「勇猛果敢」の意味や読み方とは？
「勇猛果敢」は「ゆうもうかかん」と読みます。「何事も恐れずに行動すること、勇ましく自分の意志をはっきりと決めていくさま」という意味の四字熟語です。
「勇猛果敢」は「勇猛」と「果敢」に分けることができます。「勇」は「強く勇ましい」、「猛」は「荒々しい」という意味。そのことから「勇猛」は「何事も恐れることなく勇ましいこと」をいいます。そして「果敢」は「決断力があり、思い切った行動をする」という意味。「果」は「思い切りがいいこと」や「成し遂げる」という意味を持ち、「敢」にも「思い切って行動を起こす」という意味があります。
また「勇猛な戦士」や「果敢に挑む」などのように、「勇猛」と「果敢」だけで用いることもできます。
「勇猛果敢」の由来とは？
「勇猛果敢」は中国の『漢書』に由来します。現在において「勇猛果敢」は、褒め言葉として用いられる表現。しかし『漢書』の中では、ある人を非難する言葉として登場します。
過絶人倫、勇猛果敢、處事不事、所居皆尚殘賊酷虐。
「人の道を超越し、勇猛果敢、そのことに疑いを持たず、人道に反した酷いことを平気でする」という意味です。
「勇猛果敢」と「猪突猛進」の違いは？
「勇猛果敢」と似たイメージの言葉に「猪突猛進」があります。これらの違いについてみていきましょう。「勇猛果敢」は「決断し勇ましく進んでいくさま」をいうのに対して、「猪突猛進」は「目標に向かって、がむしゃらに進むこと」。「向こう見ず」や「無鉄砲」といった、慎重さに欠けるというネガティブなニュアンスを含みます。
「勇猛果敢・支離滅裂」とは？
「勇猛果敢・支離滅裂」は航空自衛隊の気風を表した言葉です。「支離滅裂」は「一貫性がないこと」や「秩序のないさま」をいいます。航空自衛隊はスクランブル発進のように、迅速さが求められる部隊。加えて個々の柔軟な判断力も求められるため、「バラバラ」というニュアンスを含む、「支離滅裂」と表されているのではないでしょうか。
また、陸上自衛隊と海上自衛隊にも、それぞれの部隊を表す四字熟語があります。陸上自衛隊は「用意周到・動脈硬化」、海上自衛隊は「伝統墨守・唯我独尊」です。
「勇猛果敢」の使い方を例文でチェック
「勇猛果敢」は人の性質や行動などに対して用いる言葉。現在では良い意味合いで使われます。使い方を例文でチェックしていきましょう。
「彼女は何事にも恐れることなく挑む勇猛果敢な人だ」
「勇猛果敢」は、人の性質をいう場合に用いられる表現。「勇猛果敢な人」ということで「決断力のある勇ましい人」を表すことができます。
「社長の座右の銘は勇猛果敢です」
「勇猛果敢」は座右の銘としても挙げられる言葉です。また、面接時の自己PRなどにも「勇猛果敢」は適した言葉。困難にも立ち向かうという姿勢を表しています。四字熟語を使うことで、短い言葉で簡潔にイメージを伝えることができます。
「あの選手は世界チャンピオンにも勇猛果敢に挑んでいった」
周りから難しいと思われることに挑む際に、「勇猛果敢に挑む」と表現することができます。また「勇猛果敢」は、主に他人の言動などを評価する際に使う言葉。自分が行ったことに対して用いると、謙虚さに欠けた印象を与えかねません。そのため自分を評価するのに用いるのは避けたほうが良いでしょう。
「勇猛果敢な上司の姿に部下の士気が上がった」
決断力があり勇ましく行動する人は、まさに理想的なリーダー像。そのような人に対して「勇猛果敢」と称賛を送ることができます。
「勇猛果敢」の言い換え表現・類語表現とは？
「勇猛果敢」と言い換えて使うことができる四字熟語をみていきましょう。
「剛毅果断」
「剛毅果断（ごうきかだん）」は「強い意思を持ち、大胆に物事を行う」ことをいいます。「剛毅」は「堅い意思」や「強い意思」という意味。「果断」は「思い切って物事を行う」ことを表す言葉。決断力のある様子を表しています。
例文
・いつも剛毅果敢な上司に憧れる。
