「神出鬼没」ってどんな言葉?
突然現れては、すぐに消えてしまう人のことを指して「あの人って神出鬼没だよね」などと表現します。この「神出鬼没」という言葉について、正しい意味をご存じでしょうか。本章では、「神出鬼没」という四字熟語について、言葉の意味や由来を解説します。正しい意味を知ることで、日常会話の中でも、違和感なく使うことができるでしょう。
「神出鬼没」の意味
「神出鬼没(しんしゅつきぼつ)」という四字熟語には、以下のように2つの意味があります。
1.鬼のように、自由自在に出没して、居所が容易にわからないこと
2.非常に素早く現れたり、隠れたりすること引用元:精選版 日本国語大辞典
いつの間にか現れて、またいつの間にかいなくなっている人っていますよね。このように、素早く現れては、消えてしまう様子を「神出鬼没」と表現します。また現れるタイミングが予想できないことから「行動の予測ができない人」といったニュアンスで、用いられることもあります。
「神出鬼没」の由来
「神出鬼没」の由来(語源)を説明するには、かなりの時を遡ります。「神出鬼没」の出典は、中国の『淮南子(えなんじ)』だと言われています。『淮南子』とは武帝時代、淮南子劉安(えなんじりゅうあん)によって書かれた思想書です。その中で、戦いの戦略について記された一節で「神出鬼行(神出鬼没)」という語句が発見されました。
日本では昔から、神様や鬼神は人間を超越した存在であり、その所在をつかむことはできないと信じられていました。人間とは異なる次元におり、何の前触れもなく現れるものとして、認識されていたと言います。このことから「神出鬼没」が、現在の意味で使われるようになりました。
「神出鬼没」の類義語・言い換え表現は?
「神出鬼没」のように、素早く現れては消える存在を表現した言葉は、他にもいくつかあります。これらの類義語を知ることで、さまざまな言い換え表現ができるようになります。もちろん、類義語だけでなく「神出鬼没」であることを表現する方法は、他にもあります。本章では、「神出鬼没」の類義語と合わせて、言い換え表現についても解説していきます。
「神出鬼没」の類義語
「神出鬼没」と似た意味で使われる言葉には、以下のようなものがあります。
・出没自在(しゅつぼつじざい)
・鬼出電入(きしゅつでんにゅう)
・神変出没(しんぺんしゅつぼつ)
「出没自在」とは、自由に登場したり隠れたりできる様子を表した四字熟語です。「神出鬼没」とほぼ同じ意味で用いられています。「鬼出電入」は、目にも留まらぬ速さで現れ、そして消えていく様を表現する言葉です。最後の「神変出没」は、人間に計り知れない、または予測できないような変化を遂げるものを指して使われます。