夫がライブ配信の“推し”に投げ銭を注ぎ込み…
由香子さん(仮名)の夫は44歳。コロナ禍になって飲み会が激減し、代わりに夫の趣味になったのがライブ配信アプリの視聴だそう。ところが、夫が妻に無断で“推し”に多額の投げ銭をするようになり、夫婦関係に危機が訪れ始めたと由香子さんは言います。
「最初のうちは『こんなハイテクなアプリがあるんだね〜!面白いね〜!』って夫婦で一緒に見ることもあったのに、半年くらい経ってからは夫がコソコソと私のいないところで、ライブ配信を視聴するようになったんです」
夫の様子がおかしいと思ったのと、夫名義のクレジットカードの請求額が今までにないほど高額になっていることに違和感を覚えた由香子さんは、夫に内緒で夫のスマホをチェックしてみたとのこと。すると、当初は夫婦で一緒に閲覧していたアプリにいる“推し”に、夫がひとりで多額の投げ銭をしていることがわかったのだとか…。
夫婦で話し合うも「俺の癒しだから許してくれ」
「まさか私に内緒で多額の投げ銭を、アプリで見るだけの“推し”に使っているなんて思いもしなかったので、すぐに夫に文句を言いました。そのまま夫婦間で真剣な話し合いになりましたが、夫は『悪いけど、浮気しているわけでもないし、俺の癒しだから許してくれ』と言うばかり。まったく話し合いにならないのです。
我が家は夫の収入がメインで、生活費は夫から私が受け取った範囲でやりくりしています。夫は生活費以外は基本的に自分の稼ぎを自由に使えるルールにはしてきたけれど、カード明細は私が管理しているので、丸見えなんですよ。さすがに、見知らぬ女性に毎月何十万も使っているのは見過ごせなくて…」
夫の言い分は「今まで飲み会にかけていたお金を投げ銭にしているだけなので、家計は関係ない」「浮気ではないのだから、若い女性に投げ銭しても妻に迷惑はかけていない」というもの。しかし由香子さんは夫の言い分に納得できていません。
「若い女性に夢中になっているのは明白なんです。夫が多額の投げ銭をするから、“推し”の女の子からは随分と甘えたようなメッセージがたくさん届いているのも確認しました。でも、確かにスマホを通してお金を渡しているだけだから肉体関係はなさそう。つまり夫が言うように法律的には“浮気”ではないのかもしれません。
でも、私は夫に裏切られたと思っているし、浮気されたという心境です。夫は夫婦関係に影響はないと言うけれど、そのお金を家族でのお出かけに使ったり、貯金に回したりもできたわけですから関係ありますよね。私は欲しいものも結構我慢してきているのに、夫は“推し活”に自由にお金を使うことが、やっぱり許せないのです」
由香子さんの夫は現在も、“推し”にせっせと多額の投げ銭を続けているそうで、妻の我慢も限界に近づいています。妻が嫌がることや傷つくことを続けている夫の多くは「浮気じゃないからいいだろう」と言い、自身の行動を正当化する傾向がありますが、妻からすれば到底納得できるものではありません。
もしも義実家など夫の身近な人にも相談に乗ってもらえるようであれば、家庭が崩壊する前に周囲に協力を求め、夫の行動を改めてもらえるよう働きかけることも必要かもしれません。夫にすべてをやめさせるわけではなくても、節度をもってお金を使ってもらえれば、今より夫婦仲の改善が見込めるのではないでしょうか。
取材・文/並木まき