目打ちとはどのような道具?
手芸用品の一つである目打ちは、幅広く活躍するアイテムです。実際に目打ちが使われる場面や、上手に使うためのコツを解説します。
ハンドメイドでマルチに活躍
目打ちは先がとがった針のような形状をしており、布に小さな穴を開けるときに使われます。チャコペンシルのように印を付けることもできるため、一つ持っておくと作業がスムーズに進む便利なアイテムです。
また、ミシン縫いの際には生地を押さえて、布送りをサポートする使い方も。縫い物の角を返したり細かい部分の形を整えたりと、目打ちを使うことで仕上がりが美しくなるでしょう。ミシン目をきれいにほどきたいときにも役立ちます。
レザーに縫い穴を開ける場合は、専用の「菱目打ち」を使うのが一般的です。魚をさばくときにもまな板に固定する目打ち針が使われており、手芸以外にも幅広い用途があります。
目打ちを使うときの注意点
目打ちは糸をほどいたり生地を押さえたりと、細かい作業に向いている道具です。ただ、強い力を入れると生地の繊維が荒れてしまう原因になるので、慎重に作業する必要があります。
縫い物の形を整えるときは、力を入れすぎないよう意識することが重要です。中表に縫い合わせた生地を裏返したら、縫い目の間に目打ちの先端を差し込んで、そっと布を引き出すようにしましょう。
デリケートな生地には先端が丸まった目打ちというように、用途に合う形状を選ぶことでよりきれいな仕上がりになります。先端が丸まったタイプの目打ちは、生地を傷つけにくいのがメリットです。
目打ちを選ぶときのポイント
使いやすい目打ちを選ぶには、用途に合ったタイプかどうかが重要です。刃先の材質や先端の形状など、目打ちを選ぶポイントを見ていきましょう。
先端のとがり具合
生地に穴を開けるために目打ちを使う場合は、まっすぐで先端がとがったものを選ぶのがおすすめです。先が細ければビーズの穴に通すこともできるため、アクセサリー作りをしたい人にも適しています。
ミシン縫いを補助するときには、先端がカーブしたものがぴったり。先が丸く曲がっているものを選べば、作業中にうっかり生地を傷つけてしまう心配がありません。
先端に丸みをつけるよう加工された目打ちもあり、「ボールポイント」と呼ばれています。力を入れても生地が傷みにくいので、縫い目をほどくときのほか、キルティングにも使われるタイプです。
持ち手の握りやすさ
目打ちには先端が鋭利なものもあるので、ケガをしないためにも手にしっかりフィットするものを選びましょう。握りやすいアイテムは使い勝手がよく、細かい作業を失敗しにくくなるのもメリットです。
木材・樹脂など、持ち手に使われる素材はさまざまですが、手になじみやすい太めのものがおすすめです。滑り止めが付いたものを使うと、力を伝えやすいのはもちろん、テーブルから転がり落ちにくく作業がスムーズになります。
また、クッショングリップ付きのものは、長時間作業していても手が疲れにくいのが特徴です。手の大きさや作業時間などを考えて、握りやすい持ち手の目打ちを選びましょう。
刃先のさびにくさ
目打ちの刃先がさびてくると、きれいに穴を開けられなくなってしまいます。生地に汚れが付着して見た目が悪くなったり、繊維が傷んだりする恐れがあることを覚えておきましょう。
ステンレス製の目打ちは刃先がさびにくいため、長く愛用できるのがメリットです。刃の部分にメッキ加工が施されているアイテムは、先端が生地を傷めにくく初心者でも扱いやすいでしょう。
目打ちがさびるのを防ぐためには、使った後のお手入れをすることも大切です。さびにくい材質かどうかに着目するのはもちろん、使用後は柔らかい布で磨くといった日常的なお手入れも欠かせません。
用途に合ったタイプかどうか
まっすぐなスタンダードタイプから先の曲がったもの・レザー用の菱目打ちまで、目打ちにはさまざまな種類があります。それぞれに適した用途が異なるため、自分の使う目的に合わせて形状・材質を選ぶことが大切です。
キルティング用には、先端がなめらかなタイプの目打ちをおすすめします。図案に合わせて印を付けたり、トラプントやブティなどキルティングの技法を施したりするときにも、欠かせないアイテムです。
主に裁縫用として幅広く使うなら、先端がとがったスタンダードなタイプを選ぶとよいでしょう。刃先が丸いものはペーパークラフトやレザークラフトに向いています。ミシン縫いやキルティングには、先端が丸いタイプ・先端がカーブしているタイプがおすすめです。
用途別におすすめの目打ち4選
目打ちにはいくつかのタイプがあるため、手芸やレザークラフトなど用途に合ったものを利用しましょう。初めての人にもぴったりな、おすすめの目打ちを紹介します。
Clover「S目打 21-233」
先端が細くとがったオーソドックスな形状で、手芸をする際にマルチに活躍するアイテムです。生地の糸をほどいたり角を出したりと、洋裁をきれいに仕上げたいときに役立ちます。
木材でできた太めの持ち手で安定感のある形状を実現しており、しっかりと握れるのがメリットです。機能性にこだわったシンプルな1本なので、初めて目打ちを購入する人にも適しています。
ある程度の長さがあり、ミシンの布送りもスムーズにサポートが可能。生地に小さな穴を開ける以外にも、さまざまな用途で目打ちを利用したい人におすすめです。
商品名:Clover「S目打 21-233」
チューリップ「クッショングリップ付き極細目打ちS ミント」
長く握っても手が疲れにくく、作業をスムーズに進められるクッショングリップ付きのアイテムです。透明なケースが付属しているため、使用後は安全に保管でき、安心して使えるでしょう。
先が細い作りの極細タイプなので繊維を傷つけにくく、繊細な生地を扱うときにも役立ちます。ビーズのバリを取り除いたり、小さな穴を開けたりといった細かい作業にも活躍。
持ち手の一部が平たい形状になっているので、指でつまむようにして持つことができるのも特徴です。鮮やかなミント色の持ち手は、見た目がかわいい上によく目立つので紛失もしにくいでしょう。
商品名:チューリップ「クッショングリップ付き極細目打ちS ミント」
袖山「クジリ・ローズウッド黒檀」
腐食に強く、耐久性にも優れたステンレスを素材に採用。刃先がさびにくいため生地を傷つけにくく、長くきれいに愛用できるのがうれしいポイントです。
全長95mmとほどよいサイズ感で取り回しにも優れているため、細かい部分もきれいに仕上がります。手になじみやすい太めのグリップで、糸をほどくときも丁寧に作業できるでしょう。
高級感のある黒檀を持ち手に使用した、シックな雰囲気も魅力的な1本です。
商品名:袖山「クジリ・ローズウッド黒檀」
One way「菱目打ち器 4本セット」
レザークラフトを楽しみたいときに活躍する、菱目打ちの4本セットです。それぞれ形状が異なっており、一度に穴を開けられる数が違うため、必要な場面に応じて使い分けられます。
菱目打ちに付いている刃の数は「目数」といい、目数が多いほど一度に多くの縫い穴を開けることが可能です。このセットにはスタンダードな1・2・4・6本の目数の菱目打ちがそろっているため、細かい部分やカーブもきれいに仕上がります。
3mm間隔の細かいピッチ幅で穴が開けられるので、革小物にチャレンジするときにもぴったりです。レザークラフトの初心者から作業に慣れている上級者まで便利に活用できます。
商品名:One way「菱目打ち器 4本セット」
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