離婚後7年で夫が再婚…子どもにも「会わない」と言い出した
香織さん(仮名)は、30代後半のときに夫と離婚。ふたりの間には息子がひとりいて、香織さんが親権をもち育てています。離婚後も子どもの面会だけでなく、たまに元夫婦ふたりで食事に行くなど、“友人”としても適度に良好な関係が続いてきたそうです。
「でも夫が1年ほど前に再婚してから、状況がずいぶんと変わりました。相手の女性も私と同世代みたいですが婚歴がなく、元夫との結婚が初婚らしいです。再婚後は、息子もちょうど思春期に入っていることもあり以前のように面会することもなくなってきていたのですが、つい最近になって息子が進路で悩んでいることから、本人が“父親に相談したい”と言っているのに、元夫は『今のカミさんが嫌がるから、息子には会えない』と言い出したんです」
嫉妬深い再婚妻のせいで壊れ始めた“家族の形”
「自分で言うのもおかしいかもしれませんが、私たち家族は離婚してからも“新しい家族の形”を理想通りに築いてきたと思っていたんです。実際、結婚していた頃より私と元夫もいい関係ができていましたし、息子もそんな私たちを“両親”としてちゃんと認めていました。
それなのに、元夫が嫉妬深い女性と再婚したせいで、せっかく築いてきた家族の形が壊れかけていることに私は不満なんです」
元夫自身も再婚妻の嫉妬深さには頭を抱えているようで、頻繁に香織さんに相談のLINEが届くとのこと。香織さんは“友人”としてアドバイスを返信するそうですが「正直、なんでそんな女性と再婚をしたのか、よくわからないんです」と話します。
「再婚した妻が妊娠しているわけでもないし、子どもを欲しがっているわけでもないと聞いています。夫の話を聞く限りでは、単に“妻”としての立場が欲しかっただけみたいなんですよね。だから夫も入籍こそしているけれど、今の奥様とは“家族”という実感があまりないのか、大事なことは私に相談してきます。
このところ、毎日のように奥様の愚痴をLINEで聞かされていますが、そんな奥様のせいでどんどん私たち家族が物理的に離れてしまっているし、自由に父親と会えない息子もかわいそう。元夫には『今の奥様とは別れたら?』ってアドバイスもしていますが、元妻の立場でどこまで踏み込んだ意見をしていいものかも悩みます」
“結婚”や“離婚”にとらわれすぎることなく、自分たちが納得できる形での“家族”を模索する人も増えています。香織さんのように、一方の再婚によってこれまでの関係が壊れてしまうケースも決して珍しくないでしょう。元夫婦としての関係だけでなく、子どもが関係してくる場合には事態も深刻に。香織さんの場合は、息子のこともあるので心配も大きくなって無理はありません。
けれど香織さんも気づいているように、すでに“元妻”である以上は、今の妻との関係に踏み込んだ意見をしないほうが無難です。夫婦のことは夫婦しかわからないことも多いだけに、第三者が余計な口を挟むとトラブルに発展するリスクも上がります。離婚をしている以上は、残念ながらも“他人”であることを意識せざるをえない場面と言えるでしょう。今回のケースは、“夫の再婚”という出来事を通して、元夫との関係性を変化させざるを得ない時期と捉えたほうがいいのかもしれません。
取材・文/並木まき