「触らぬ神に祟りなし」の意味は「余計な災いを避けること」
「触らぬ神に祟りなし」は余計な災いを避けることを意味します。「神に触れなければ、面倒事に巻き込まれない」ことを指すことわざです。
【触らぬ神に祟りなし】さわらぬかみにたたりなし
その物事にかかわりさえもたなければ、災いを招くことはない。めんどうなことによけいな手出しをするな、というたとえ。
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
ちょっとしたことだからと手を貸し、トラブルに巻き込まれてしまうことを避けるときに用いられます。「大きな力を持った神様だとしても、縁もゆかりもない人には危害を加えられない」という考えから、積極的に他人へ関わらず、災いを避けることを表現しているのです。
「触らぬ神に祟りなし」の由来は「御霊信仰」
「触らぬ神に祟りなし」は、「御霊信仰(ごりょうしんこう)」が由来です。「御霊信仰」とは、現世に不満を持ちながら亡くなってしまった人や不幸な最後を迎えた人の霊が「祟り神」となって災いをもたらすと考えた信仰です。
「御霊信仰」が持て囃された頃に「霊は祟りや災いをもたらすため、関知しない方がよい」という言い伝えが広がったことで、「触らぬ神に祟りなし」が誕生したとされています。
「触らぬ神に祟りなし」で表現されている神は、神仏のような絶対的な神ではなく、災いをもたらす怨霊や幽霊など、亡くなった人の霊魂のことです。
「触らぬ神に祟りなし」の語源は「尾張いろはかるた」
「触らぬ神に祟りなし」の語源は「いろはかるた」です。かるたは地方ごとにさまざまな種類があり、代表的なものでは江戸や上方などのかるたがあります。
「触らぬ神に祟りなし」の語源は「尾張いろはかるた」から取られており、他にも「桃栗三年柿八年」や「果報は寝て待て」など、一般的によく知られていることわざの語源として有名です。
「触らぬ神に祟りなし」の使い方と例文
「触らぬ神に祟りなし」は「トラブルを避けたいとき」と「自分から厄介なことに深入りし、関わらなくて済む問題を背負いそうなとき」の2つの場面で使えることわざです。
しかし「具体的な使い方について分からない」と感じる方も多いかもしれません。ここでは、「触らぬ神に祟りなし」の具体的な使い方と例文をいくつかご紹介します。最適な使い方を身に付けるためにも、ぜひ参考にしてみてください。
「触らぬ神に祟りなし」の使い方
「触らぬ神に祟りなし」は、トラブルを避けたいときに使うことわざです。
ここでいうトラブルとは「喧嘩を止めようとして八つ当たりされること」や「機嫌を損ねた同僚を励まそうとして、不条理に怒られること」などが挙げられるでしょう。このような目に遭わないように、可能な限り関わらないべきという教訓が示されています。
また、自分から厄介なことに深入りしてしまい、本来であれば関わらなくて済む問題を背負ってしまいそうなときにも使われます。たとえば「迷子を見つけて交番へ連れて行こうとしたが、誤解されて職務質問されてしまった」ときなどに使うことができるでしょう。