「のるかそるか」とは?
あれ? どんな漢字だったっけ!? 漢字を知るとその由来まで繋がって理解できるはずです。一緒に見ていきましょう。
言葉の意味
「のるかそるか」の意味は、「成功するか失敗するか、成否を天に任せて、思いきってやること」です。特に大きな勝負に打って出るときによく使います。
漢字の書き方
「のるかそるか」を漢字で書くときに、「のる」は「乗る」と書いてしまいがち。実は「のる」は「伸る」という漢字なのです。そして「そる」は「剃る」や「逸る」ではなく、「反る」です。つまり、「のるかそるか」は漢字で書くと「伸るか反るか」。言葉の由来の意味もなんとかくわかったような気がしませんか?
言葉の由来
「のるかそるか」は矢師の矢づくりに由来しています。矢師が矢を作るときに、竹を『のため型』といわれる竹の曲がりを真っすぐにする型に入れて竹を乾燥させます。そして取り出した竹が真っすぐに伸びていれば使えますが、曲がっていると使えないので捨ててしまいます。
矢師が「のるかそるか(真っすぐに伸びるか、曲がるか)」と言いながら型から取りだしたことから、運を天に任せることを「のるかそるか(伸るか反るか)」と言うようになりました。
その後、物を賭けて勝負を決めることを「賭る(のる)」という言葉を当てはめて、勝負的な意味合いが強くなったといわれています。
使い⽅を例⽂でチェック
「のるかそるか」はどういうシーンで使うのでしょうか。例文で使い方をチェックしていきましょう。
のるかそるかで、有り金全部を大穴一点買いだ
「のるかそるか」は勝負事の際に使われることが多い言葉。この例文は有り金全部を大穴に賭けるシーン。勝てば大金を掴む、つまり「伸る」か、負ければ一文無しの「反る」かです。
いままでは無難なキャリアを生きてきたが、今回は人生を賭けての、のるかそるかの大勝負だ
平穏無事な人生を生きてきた人が、転職するとき、起業するときなどに使います。「のるかそるかの大勝負」はよく使われる慣用句です。
社運を賭ける事業なので、のるかそるかで行くよりも十分に分析を重ね、検討してから実行するべきだ
大きな勝負事をするときは、運を天に任せるよりも、十分に検討を重ね実現性の高い方を選んだ方がいいということを表した例文です。「のるかそるか」ではなく、実行するかどうかも含めて準備万端に行う方がいいという考え方なので、対義した意味になります。
類語や⾔い換え表現にはどのようなものがある?
「のるかそるか」の類語や言い換えの表現にはどのようなものがあるか、一緒に見ていきましょう。
一か八か
「一か八か(いちかばちか)」は、「のるかそるか」とほぼ同じで、「結果は天に任せてとりあえずやってみる」という意味に。「一か八かの勝負」という表現をよく使います。同じ意味の言葉に「丁か半か」がありますが、「一か八か」は「丁か半か」の漢字の上の部分を取ったもの。
また「一か罰か」という意味で、サイコロの目が一かそれ以外ではずれというサイコロ博打からの由来という説もあります。
例文:今度のレースに負ければ引退する。一か八かの勝負だ
人事を尽くして天命を待つ
「人事を尽くして天命を待つ(じんじをつくしててんめいをまつ)」は、「人にできることは精一杯やって、あとは天の定めた運命にまかせる」という意味。出来ることは精一杯やったという実感が先にあるので、「のるかそるか」よりは賭けの要素は薄まります。
例文:いままで以上に練習をしてきた。年齢的にも今度のレースに負ければ引退する覚悟だ。あとは人事を尽くして天命を待つ