が使用できますが、シャチハタなどの浸透印は多くの場合使用不可ですので避けたほうがいいでしょう。