「意気揚揚」とは?
「意気揚揚と歩いている」「意気揚揚と話している」というフレーズを聞いたこともあるでしょう。 今さら聞けない「意気揚揚」という言葉について、まずは意味から解説していきます。
意味や読み方
「意気揚揚」は「いきようよう」と読み、意味は「得意げなようす」です。いかにも誇らしそうにしていたり、満足していたりするさまを表します。「意気」とは、「意気込み」や「心もち」という意味で、「揚揚」は「得意げなさま」「誇らしげなさま」という意味です。「意気揚揚」は、この2つを組み合わせた四字熟語になります。なお、「意気揚揚」は、「意気揚々」と書くこともあるので、あわせて覚えておきましょう。
語源・由来
「意気揚揚」は、中国の歴史書『史記』に語源があるとされています。該当する部分のエピソードを簡単に紹介しましょう。
中国春秋時代に、晏嬰(あんえい)という宰相がいました。身分が高いために、晏嬰が乗る馬車は豪華なものでしたが、晏嬰自体は謙虚な人だったそうです。それに対し、晏嬰の馬車の運転手は、自分が豪華な馬車を運転しているために、「意気揚揚」と働いていました。このようすを見た運転手の妻は憤慨し、離婚を申し立てます。
怒られた運転手は自分の振る舞いを反省し、態度をあらためるようになりました。その変化に気づいた晏嬰は、運転手を評価し、より高い職を与えたのだそうです。このように、自身は位が高いわけではないのに、誇らしげにしていた運転手のようすを「意気揚揚」と表現したことが、言葉の由来とされています。
使い⽅を例⽂でチェック
「意気揚揚」は、「意気揚揚と話す」「意気揚揚と歩く」など、「意気揚揚と〜」という表現で使うことができます。実際に例文をチェックしていきましょう。
「難しい商談を成功させた同僚は、意気揚揚としていた」
「意気揚揚としている」という表現で、「誇らしげにしている」という意味です。この例文からは、難しい商談を勝ち取った営業の人が、嬉しそうにその商談の模様を話しているシーンがうかがえます。
「世界大会で優勝した選手は、意気揚揚とインビューに答えていた」
「意気揚揚と〜する」のように、動詞を修飾して使うこともできます。世界大会に出場するスポーツ選手は、並々ならぬ努力を重ねていることがほとんど。これは、努力が実り、達成感を味わっている選手のようすを表現した文になります。
「意気揚揚と帰宅した娘。おそらくテストの結果が良かったのだろう」
こちらも例文2と同じように、「意気揚揚」で動詞を修飾した言い回しです。この例文は、「テストの結果を聞いていないけれども、誇らしげな娘の表情見るに、おそらくテストで良い点をとったのだろう」ということを表現しています。
類語や⾔い換え表現は?
「意気揚揚」の類語には、「意気軒昂」「得意満面」「有頂天」などがあります。一つひとつ意味を解説します。
意気軒昂
「意気軒昂」という言葉を初めて聞く方も多いのではないでしょうか。「意気軒昂」は「いきけんこう」と読み、意味は「意気込みがあり、元気いっぱいなようす」です。「軒昂」という言葉自体に「意気込みが盛んで、威勢がいいさま」という意味が含まれています。これに「意気」を組み合わせた四字熟語です。
得意満面
「得意満面」の読み方は「とくいまんめん」です。この漢字から読み取れる通り、「得意な気持ちが顔にあふれていること」という意味。良いことが起きた時や、満足する結果が得られた時などに、嬉しい気持ちが表情に出ているようすをさす言葉です。